こんにちは。スタンフォード白熱教室の番外編を書いてみました。


スタンフォード白熱教室 第6回 「トランプで創造性を学ぶ」では、単なる遊びと受け取られそうなゲームの中に様々な創造性に対する種が仕込まれていて学習できるようプログラムされていました。
その内容は、生徒たちの心理や行動を追った心理・行動編(6月20日)や

http://ameblo.jp/hc-design/entry-10928812582.html

ゲームの振り返り編(6月21日)

http://ameblo.jp/hc-design/entry-10929821464.html#main

で記録してきました。


今回は、ゲームのワークショップで明らかになったスタンフォード流(=多分米国流)の創造性や起業家教育の教えを日本と比較して、少し前に出頭・収監されたホリエモンの事件と絡め、あくまで個人的な意見としてまとめてみました。


番組で印象的だったことのひとつが、

「ルールの前提を疑え。なぜならば、ルールの多くは提案に過ぎないから」

という教えです。

実社会のどろどろとしたところをゼロから起業していくことを考えると、優等生の振る舞いではつぶされる危険性が高いと言え、半分納得するところがあります。
そこで思い出されるのが、最近出頭して刑務所に収監されて話題となったホリエモンです。
もし、ホリエモンがスタンフォード大学出身で、起業家育成コースで学んだことを米国で実践してあのような一連の行動をとっていたとしたら、彼の一生はどう変わったでしょうか。


ホリエモンは、なぜ日本で捕まったのでしょうか。

罪状は自社の業績の虚偽の申告で、法律的に罰せられたのはこの部分だけだったと思います。

違反は違反なのですが、比較的軽い罪で捕まったといえます。
会計操作といった辺りはかなりグレーゾーンがあるようで、そのため様々な解釈がされてきましたが、日本ではホリエモンが見せしめ的に捕まってしまった感じがします。


会計に関して、海外事情はどうでしょうか。

専門の人からはひとつの事象で語って欲しくないと言われるかもしれませんが、日本の金融界では疑問視される行為でも、香港や米国など海外の金融市場では日常茶飯事に行われているやりかたも多いそうです。例えば資金を調達するために上場企業を買収して、最後は他社に売り払うといった企業の商品的な扱いです。
従業員の気持ちを考えると自分もどうかとは思いますが、こちらの方がグローバルスタンダードというやつかもしれません。

日本のやり方が通じない相手が世界にはわんさかといることでしょう。


携帯電話の良くない進化形態として有名になったガラパゴス化と同じだといえませんか。

日本のルールだけに囚われると、日本の企業も世界相手に競争しづらい訳です。

企業としては、ルールを世界に合わせるのか、世界に日本式で優れたやり方やルールを広める努力をするべきか。


またホリエモンのフジテレビ買収問題で、自社の時価総額を上げて株で会社を買収するという手法が問題になりました。

産業界や政治、マスコミはこぞって叩いた訳ですが、その理由は、フジテレビは大企業だから、メディアだから偉いんだ、守らなければという業界や官僚が植えつけた単なるルールに過ぎなかったのでないでしょうか?


ライブドア側に立てば、小が大に打ち勝つにはこうしたルール逸脱のぎりぎりのことをするのは、弱者の戦略と言えます。日本ではなく、米国だったらフジテレビは買収されていたかもしれないと思いませんか。
フジテレビ側も大手マスコミという立場に甘んじて備えを怠っていた訳で、日本の国が外国資本を規制する法律で守ってくれていなかったら、外資がすでに買収を行っていたに違いありません。


また最近の事件では、「焼肉酒家えびす」の集団食中毒を起こした会社はつぶれてしまいましたが、放射能漏れで多大な被害を出している東京電力は、大きいがゆえに、公益企業の名のもとに生き延びています。

日本の中での競争ならいざ知らず、今回のトランプゲームのように別世界(イスの世界)からルールは自分たちで決めようとする大手企業が本気で進出してきたらひとたまりもなと思いませんか。


グローバル企業からの進出例として、グーグルのストリートビューが挙げられるのではないでしょうか。

日本企業でも類似のアイデアはあったと思いますが、グーグルは許可を得る前に実行し、後から物議はかもしましたが、結局サービスとして実現してしまいました。

日本企業は日本の事情が分かるゆえに、役所のご意向など自分で枠をはめてしまっていて身動きが取れず、外資はルールを知ったとしても素直に従わなかったので成功したといえないでしょうか。


しかし、日本人でも規制を打破して事業に取り組み成功した人はいます。

思い当たるだけでもソフトバンクの孫氏をはじめ、ヤマト運輸の小倉氏、HISの沢田氏、MKタクシーの青木氏を思い浮かべました。

規制をおかしいと思い闘って打破したこの人たちはすごい人だなと、改めて感じました。


今回のホリエモンのような検察が出てきて逮捕という象徴的な行為は、ティナ先生がおっしゃる米国型の起業家予備軍を日本から消し去ってしまったのではないかと危惧してしまいます。

こういう不況期こそ、経済の活性化になる起業家が出てくるべきだと思うのですが。


ドラッカー先生が次の日本に必要なのは「イノベーション」だと言っていますが、現状はイノベーションを起こしにくい社会になっているのではと思います。

イノベーションとは、新しい価値を創造することだといわれていますが、日本ではルールを新解釈で行おうとするとつぶされるので、日本の組織自身が仕組みを変えるイノベーションは非常に難しいのではないかと思いました。


そういえば、昔から日本が変わる要因として「外圧」の実績がありますが、自ら制度を変えることの難しさの証左であり、日本発のイノベーションは、周囲からの抵抗を受けづらい「技術」によるイノベーションに偏っているなと感じました。


私の個人的な意見ですが、欧米との思考や文化の違いを強く感じさせてくれる

TV番組でした。
書き散らかした感がありますが、ご容赦願います。