「ハイスクールの時に自立した」
と言えば聞こえは立派。
親の知り合いがアパートを経営していたので、
そこに住まいを移しただけ。
そのアパートは1930年代か1940年代に建てられたとか言う、
古いホテルをそのままアパートとして使われていた。
ハリウッドブルバード沿い、オンボロの建物だった。
レントは確か300ドルするかしないかだった筈。
「そのくらい稼ぐのは余裕」
と息巻いた自分は浅はかだった。
当時のバイトの時給は3ドル50セントくらいだった。
月のレントを稼ぐには約90時間働かなければならなかった。
そんな自分は学生の身分。
月に30日働いたとして、1日に3時間労働。
勉学に全く興味がなかった自分は働く事は厭わなかった。
ファストフード店、クリーニング屋、花屋のデリバリーと
まるでそれら全てが自分の任務かのように毎日楽しく過ごした。
時は過ぎ、そのアパートは売却され、のち取り壊された。
それは5年位前の事だったと思う。
ハリウッドの再開発は毎日進んでいる。
この前まで2階建ての古いビルだったのが、気がつくと10階建てのホテルに早変わりしている。
そのアパートの跡地も例に漏れず、小洒落たアパートになった。
畳に換算すればたかが16畳くらいのスタジオのレントが2500ドル、
1ベッド1バスのフロアプランでは3000ドル、
2ベッド2バスなら4500ドルを超える。
既に全て契約済みとなっているスィートだと5000ドルからスタート。
恐るべしハリウッド
