
水の体積の求め方
おはよう同志諸君。
さて。
何のために戦うのか・・・
それは
大切な誰かを守るためであったり、
自分の信念を貫くためであったり、
または自分の欲を満たすためであったり、
村を、街を、世界を救うためであったり、
ただそうする他なかったり、
はたまた、誰かを鍛えるためであったり・・・
まあ、いろんなパターンがあるので、
生きるのに辛くなったら色々ゲームでもしたら良いんじゃないかな。
さて。
よくあるゲームの中盤くらいで、
まあ良く分からない祭壇的なプールのような
中央に石舞台があって、それを取り囲むように火が焚かれている・・・
ストーリー中盤までは色々すべきことを助言してくれたり、
時にパーティーに加わったりしてくれていた異教の巫女的な存在が
「自分を倒せないようではこの先は行かせられない」的なことを言い、
主人公の前に立ちふさがるというイベント戦闘シーンの舞台となる、
神殿かピラミッド的な何かの頂上にある、水をたたえられた謎の施設を
誰しも目にしたことがあるだろう。
多くの場合において、その戦闘では、
パーティー編成であったり、使用可能な魔法系統であったりが制限されていて、
やけに戦いにくいのが様式美であったりする、そんな施設である。
前述の巫女も少し浮いていたりして、ゆっくりと指を差したり空を見上げたりするだけというモーションのくせに、
なんかすごい魔法陣とかが対象の足元に描かれて、大ダメージを食らったりする、そんな施設である。
そう。
こんな感じの。
え?しょぼく見える、だって?
いやいや、非表示にしているだけで、実際は
こんなサイズ感だ。
一応、
底面230m*230m、高さ120mのジッグラト的何かの頂上に位置する、
12m*12mの水槽だ。
恐らく戦闘フィールドが頂上の30m*40mの部分になるとして、
縦横無尽に動きまわり、召喚しまわり、魔法陣を描きまわることができる、
かなり巨大な建造物と分かってもらえるだろう。
中盤として遜色ない施設だ・・・。
・・・あとはまあ、テクスチャーとか細かい部分とかの作り込みとかをしていないから
しょぼく見える可能性があるが、
それは諸君の脳内フィルターで対応してほしい。
砂漠をイメージするもよし、
密林をイメージするもよし、
諸君次第だ。
さて。
そんな場所に、
こんなにも水が湛えられている。
勿論、前述の巫女的な存在が水を準備するはずはない。
きっと、侍女か、召使いか、その村の水道局的なところの現場担当が準備するはずだ。
当然、神聖なる施設なので、バルブをひねって水が溜まるということもない。
きっと、浄化や祝福を受けた特殊な水、
否、そもそもの水源自体が霊的なところかもしれない。
兎に角、侍女か、召使いか、その村の水道局的なところの現場担当が
人力で甕を担いで運ぶのだ。
高さ120mの所にあるこの水槽まで。
日本の建築基準法に則っているはずもないが、
(230-40)/2=95mの水平方向距離、120mの垂直方向距離を移動するために階段が備わっているので、
踏面0.19mとすると、
95/0.19=500段
120/500=0.24mの蹴上の階段となる。
階段の1段が24cmでは建築基準法違反だが、この世界では大丈夫だそうだ。
そして、水を運ぶ甕。
樹齢100年を優に超える霊木を、祝福を受けた鑿で手作業で削り、くり抜いて作った、
風袋重量10kg
容量50L
の水甕だ。
総重量60kgとなる。
この世界の労働基準法、女性労働基準規則を私は知らないが、
成人女性 20kg/人まで
ということらしい。
成人男性については法律に明記されていないそうだが、神事担当の社内規則によると、
成人男性継続作業 30kg/人
ということらしい。
成程、倒れるまで働かせ、
倒れた場合は次と交代させるのではなく、実にホワイトな労働環境のようだ。
いや、神事なのだ、彼らは畏敬の下でそれを行い、
光栄に思いこそすれ、辛いとは思わないのだろう。
体力的に大変だが、それで村が守られているのだ
長く続けられはしないだろう。
それでも、この満ち足りた日々を忘れることはない・・・
と、元・当該施設まで水を運ぶ神事を6年間担当していた男が
その手記で語っていたそうだ。
・・・おかしいな。途中から、「~らしい」、「~そうだ」に変わっている。
何故、伝聞推定口調になっているのだろう?
まあいいか、話を戻そう。
そんなわけで、
総重量60kgの水甕を運ぶのだが、
何人必要なのだろうか?
何回往復しなければならないのだろうか?
先程のこの世界での労基によると、
成人男性なら2人で、成人女性なら3人で、1回を運ばなければならない。
3人だとバランスも取りづらいので、女性の場合は4人で運ぶことにしているらしい。
60/4=15kg
・・・まあまあ怪力の侍女だな。
兎に角、
男性なら2人、女性なら4人が1杯あたりの運搬に必要だと分かる。
次に必要な情報は、
必要な水の総体積、即ち水槽の実質容積である。
というわけで、水の総量を求めよう。
FreeCADで。
因みに、この水槽には
中央に巫女の舞う大理石の石舞台、
および四方に円柱形でない篝火台が配置されているので、
「底面積×高さ」では体積を求められない。
まあ、樽型の篝火台を配置したのは私だけど・・・。
話を戻して。
残念ながらFreeCADでは他CADソフトのように、アイコンをクリックするだけで体積や重心を求めることはできない。
が、コマンドを少々打ち込んで求めることが可能だ。
コピー&ペーストで十分だ。
というわけで、
備忘録:「FreeCADで体積を求める」
【要約】
FreeCADで体積を求めるためには、
Python コンソールにて
>>>target_object=App.ActiveDocument.getObjectsByLabel("*******")[0]
>>>target_object.Shape.Volume
(※*******の部分は対象オブジェクト名)
を実行する。
※この要約で納得された方はこの部分より上のどうでも良い文章は読む必要はございません。
--------------------
1. 対象のオブジェクト名を確認する
モデルツリーから対象のオブジェクトを探し、オブジェクト名(Label)を確認する。
この時、Space連打で非表示、表示を切り替えて確認すると良い。
(「Slice001.0」が対象のオブジェクト(水)名です。)
2. Python コンソールを開く
「表示」
→「パネル」
→「Python コンソール」をクリック
↓
開いたPython コンソールに文字列がいろいろ表示されていて鬱陶しいと思った場合は、
Python コンソール上で右クリック
→「コンソールをクリア」
ですっきりします。
3. 計測したいオブジェクトを指定
「target_object=App.ActiveDocument.getObjectsByLabel("Slice001.0")[0]」と入力
→Enter押下
※Slice001.0の部分が求めたい対象によって変わります。
4. 体積を求める
「target_object.Shape.Volume」と入力
→Enter押下
以上。
そんなわけで
90183570590.29176mm^3 だそうだ。
即ち、
90183570590.29176mm^3
≒90184L
甕1杯が50Lなので、
90184/50=1803.68≒1804杯
運ばなければいけない。
最初の1回は巫女の侍女グループが運ぶそうなので・・・
どうやら、侍女たちは相応に何等かの力を持っているそうで、
この中から次の巫女が選ばれるらしい。
成程!端数分の少なめの水を運ぶのだな!!!
怪力の侍女の筈はないと思っていたよ。
・・・話を戻して、
1803杯を男たちが運ぶとする。
男2人なら 1803回
男4人なら 901.5回
男6人なら 601回
男8人なら 450回
…
男20人なら 180.3回
男40人なら 90.15回
・・・
男200人なら 18.03回
・・・
と計算上は求められるが、
何人で実際運んでいたかは、ちょうどその部分のページが虫食いで読めない・・・
・・・
・・・
・・・・・・と、
王立図書館禁書庫蔵の
『辺境にある魔導部族の歴史と我が国との交易について 第34巻』 (著者不明) に書いてあったという。
では。