2015年12月8日(火)渋谷のサイバーエージェントさんのセミナールームに行ってきました。
UXなまトーク Vol.3のテーマが「定量と定性の交差点」ということで、
UXリサーチャーでもある山口として大いに興味を持って参加してきました。

以下、自分のメモとスライドがUPされている場合はそれも参考にしつつ
内容を思い出して整理しています。
また長文になるため、登壇者お一人ずつに分けて書こうと思います。
登壇者4人のタイトルを文末に挙げましたので、他の発表内容もご参照ください。

まず、1人めの登壇者です。
■『ネットアンケートから定性的データを引き出し質的分析をする取り組みについて無意識インサイト調査Rと行動文脈リサーチの実践例』
株式会社アイ・エム・ジェイ 佐藤哲氏

佐藤さんが同僚の女性に質問されてアドバイスするという
LINEのような会話調で「無意識インサイト調査」が紹介されました。
(メモ書きから起こすと、記憶から以下のような感じです)

(同僚)「佐藤さん、NPS(ネットプロモータースコア)しようとしたら、
アンケート回答には名詞が多くて感情など形容詞が少なくて困ってます。
インサイトにつながる情報を得たいけど、インタビューする予算ない。。。」

→それじゃあ、天使と悪魔質問がいいよ
(略画法+説明文に投影法を用いた心理学的アプローチ)
→他には、振られちゃった設問(擬人化法利用)もあるよ
 ※これらはIMJの無意識インサイト調査で使用
→他に、こっそり設問、思い出設問、新しい法律設問などもあるよ。

これらの調査手法は、学習院大学の上田先生と共同開発されたそうで
ユーザーが意識していない行動や感情に触れる記憶、隠れている本心などが見えてくるそうです。

(同僚)「佐藤さん、UXのデータを共起分析したけどうまく処理できないよ~」
→それぞれの人の文脈が入っているから形態素にばらしたらダメなんだ。
 文脈を読み取りながらワークショップで、ポストイット化するといいよ。
→またアンケートは、ゴミ回答をクリーニングして、200~300抜き出せばOK!
 そしてKJ法などの親和図法を利用して、リフレーミングすると本質が見えてくるよ。

(同僚)「佐藤さん、こんな考察は1人だけでの分析ではでてこないわね。
データの背景がつながっているし、定量の仮説が裏付け出来た感じ!」
※ボケ写真ですみません^^;

UXなまトーク佐藤氏 

【参考】「無意識インサイト調査」については、以下のスライドの中に一部が紹介されています。
やり尽くし感を打開する新アプローチ『サービスデザイン』を体感ーサービスデザインワークショップ (2015.02.19)

また、「行動文脈リサーチ」についても紹介がありました。
実際の体験の生データの収集はインタビューだと大変ですが、これを大量に収集するために
エクスペリエンスフィードバック法をアンケート上で再現して利用した手法だそうです。
どのタイミングでどのようなことを行い、その時どう思ったか、そしてどれくらいのテンションだったかを
手書きデータでネットアンケートを使って素早く集めて分析します。
量の多い定性的なデータの処理のため、分析はワークショップ形式で行われたのではないかと思います。

【参考】詳しくは、Web担フォーラムの以下を参照してください。
国内旅行体験のジャーニーマップ50人分を分析、IMJが感情曲線・行動文脈リサーチを公開

佐藤さんの発表は以上です。

(登壇者の発表タイトル)
『ネットアンケートから定性的データを引き出し質的分析をする取り組みについて
 無意識インサイト調査Rと行動文脈リサーチの実践例』

株式会社アイ・エム・ジェイ 佐藤哲氏

『ピグのユーザ体験を 定量/定性で捉える方法』(予定)
株式会社サイバーエージェント 水野 寛氏

『チームビルディングから始めよう!~UXデザイナーの定量×定性への取り組み方~』(予定)
ヤフー株式会社 瀧知惠美さん

『ユーザーを理解できない「アクセス解析指標」や「KPI」からの脱却!
ユーザーエクスペリエンスに基づいた指標設計と改善の考え方』(予定)

小川卓氏