ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書) | 半学半教

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新聞の中に隠れた人のようにならないために

ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)
中川淳一郎
光文社
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 断言しよう。凡庸な人間はネットを使うことによっていきなり優秀になれるわけではないし、バカもネットを使うことによって世間にとって有用な才能を突然開花させ、世の中に良いものをもたらすわけでもない。(18頁)

ネットは、買い物や勉強、ゲーム、動画、音楽からポルノまで、幅広く使えるものですが、結局のところ、使っているのは人であり、人は、ネットが登場したからといって突然変わることはない、ということ、そして、ネットが、低コストで利用できるが故の現実を、正しく理解しなければならないと痛感させられました。また、この現実が変わることはないのだろうな、と、なんともいえない寂しさも感じました。

私は、iPhoneやiPadを使い、それらを使う人を日々チェックすることを続けていますが、気がつけば、スマートフォンやタブレット端末をあたかも世間の皆が注目しているかのように錯覚してしまう、というように、ネットにのめりこみ、ネットにのめりこんだ者同士がいる場において議論されている情報が、世間一般でも議論されているかのように感じてしまう錯覚は、気をつけなければならず、このあたりのバランス感覚は、見失いかねないところではあるので、適宜意識し、感覚を調整する必要があるでしょう。

ウェブマーケティング、プロモーションなどにおいても、大いに参考になりますが、そのバランス感覚を調整する手始めとして、本書は最良の本であるように思います。