さて、駆け引きで言ったマツダデューラーに行く事も無く、約束通りタントに乗ってディーラーに向かいます。

自分は以前、MPVに乗っていた事や最近のマツダ車のカッコ良さもあってマツダにはとっても好印象なのですが、CXー8の3列シート車でエクストレイルと同等の装備をチョイスするとかなりお高くなってしまうので、諦めました。

それと我が家のように雪遊びや、川や海でのシュノーケリング、釣りなどアウトドアでガンガン遊ぶ家族にとってはエクストレイルのコンセプトがピッタリなんですよね。

現在のステップワゴンを購入した一番の理由がフローリングフロアでした。雪遊びやシュノーケリング後の着替えなどで床がドロドロのベチャベチャになっても短いホウキで全て掃き出してしまえるのは便利でした。エクストレイルはそれにプラスして防水シートですからねぇ~使い倒せると思います。

さて、ディーラーに到着すると他のお客さんの目につかない奥にある応接セットに案内されました。こ、こやつら決めにきてる・・・こちらも負けじとタントの査定をしてもらっている間に、更なる値引き交渉に入ります。

私、昔オフロードバイクのレースに参戦していた時に出入りしていたバイク屋さんで、客と店員の間みたいな立ち位置になっていたので、バイク業界と車業界の違いはあれ、メーカーからのノルマや沢山売ったもんだけが発言権があったり、卸してもらう数や値段すら違ってくる厳しい状態を見る事もあったので、その辺なんかも「たいへんなんでしょうねぇ~」なんて話しをしながらも、とは言えモデル末期なんである程度の値引きがないとねぇ~なんてネチネチ突っ込むんですが、所長は

「いえ、マイナーチェンジを行ったところで非常にお得なパッケージとなっておりますので、商品として他社さんのものに劣っているとは思いません」

とか

「まだ我々に正式にモデルチェンジの話はきておりませんので、モデル末期とは考えておりません」

と、なかなか強気な姿勢です。私があまりにモデル末期を言い過ぎたのもあるかと思うのですが、所長の日産に対するプライドみたいなもんを感じて感心しちゃいました。

とは言っても、こちらも引く訳にはいきませんので、「いえいえ実際、北米ではもうモデルチェンジしているじゃないですか。ですが僕としてはモデル末期だからこそ製品として熟成しきっていると思うからエクストレイルなんですよ。僕にエクストレイル買わせて下さいよ」

などとオッサン同士が熱苦しいやり取りをしていると、どうやら査定が終わったようです。

で、所長が何とも言えない顔で僕達にこう言ったんです、










えぇ~5万えぇ~ぇぇぇん
(トーカ堂北社長風)


私「くっ❗」

所長「ど、どうしましょうか」

私「いや、ある意味これで諦めがつきました。目星を付けていた中古を買いますわ」

所長「どの位でしたら購入を考えていただけるのでしょうか?率直にお願いしたいのですが」

さあ、ここが最後の正念場だと。予め用意していた頭金、印鑑証明、印鑑のセットをテーブルの上に置いて、

私「支払い総額340万でお願いします」

とお伝えすると、真剣な顔で所長が下を向いて考えて込んでいます。おそらくかなり厳しい線をついたのだと思いながらも、

私「カルロスゴーンの件で日産さんも大変だとは思いますが、今日で終わらせましょう」

所長の額には汗がにじんでいます。

所長「343万でいかがですか」

私「所長~さすがですねぇ~粋な事をしてくれるじゃないですかぁ~」

所長「と、申しますと?」

私「いやいや、そんな端数つけたら、じゃあその端数を切って決めましょうか❗ってなるのが普通じゃないですかぁ~最後に僕に華を持たせてくれたんですねぇ~ありがとうございます❗ほんと粋ですよねぇ」

所長「いや、もう本当に無理なんです」

私「えぇ❗真面目におっしゃってるんですか」

所長「本当の本当に無理なんです」

私「・・・じゃあスタッドレスタイヤ用にアルミホイール下さい。中古でも良いんで」

所長「・・・考えたのですが今うちにはありません。中途半端なお約束はできないので申し訳ありません」

私「そうですかぁ~うーん・・・」

所長「・・・わかりました。半分ずつ折半しましょう。341万5000円で」

私「ええ❗まさかの大岡裁きぃ~」

情けない事に僕ちゃんってば、所長のあまりの気迫に押されてどうすれば良いのか解らなくなってきました。気づいていなかったのですが、どうやら所長は営業色の覇気使いだったようです。

すっかりビビってしまって、隣の奥様の顔を見ると、「さあ、お逝きなさい」って慈愛の顔で首を縦に振ってくれました。

と、言うことで

340万と1万5000円でフィニッシュです。

まだ行けたのか、ええとこ行けたんか解りませんが、もうこれ以上は無理。心が持たない。