前回の記事では、公務員転職が給与ダウンを上回る人生の満足度をもたらす理由を解説しました。
その価値観に共感し、いよいよ転職の具体的な戦いの場、「面接」に臨むあなたへ。
今回は、私が2つの自治体での人事経験から合否決定の裏側を全てお話しします。
(守秘義務もありますので、一般論に昇華している部分がありますのでその点はご了承ください。)
【この記事で分かること】
- 合格者が決定の一般的な流れ
- 優秀な受験者の中から「この人を合格させるべき」と決断させる決定的な印象の作り方
- 面接官にあなたの「活躍の絵」を描かせるための具体的戦略
それでは、ぜひ最後までお付き合いください。
公務員面接の最終関門:得点的に拮抗した争奪戦
【現実】最終面接に進む受験者は”みんな優秀”。でも枠は限られている。
転職者向けの採用試験で最終面接まで進む人はみんな優秀です、許されるのであれば全員採用したい。しかし、公務員の定数は条例で規定されており、年度内の退職者の状況などによって採用できる上限が決まっています。
ましてやまだまだ年功序列の世界。基本的には採用のメインは新卒採用です。中途採用に用意されている枠はかなり限られていると思っておいた方が良いと思います。
その中でも例えば、20人採用予定の採用試験に50人受験者がいる場合を例にします。
こういった場合は多くは、15人程度は明らかに合格する得点を得ています。逆に25人程度は不合格が確定しているような点数で、合否判定の打合せ・協議が人事担当部門内で行われます。
つまり残りの5枠を残った10人で争うというような打合せ・協議になるわけです。
面接官はそれぞれ点数をつけていますので、自分が採用したいと思った人を推すわけですし、採用担当者も面接前の印象などを参考情報として発言することももちろんあります。
✅ 大前提:まず目指すは「明らかな合格」に残ること
もちろん、最初から上記の例でいうところの高得点グループで、ほとんど議論の対象にならない「合格確定ライン」に入るのが最善です。高得点組に共通するのは、回答の一貫性からくる「この人はミスマッチなく長く貢献してくれるし、即戦力になれる」という強い確信を面接官に与えられていることです。
協議・打合せのリアル:合否保留組をどう選ぶか
当落線上の10人について、面接官は最終的な得点を決定するために、改めて面接の様子などを話し合います。得点が拮抗していますので、この人を取ろう!と判断するのに必要な材料を探すことに集中します。
人事担当部門で合格させる20人を案として決定して、最終決裁者(首長だったり人事担当部門の部局長だったり自治体によって異なります。)にプレゼンをしていくので、そこで「この人はこういう点で合格に値する人物です!」と言えるだけの材料を検討していくわけです。
合格の境目:面接官が「会議で推せる論拠」を持っているか
よくインターネットの世界には”面接必勝法”や”模範解答”が出回っています。
正直こんなものは存在しません。面接官は日々採用業務を行っており、1日に何人もの受験生と相対します。インターネットを探せば出る回答例はその人自身の言葉に聞こえないので印象には残りにくいです。
重要なのは、面接官に「この人を強く推します」と発言させるための「具体的な材料」をあなたが提供できたかどうかです。私の考えでいうと自分の言葉で自分をアピールして、その自治体で働いているイメージを面接官に見せられるかが大事だと思っています。
議論で面接官が欲しがるのは、抽象的な「協調性」や使い古された「耳障りの良い話」ではなく、「彼(彼女)は〇〇という行政課題を動かし始められる力を持っているか?」という具体的な貢献の絵です。
決定的な「良い印象」を残すための戦略
1. 「活躍のイメージ」を意図的に植え付ける
面接官に採用後の姿を鮮明に描かせるための戦略的アピールが必要です。
- 貢献度の言語化:あなたの強みである現職(前職)の経験などを既存の行政課題と結び付けてアピールし、具体的な部署での活躍をイメージしていることを伝えましょう。この時により具体的な業務レベルまで話を落とし込めるとさらに良いです。
- 自治体研究の深掘り:首長の施策だけではなく、現場の採用担当者が「ああ、それだ」と納得するような「現場の課題」を分析し、自分のアプローチを提示しましょう。「その自治体を調べている」というのは単純に熱意としても面接官の心に残ります。
2. 「長く貢献してくれる」という安心感を売る
優秀な候補者同士の争いでは、「早期離職リスクの低さ」も強力な加点材料になります。
特に最近は若い世代の離職が顕著です。ある意味その抜けた年齢層を補うのが中途採用枠でもあるため、長期的に自治体職員として働きたいというのは立派なアピールポイントです。前回の記事で書いた公務員の利点に共感できるのであれば、おそらくそれを面接用の文言に切り替えて伝えることで、長く貢献できしてくれるという確信を採用側に与えることができると思います。
✅ まとめ:争奪戦を制する究極の武器
当落線上の争奪戦を制する鍵
- まずは高得点で安泰の枠に入ることを目指そう
- 万が一「保留組」に入っても、面接官を会議で自分を推してくれう「味方」に変えよう
- 入庁後の「具体的な活躍の絵」を、面接官の頭の中に鮮明に描かせよう
おそらく読んでみると「簡単じゃないし時間がかかりそう」と感じられたかと思います。
でもそれは当然ですよね。学生時代は1年かけて就職活動をしていたわけですから、転職になった瞬間大した労力をかけずに職を変えられるというわけではありません。
おそらくそこに時間をかけられるか、注力できるかというところも自分の熱量を図るポイントだと思います。
これが面倒くさいと感じるのであれば、もしかしたらまだ現在の仕事に残った方が良いとご自身の心の中では思っている可能性があります。
なんとなくで転職してしまうと、給与も下がるし、前の仕事の方が良かったと後悔する可能性があります。一度公務員に転職してしまうと、そこからまた民間に戻るのはそれでまた労力を使います。
転職は一大決心ですので、慎重に、でも前向きに考えてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
それでは、またね~。