Vストローム650にロードテックを履いてしばらくになりますが、通勤やツーリングにおいて雨天も含めて色々なシチュエーションを走行しましたので、改めて感想を。


おそらくアドベンチャー系に乗る方にとっては候補に上がる事もあろうかと思うのですが、実売価格としては他よりも少しお高めになるのかなと思います。


このタイヤなんですが、ちょっと不思議なタイヤでしてウェットグリップはかなり高いもののドライ路面のグリップはブリジストンやミシュランなどが出しているアドベンチャー向けタイヤに比べてかなり劣る印象です。


雨の日の白線上なんかは誰もが知るようにかなり滑りますが、このタイヤはそんな時もけっこうグリップしてくれるのですが、逆にドライ路面で白線の上に載ると今までのタイヤより滑り出しが早いです。


コンパウンドなのかタイヤパターンなのか理由は解りませんが、とにかくウェット路面での安心感はかなり高いものがあるので、ウェット路面でのコーナーリング中に水の流れがあるようなヒヤッとするような場面でも前輪が切れ込んだり、後輪がズルズルっといきにくいです。


あくまで「いきにくい」だけで滑るは滑るので、その点は誤解なきようにお願い致します。


そしてタイヤが軽いのでハンドリングはかなり軽快感がありますし、50センチ程ジャンプしてみても他よりもジャイロ効果を感じません。ただ、その替わりに接地感が低いので攻めて走ると不安感が拭えないのもあるかと思います。


タイヤの磨耗も特徴的でグルーブが多いせいか、オフロードタイヤのように回転方向に斜め減りしていますね。


このタイヤを履く上で自分的に大切だなと思うポイントが空気圧です。乗り方や体重、マシンでも違いがあるかと思うのですが、基本的にこのタイヤはダンピング性能が低いようでバイクごとの指定空気圧よりも少し低めでタイヤが動くようにしてあげた方が乗り心地やグリップが良好になると思います。指定空気圧ですとかなり接地感が薄くなり、実際のグリップ力も本来の力を発揮できないようなので、履かれた方は少しずつ空気圧を落としながらご自分のベストバランスを試された方が良いかと思われます。


ダート性能なのですが、まだそこまで本格的なダート走行はしていませんが、軽く走った感じでは、グルーブが多めという事で期待していたよりはグリップしないな~です。このタイヤは排水性を考えて回転方向に対して斜めに溝が切ってあるのですが、やはりオフロードタイヤのように回転方向に対して横に溝やブロックがないとエッジが効かないんでしょうね。



で、次はあるかと考えると、あくまでも自分としては 「ない」 のかなと思います。ドライ路面でのグリップに不安を感じたり、乗り心地の悪さ等、総合力でブリジストンやミシュランには及ばないタイヤという印象ですが、ウェットグリップを何より重視される方でしたら、明らかに滑りにくいので選ぶ価値はあるんじゃないかと思います。


またコンパウンドが硬めなので、溝が多目の割にはタイヤライフも想像していたよりも長そうですし、プラスしてタイヤも軽いからか燃費も若干ですが上がるようです。


私はやはりミシュランのアナキーシリーズが好きですね。