水中翼船"王将"号は1963年4月、日立造船神奈川が建造した大型の水中翼船としては国産第一号艇です。
当時3億円(現在の貨幣価値に換算して18億円)を投じ名鉄海上観光船が導入。1963年5月〜1982年までの19年に渡り上記の3航路(名古屋-鳥羽、鳥羽-伊良湖-蒲郡)の航路に就航し延べ152万人が乗船、地球約60周分に相当する240km航行しました。
引退後は伊勢志摩みやげセンター"王将"に引き取られて土産屋の屋根上に鎮座されて看板として、船内は団体専用の御食事処として利用されています。
水中翼船 王将
製造:日立造船神奈川
型式:日立造船PT50型
総トン数:約130㌧
全長:約27.90m
幅(甲板上):約6.10m
幅(水中翼):約10.65m
高さ:約3.75m
吃水(着水時):約3.50m
吃水(浮揚時):約1.50m
航海速力:35ノット
旅客定員:120名(他に乗務員6名)
就航:1963年5月
なお1963年には名鉄海上観光船に商号を変更しています。
1964年4月には名古屋鉄道・近畿日本鉄道の折半出資により伊勢湾自動車運送船を設立します。これが現在の伊勢湾フェリーとなります。
伊勢湾フェリー就航開始
1964年11月
1964年11月: 伊良湖ー鳥羽間にフェリー航路の営業を開始しました。1973年5月には現社名である伊勢湾フェリーに変更となり、1976年10月には鳥羽ー師崎間フェリー航路の営業を開始しました。
一方で名鉄観光観光船は1969年に蒲郡-鳥羽航路にホーバークラフトを就航させました。
西浦温泉のホバークラフト乗り場
1969年
名鉄観光汽船は1969年から10年間、蒲郡・西浦・伊良湖・鳥羽間にホバークラフトを運航していました。伊勢湾内の海上交通の発達により、速達性と近未来的な外観から観光資源としても導入されました。
蒲郡市竹島近くの蒲郡の乗り場を出航してまず10分で西浦温泉の桟橋に着き、そこを経由してさらに35分で鳥羽港に到着しました。
便によっては伊良湖を経由する便もあり、志摩勝浦観光船の便と交互にダイヤが組まれていました。
1982年には予てから懸念されていたコスト高と利用者の減少、老朽化により水中翼船・ホーバークラフトともに廃止されました。