Flowing into Autumn、イ・ジョンソク
日差しが低く差し込み、影は長く伸びている。熟していく時間の中、より一層深まるイ・ジョンソクの世界。
Editor キム・ダヨン
 
 
 

 

朝夕はだいぶ秋らしい涼しい風が吹いています。
「処暑マジック」って言うでしょう。気持ちまで一層軽くなるようです。僕が秋生まれのせいか9月が近づくとなおさらワクワクして楽しみです。夏の間じゅう、暑さに耐えられなかったが、やっと一息つけます。
 

先週末に終った<瑞草洞>にはどんな思い出がありますか?
<瑞草洞>はちょっと変わった挑戦でした。<ビッグマウス>の後、次をどうするか悩んでいた時、何をすべきか自分でもよくわからなかったんです。それで、やったことのないことをやってみよう、日常系に挑戦してみようと決めました。力を入れて没頭する作品も面白いですが、今回は少し力を抜いて楽に楽しめる話が必要でした。おかげで気持ちも楽になったし、現場の雰囲気もとても楽しかったです。
 

冷静沈着な現実主義者「アン・ジュヒョン」を演じて、最も共感した内面は何でしたか。
一番大きく心に響いたのは「社会人9年目」が抱える感情の消耗でした。特に弁護士という職業は多くの人に会わなければならないし、感情を排除しなければ耐え難いです。この競争の激しい社会では、感情そのものが贅沢のように感じられることもあります。おそらく一種の社会的進化かもしれません。
 
 
 
 
 
会社員の現実が最もリアルに感じられるシーンは?
セリフの「会社員がやりたいことなんてどこにありますか?」という言葉が強く心に響きました。会社員でなくても誰しも、やりたくなくてもやらなければならないことがあり、適当ではなく責任感を持って最後までやり遂げなければならないことがあるでしょう。ドラマの中のオフィスがリアルで、出勤から昼食まで続く呼吸を肌で感じました。9時に出勤して12時に昼食をとったらひと休みしてまた日常に戻るリズム、メニューを選ぶ些細なシーン。事件や感情のシーンではなく、日常的な対話の中で話が流れていくのでより現実的でした。
 

いま、撮影中のドラマも注目されています。この作品に惹かれた理由は?
<瑞草洞>と同じように「今までやったことのないこと」をやってみようという気持ちでした。二つの作品のジャンルが正反対でもあり、韓国ドラマではあまり試みのない道なので、ジャンルとしての緊張と没入がさらに必要です。最初のうちはあまり慣れなかったが、純粋に面白いという理由で参加しました。この快適な日常に触れていたら、それはまさにドーパミンそのものです。
 

心地良いときめきが伝わってきますね。撮影現場の雰囲気はどうですか?
とても新鮮で楽しいです。何より先輩たちと一緒なので安定感があります。以前は自分が先輩として気遣う役でしたが、今回はむしろ「先輩、これはどうしましょう?」と聞いたり、たくさん学んでいます。おかげで気楽に自分の役に集中できる現場です。
 

 
 
演技を長くやってきて「良い演技」の定義は変わりましたか?
以前は一人で悩みながら答えを探そうとしたが、今は一緒にいる人々との共同作業の中で学びを得ています。足りない部分は正直に聞いて、必要な時は助けを求めるのが自然にできるようになりました。時間が経つにつれて感じるのですが、新しいことを学ぼうとする態度が成長につながるようです。
 

作品と作品の間、季節と季節の間、演技と人生の間。絶え間ない変曲点の中で、最近、最も力を入れている分野は何ですか?
心身の健康に気を配っています。有酸素運動に飽きて、ユン・ギュンサン、イム・ソンジェ、シン・ジェハ俳優と始めたボクシングが今ではルーティンになりました。汗をいっぱいかくと心まですっきりするんです。週4回、興味よりも目標中心に地道にやっているところです。小さな習慣が積み重なって、自分の成長につながっていると実感しています。
 

成熟とは年を取ることではなく、視線を広げることなのかもしれません。最近、新たにみつけた感情や経験はありますか?
どうせなら予想可能な人になろうと努力し、真摯な態度で関係を継続すること。最近、特に気を使っている部分です。そう生きていくことが自然で、また必要だという思いがますます強くなりました。周りの人からも良い影響を受けながら、以前より心の安定感も確かに増しました。
 
 
 
 
今、自分に一番かけてあげたい言葉は何ですか?
「勝ち抜け、まだだ」。辛い時、一人でいる時も自分を励ます言葉です。ファンにもたびたび伝えますが、困難の中でも自分を信じて進むことが一番大事だと思います。
 

最も「自分らしい」と感じるのはいつですか?
家族と一緒にいる時です。なにか特別な計画がなくても、一緒に食事をして会話をする時、愛嬌があって茶目っ気たっぷりの自分が自然と現れます。人の目を意識せず、本来の自分を守れる時間です。お母さんといるとなんだか愛嬌が増えるんですよ(笑)。
 
 
 
 
 
時間が経つほど、自分を取り巻く関係や視線も変わるものですが、そんな時に自分を守る術は。
僕は適度な距離を保てばいいと思います。長くつきあいたい人なら期待しないように努力します。あげたいものがあれば心を込めて全てあげるし、お返しは望んではいません。以前は「僕がこうしてあげたのに……」と寂しい時もあったような気がしますが、今はそういう気持ちは持たないように努力しています。それが関係を良好に長く維持する方法だと思います。
 

夏の間に溜まった緊張と力を解き放って、感情にゆとりを持つのに良い秋です。今年一年、俳優イ・ジョンソクが大事にしている最も個人的な計画は?
たった一つ、今撮影中のドラマがうまく終わることを願うだけです。プロジェクトが終わって次の計画も立てることができますから。
 

現実的でバランスの取れた性格が感じられます。まさにイ・ジョンソクらしい返事!
なぜなら! 計画を立てても実際にできなかったら苦しいだけなんですよ(笑)。