小学生の息子が柔道やっておりましてね、小学6年生でありながら身長160超の体重85キロで足のサイズは28センチなのもあって、そこそこ強いんですよね。
そんな息子がひょんな事からコロナが流行るちょっと前に開催された子供相撲大会に出場しまして、未経験のド素人ながらも柔道の技を応用して3位入賞しました。
ド素人とは言え、着衣での組みと裸での組みは似て非なるものなので、柔道の技を応用できるよう、その点については練習しました。
その時に気合いの入った行司をしてくださっていた方にお声掛けいただいて相撲の話を沢山お聞きする事ができました。
詳しくお話しをお聞きすると、その方はあるスポーツ強豪高校の相撲部で長年監督を務めておられ、ご本人も学生相撲で横綱になられた事もある方でした。
その先生のお話しは形は違えど武術を志す人間にとってとても勉強になるお話しで、その相撲愛の深さには感服するしかありませんでした。
先生は監督を務めておられた時に脳梗塞を患らわれて半身が思うように動かなくなった後も精力的に相撲に関わっておられ、後進の育成に力を注がれています。
そんな先生のお話しを伺っていると、この世にこんなにもひたむきに一つの事をやり続ける事ができる方が居るんだなと何と言いますか、神々しいものを眼前にしたような気持ちになりました。
そんな先生が脳梗塞になった時に、指導する生徒達の事や家族の事よりも先に脳裏をよぎったのが、何十年も鍛練を積み重ねて築き上げた自分の身体が失われてしまう事に対する恐怖だったとおっしゃられていました。何十年も心身ともに鍛え上げてきたのに最初に思った事が自身の身体の心配だった自分が情けないですともおっしゃられていましたが、そこに先生の誠実さと人間味と自分を律する心意気を感じ自分自身の矮小さを感じ恥じ入ってしまいました。
それ以後はコロナの影響で相撲大会は開催されず、先生とお会いできる機会には恵まれないものの、定期的にお電話でお話しをさせていただいております。そしてつい先日もお電話でお話しをさせていただいておりますと「半身が不随になり生きているだけで辛いと感じる時もありますが、私は100歳まで生きるつもりです」とおっしゃられていました。
なんかその言葉にホントに感動しちゃいました。
生きていくのが辛いけど、長生きしたいなんて自分に言えるでしょうか?
自分にはどう考えても無理ですね。私はデブチンで格好良いとは無縁のオッサンですが、他人よりも力が強く戦闘力も高い事が自分の根幹を支える大切な要素なので、そこを失ったら性格も生き方も変わってしまうと思います。
力だけじゃなくて、頭が良いとか、金持ってるとか、独立開業しているとか、趣味が充実しているとか誰でも自分の根幹を支えるものってあると思うんですが、そこが崩れても尚、前を向いて生きるって、なかなかできるもんじゃないですよね。
あぁ、俺なんてゴミみたいな人間ですが、それでも顔を上げて生きていこうと思わねばなりませんね。
最近の自分の素行も含めとっても反省しちゃいました。