どうも、帰ってきています。仕事も始まっています。

以下、今回の旅行のトラブルの結末。booking.com 予約注意です。！

booking.comで、予約したのに予約されておらず、そのホテルに泊まれず、他のホテルに泊まりました。泊まれなかったのに当日キャンセル料を請求されています。ホテル側のミスではなく私宛てに謎の知らないひと　M. Gong Dai,　さん？宛てのメールがくることから、booking.comの混乱であると思われます。

ですが、booking.comはホテルのせいにして、キャンセル料を返金するつもりがありません。対応がとても悪いです。

しばらく、booking.comで旅行されるのは避けたほうがいいと思われます。

わたしはクレジットカードの支払いを止めます。

まあ、トラブルの話は抜きにして、いろいろと考えたことを書こうと思います。

帰りの飛行機の中でWi-Fiを繋いだのでアマゾン経由で電子版の池田理代子先生の漫画　クロディーヌを購入し読みました。ベルばらファンには常識かもしれずおこがましいのですが、私は初めて読みました。197８年の作なんですね。ベルバラから６年後。

以下ネタバレを含みます。

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クロディーヌ（クロードと言った方がいいのかな？）オスカルとは真逆で、身体は女性、性自認は完全に男性です。３人の黒髪の女性に恋をしますが、いずれも失恋。最後のシレーヌは酷くて不実な裏切りに会い、彼女はクロディーヌの兄、アンドリューと恋に落ちてクロディーヌのもとを去ってしまいます。クロディーヌがいくら懇願してもダメで、最後には彼女は命を絶ってしまいます。

アンドリューですよ？！アンドリューは英語で、フランス語ではアンドレです。こんな作品があったんですね。

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オスカルの失恋の話です。

オスカルのフェルゼンに対する失恋はただの失恋ではない。もちろん、失恋はどんなものでも苦しいし悲しいものですけど、オスカルの場合は、フェルゼンに２重に存在を否定されてしまったのですね。それまで男として生きてきた人生と芽生えかけて懸命に育てていた女性性の両方が全否定。

んーっと、32歳？でアイデンティティ全否定は辛いな。前回の繰り返しになりますが、フェルゼンと踊るのに彼女はきっとものすごく勇気を振り絞ったはず。そしてロザリーがいない時を見計って女性のドレスを着る。多分、ロザリーの憧れを否定したくないから。オスカルは女が好きと言う性指向はないけど、自分を好いてくれる女性たちを傷つけたくないという優しい女性なんだと思います。

でもってフェルゼン、ほんと君はノーマル男性だよね。今、同性婚の論議を国会でもやっているけどさー、フェルゼンは同性愛指向は微塵もないと思います。だからこそ、女なのにそんな格好をして寂しくないのかとか聞くのよ。でもって男カテゴリーにオスカルを入れてしまってからは、自分の性対象からも外れてしまったのね。そう、せっかくオスカルがドレス姿で踊ったのに、女の性としても対象にも入れてもらえない。親友だけど、もう永久に会えないなとか言われちゃう。いや、好きな人にもう永久に会えないと言われたら辛いわ。

女性性全否定って、まあオスカルさまはお育ちが特殊だからこうだけど、でもこれは普通の女性でも経験しますよね。

「もうお母さんになったから、子の母としては見れても女としては見れないわ。」とか言ってセックスレスになる、アレですわ。こう言う時に、女性性全否定が行われると思います。

独身でも、もう年取ったから、太ったから、痩せすぎたから　などという理由で、もう抱けないとか言われたら大ショック。

ま、男性でも恋人や妻の女性からセックス拒否をされると男性性全否定なので女性だけでないです。好きな人から性の対象にならないことは大変なショックであることは変わりありません。

ともあれ、オスカルさまは泣いて帰ってきて、

暗闇で自分の男として生きてきた人生と全否定された女性性に向き合っているわけですよ。

でもってアンドレがやってきて、出会ったときの昔話。

これって重要ですよね。

オスカルは自分の人生の振り返りをしている。（G線切った時ももう一度やるけど）

アンドレと出会った時点７歳での自分を振り返ってもう一度そこからやり直そうとしている。

彼女は女として愛されることに、気が狂わんばかりに飢えているんです。

そして今、それをずっと好きだったフェルゼンに否定されて、女として愛することも愛されることにも絶望させられている。

そこに来るのがアンドレなんですよねー。

彼もまた別の意味で男として愛し、愛されることに飢えている。

この２人はね、ここで出会った頃の幼い話をすることによって、それまでの長い付き合いの人生をリセットしたんです。

33歳と32歳の愛と性に飢えた男と女が、この時、初めて出会った。

ブラびりは、単なる強姦未遂とかじゃないんだな。

女として見てもらえず、女として愛してもらえず、長い年月を必死で耐えてきた彼女に、突如、失恋した最深のタイミングで、「愛している」とガンガンささやき、寝台に押し倒してブラウスを引き裂く男が登場してくるわけです。

そう、彼は彼女を女として抱く気100パーセント。

やっぱりオスカルとアンドレの場合は、普通の男と女の常識で考えてはいけないかと思います。

もちろん表層では襲ったことに対し、恐怖も拒否もあったでしょうが、深層では、「こんな私を女として愛し、女として性対象にしてくれる男がいるんだ。」と言うのがどこかであったかと思います。深層的には歓喜があったかも。

深層心理的にいったら、彼女は女として自分を愛してくれる彼を手放せないですよ。

衛兵隊の行ったのも失恋ももちろんですが、片目を失った彼を宮殿に連れていくには他の貴族の讒言を免れないので、それが嫌だったというのもあるかも。

ともあれ、このオスカルの失恋ーブラびりは、もう絶対必要なエピソードです。その後の物語の展開を決定づけていると思います。

青いレモンにおける性自認