巴川製紙所DB101
貨物鉄道博物館
2019年5月20日
1957年、協三工業で製造された自重10㌧の入換用ディーゼル機関車です。巴川製紙所用宗工場専用線の開設に合わせて同型機:DB102とともに納入されました。
巴川製紙所用宗工場専用線は東海道本線用宗駅から分岐していた工場引込線で、貨車の入換えに使用されました。所有は巴川製紙所です。
DB102は1985年に和歌山県の巴川製紙所新宮工場へ転属し紀勢本線紀伊佐野駅の専用線に移り、DB101は1986年11月の専用線廃止まで約30年間活躍しました。
廃車後は名古屋市内の津坂商会に引き取られ、会社の入り口で保存されていましたが、2004年3月に貨車鉄道博物館に搬入されて静態保存されています。
走行装置は当時のディーゼルトラック・バスの機構を流用しています。そのため足踏式乾燥複板クラッチと3段変速機とエンジンは三菱日本重工業(現・三菱重工業)川崎製作所製の汎用ディーゼルエンジンDB7L(120ps/1800rpm)を搭載した機械式ディーゼル機関車です。そのためDB101・DB102は総括制御は出来ません。
最終駆動はチェーン式です。協三工業が製造した専用線向けの入換動車としては最も初期に設計された機種で、同型機が昭和30年代に数輌製造されましたが、現存するものはDB101だけです。
2004年に津坂商会から貨物鉄道博物館への寄贈を受けて展示線で保存・展示されています。展示線での展示に際してメンテナンスがされ動態保存機並みの程度の良さを保っていますが静態保存のままです。
🔵巴川製紙所DB101 諸元一覧🔵
型式 DB100
製造年月 1957年
車輌製作 協三工業
寸法(長×幅×高) 5,550×2,436×2,890(㎜)
ホイルベース 3,650㎜
車輌重量 10.0㌧
エンジン DB7L(120ps/1800rpm)
最高運転速度 15km/h