阪堺電気軌道阪堺線
モ501型501号車
新今宮駅前11時52分→我孫子道12時11分
新今宮駅前
2015年3月5日

大阪市電2600型や3000型・3001型に似た顔が嬉しい501型で車庫のある我孫子道を目指します。
1957年の登場から撮影当時でまもなく還暦、大阪界隈の路面電車でも大阪市電は大阪万博を控えた1969年に廃止、神戸は1971年、京都も1978年に姿を消して、阪堺電気軌道も1980年に阪神高速道路松原線開通と引き換えに廃止されています。
昭和50年代までは路面電車道路の邪魔者扱いをされて次々と姿を消しました。


広島電鉄900型911号車
日赤病院前ー広電本社前
2005年5月27日

もと大阪市交通局2601型2636号車。モ501と同じ1957年製造だが、製造は大阪車輌工業に依るもの。大阪市交通局引退後は広島電鉄で再活躍を果たすが機器類は旧型車の流用品を使用しているため老朽化が進み写真の911号車は2019年3月に廃車となる。


鹿児島市交通局
800型808号車
郡元
1990年3月27日

もと大阪市交通局2601型2696号車。1959年に大阪市電1201型の機器を流用したものだが、起源は阪堺電気鉄道※モ101で1927年か1929年に製造されたものに遡る。製造は大阪車輌工業に依るもので鹿児島市交通局で再活躍を果たすが機器類は旧型車の流用品を使用しているため老朽化が9700型に一部部品を流用して全車廃車となっている。

阪堺電気  阪堺電気とは別会社で"新阪堺"とも呼ばれる。芦屋橋-三宝-墨江大橋-浜寺間を結び軍需輸送による輸送力増強に対してその輸送力が対応出来ず監督官庁の推奨もあり1944年に大阪市交通局に買収され、大阪市電阪堺線となっている。

残された阪堺電気軌道阪堺線・上町線も決して安泰ではありません。

1985年度から2010年度の25年間利用者は6〜7割も減少しています。
1985年当時の堺市内のデータイムの運転本数は毎時8本(7分30秒間隔)の運転であったが、その後利用客の減少に伴い毎時6本 → 現在の毎時5本へと削減されています。利用者減少が続いていた2000年に国土交通省から出された安全対策事業を進めることが資金的に困難だとして、2003年に我孫子道以南の堺市内区間について廃止を含めた協議を堺市に申し入れました。

これに対し堺市では予てから東西鉄軌道として構想されているLRT建設計画※があり、阪堺線との有機的な連携が期待されていた。そこで同市は安全対策事業への補助や市民参加の支援団体立ち上げといった路線存続に向けた動きを活発化させました。

※この計画は、東西鉄軌道の建設は、堺市が国の補助や起債などの財源を確保しながら公費で軌道施設の建設と車両の購入を行い、阪堺電気軌道がその経営ノウハウを活かし、運賃収入によって軌道線の経営を行っていく公設民営方式と堺市が軌道施設や車両の所有者となり、軌道線の経営を行う民間事業者に施設等を貸し付ける上下分離方式の両方を採ることとなっている。そして、軌道線の開業後は、軌道施設を所有する堺市が軌道施設等の維持管理費に相当する額を軌道線の経営を行う民間事業者から路線使用料として徴収し、軌道施設等の維持・補修を行うこととなっていた。

2006年12月に堺市が、阪堺電気軌道と親会社の南海電鉄のグループとのLRTに関する非公式事前協議で南海グループ側から提案された相互乗り入れを受け入れる意向を示した。このため阪堺電気軌道の存続と、2010年度を目途にLRTとの相互乗り入れ実現を目指す方向で話が進んでいました 。

しかし、2009年9月に前市長の任期満了に伴って行われた堺市長選挙で当選、新たに竹山修身氏が新市長となって状況は一変します。
LRT建設計画のうち堺東 - 堺駅間を採算面などにより建設中止堺駅 - 堺浜間はLRTと大阪市営地下鉄の延伸による整備に見直すことを表明しました。
LRT建設計画のうち堺東 - 堺駅間の建設中止については、2009年12月に市議会の反発によって否決されますが竹山市長が堺市内の交通体系を総合的に検討する意向を示したことでLRT関連予算を減額する修正補正予算案が2010年1月13日に可決されました同年1月22日には竹山市長が南海にLRT計画中止を正式に申し入れ、これに対し南海は同年秋までに阪堺線支援策を提示することを要請した
2010年4月に阪堺電気軌道は堺市内の窮状を訴える資料を公表します。それによると堺市内区間を存続するには軌道施設や車両などの公有化による設備維持費用の市負担と増客支援策等により1日約1,000人乗客が増えて収入が約3割増加することが必要と訴えています。

2010年6月、堺市南海電鉄および阪堺電気軌道に対し、10年間で総額50億円(年間2億円の利用者拡大策への補助に加え、設備高度化への補助として30億円)の支援策を提示し、同年10月には阪堺との間で存続に向けた基本合意を結んで現在に至っています。


阪堺電気軌道阪堺線
1001型1003F
我孫子道
2015年3月5日

堺市による阪堺線活性化支援策の一つとして、同市と国の補助により合計3編成が導入された、阪堺電気軌道では初の超低床路面電車。


鉄道同士の競合やモータリゼーションを乗り超えて、今日も阪堺電気は大阪市南部から堺市にかけてレールを叩いて走ります。
新今宮駅からしばらくは専用軌道を走り抜けます。


天神ノ森を出ると南海電鉄高野線を潜り、併用軌道に入ります。車道が狭いなか、複線軌道を敷いたため浜寺方面へは車道と軌道は別れていますが恵美須町方面は軌道と道路が一緒です。
電車はまもなく東玉出に到着します。


塚西付近の軌道の様子。遠くに通天閣が見えます。


塚西ー東粉浜を走ると恵美須町行きのモ352号車が行き過ぎました。


阪堺電気軌道のジャンクション:住吉です。住吉大社に近く20161月末までは写真右奥から左手前にかけて上町線が住吉公園まで伸びていましたが廃止されました。


阪堺電気軌道上町線
モ601型603号車
住吉鳥居前ー住吉
2015年3月5日
僕が乗っていた電車は我孫子道行きで、数人乗りましたが、更にその先の堺市方面まで乗るお客が停留所で待っています。電車は更に南へ走ります。