さあ、ついにその日がやってまいりました。
永久凍土とも思われた彼女の3重の鎖が解ける日が。
長かった。ベルばらは大河ドラマなのを、ついつい忘れてしまうのよね。
ではまいりましょう。
この日はアランの突撃チューとかありますけど、アンドレ殴りません。
やっぱりアンドレのリビドー停止中なのかな。アランとは何度も殴り合っているのに。ここではオスカルが奪われそうになったのに殴らない。かつて兵舎監禁をやらかした時にはアランの手の脇に発砲したのにね。
アンドレは見守りスタンスの愛へ以降しているんですよね。
この時、オスカルはどうなんでしょうか。濡れドレに発動しているオスカルは、アランからは逃れようとしていたけど、アランを撃退しないアンドレをどう思っているのか。
そしてブイエ将軍の命令に反するオスカル。軍務証書を取り上げられ、ブイエ将軍は直接命令して拒否したアランたち12名を銃殺に処すと命令。扉の前で状況を知る術なく立ち尽くすアンドレ。このなす術ないアンドレの無力感、好きです。従僕だからね。そして、オスカルの「アンドレそこにいるか。この扉を開けてくれ」の声。ここは、サベルヌに似ているよねえ。外で待っているしかないアンドレ。ずっとオスカルの声を待つアンドレ。
「剣を借りるぞ、ついてこい」って、たぶん、2人とも馬だよね。衛兵隊と会議場がどれくらい離れてたかしらないけどさ。ベルばらの馬って指笛吹くとやってくるのかしら。超優秀な馬ばっかり。
でもって、対峙するのは神というか道化師というかのジェロさん。ここはほんっと、可哀そう。これってパワハラだよ。元上司が部下に向ってムチャな命令。なおかつ求婚して振られたことになってる(世間的には)女性に、身を盾にして屍を超えていけとか言われても・・・。
気の毒なジェロさん、退却。
ここで、パパに報告したのはやっぱりジェロさんだよね。「女神シルフィードには敵いませんでした」って言う?
いやひどい。軍神マルスの子では引き下がったパパももう限界。面目丸つぶれだものね。
私はアンドレオスカルの2人がよっくここでジャルジェ邸へ帰ったと思うんですよね。まあ軍務証書もないし、兵舎には行けないけど。
オスカルさまは自室で剣も持たずくつろいでいらっしゃる。
この時、アンドレは短剣を握り締めて部屋の外の柱の影に潜んでいたと思うんですよ。
でもってバーンとパパ将軍が抜き身の剣を持ってオスカルの部屋の扉を開けて入った瞬間に、扉の影に移動。
そう、アンドレは待っていたの。
この千載一遇のチャンスを。いや万に一つの機会を。
愛の3重苦の鎖をもういちど。
1.身分差
2.男女の枠に収まっていないこと(主にオスカルが男として生きていること)
3.幼馴染
そう、オスカルはパパによって男として育てられているのです。そしてオスカルの身分も父によって与えられたもの。オスカルをパパ将軍から救い出すということは1と2の鎖を完全に解くこと。一生得られないかもしれない本当に貴重なチャンスなのですね。
アンドレとパパとの対決。
最初は「おまえも切る」「あなたをさしてオスカルを連れて逃げます」だったんですが、彼らは取引に入ります。
パパもアンドレも決死の状態での交渉ができるのね。すごいな。
私は割と最近までアンドレが自分の命と引き換えにオスカルを助けてくれと言っているのは、「情」に訴えているのに、「知能犯め」と言われているのがなんだか不可解だったのですがわかりました。
ジャルジェ将軍にとってオスカルは、かけがえのない愛する娘であるのと同時に心魂込めて自ら作った素晴らしい作品なわけです。オスカルは末子ですから、ここで成敗してしまったらもう2度と作れない。それはあまりにも大きな痛手、損失でしょう。それだったらオスカルの代わりに自分を切ってください。とアンドレは言っているのですね。
そして将軍は、アンドレ、おまえもばあやにとって二度と作れない優れた作品であるぞ、失ったらばあやも生きてはいない。と言っているのです。
実に論理的。それで「知能犯」なんだな。
アンドレは詩の才もあるし、理系の詰めもできるオールマイティ的頭脳なんだなー。
ああ、時間になってしまった。今日はここまで。