いよいよ治験が始まるからなのか、光免疫療法に関する記事が多い。 

光当て「がん治療」治験、3月にも開始…「近赤外線で化学反応」利用 
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180122-OYTET50018/

新たながん治療法、近赤外光でがん細胞死滅を目指す 島津製作所、米NIHと共同研究 
http://www.sankei.com/smp/west/news/180120/wst1801200014-s1.html 

国内で最初の治験は、国立がん研究センター東病院で実施され、対象は、頭頸部がんの患者である。 
着目すべきは、米国での治験では、手術や放射線療法などで治らなかった首や舌などのがん患者で効果が得られていることである。 
抗がん剤治療や放射線治療が延命を目的としたものであるのに対し、手術と同じように光免疫治療は完治を目指すことができる可能性がある。 
「食道や大腸など様々ながんに応用できる可能性があり、できるだけ早く治療法として確立したい」というコメントに期待したい。 

島津製作所のほうは、近赤外光による化学反応の進行状況を計測に関わるというものであり、治療の蓋然性を高めることにつながる。 
こちらの記事には、「放射線治療などに比べて人体に安全で、免疫治療薬「オプジーボ」より医療費が安くなる」、という記述もある。 

現在の標準治療は手術、放射線治療、抗がん剤治療の3つであるが、もしがんの8割~9割が対象となる光免疫治療が確立されたらどうなるだろうか? 
光免疫治療を受けられるなら、手術ができない患者は、抗がん剤治療をする人はほとんどいなくなるだろう。 
過渡期にはいろいろなところで、本来の目的と異なる障害が出てくる違いない。 


免疫療法の1つのペプチドワクチンでは次のような記事があった。 

がん転移関与のペプチド発見 久留米大などの研究グループ 抗体投与で抑制、新薬期待 
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/medical/article/386572/ 

がんの転移に作用するペプチドを突き止めた、というものだ。 
つまり、転移するかどうかは、このペプチドの有無で決まっているということだ。 
これが本当なら個々のがん患者ごとに異なるネオアンチゲンワクチンではなく、この転移ペプチドのワクチンで十分ということになる。