こんにちは。

2月に入り、いよいよ次年度の予算案が公表される時期ですね。現場では「来年度、うちはどうなるんだろう?」とそわそわしている方も多いのではないでしょうか。

特に2026年(令和8年)は、日本の地方自治体にとって「激動の1年」になると言われています。人事や法務の現場でも、制度の根幹に関わる変化への対応に追われることになるでしょう。

今回は、2026年に向けて自治体が迎える3つの大きな動きを整理しました。特に、現場への影響が最も大きい「基幹業務システムの標準化」について深掘りして解説します。前回の記事では「地域活性化施策」について触れましたが、今回はより実務的・技術的な側面から、私たちの働き方がどう変わるかを見ていきましょう。

👨‍💼 アラサー現役公務員

このブログは、公務員になりたい人がミスマッチなく、公務員として活躍し、現役公務員が日々の業務を楽しく、やりがいをもった公務員生活を送る一助になることを目的に運営しています。

  • ✅ 経歴:関東の自治体で人事部門(採用・労務担当)、法務部門(例規審査・争訟対応)でそれぞれ4年勤め、九州の自治体に転職。
  • 💡 モットー:「私生活の充実が仕事の充実につながる」
  • ⚾ 趣味:ベイスターズファン歴20年超!読書や筋トレ定期的に。

この記事を読むとわかること

  • 2026年「ガバメントクラウドへの移行」とシステム標準化の全貌
  • 義務化されるサイバーセキュリティ対策と現場の負担
  • 前回の復習:2026年からの新たな地域活性化施策の視点

1. 2026年最大の山場:基幹業務システムの標準化

今、全国の自治体職員(特に情報システム部門や窓口業務部門)が最も頭を悩ませているのが、この「基幹業務システムの標準化」ではないでしょうか。

なぜシステムを標準化するのか?

これまで自治体ごとにバラバラだったシステムを国が定める標準仕様に合わせ、共通の基盤(ガバメントクラウド)へ移行することが法律で義務付けられました。目標期限は「2025年度末(2026年3月末)」です。

標準化の対象となる20業務(例):
住民基本台帳、固定資産税、個人住民税、国民健康保険、介護保険、児童手当、生活保護など

現場で起こるポイント

標準化によって、何が変わるのでしょうか?大きなポイントは以下の3点です。

  1. 独自カスタマイズの廃止:「うちの自治体はこうやってきたから」という独自の仕様が許されなくなります。仕事のやり方根本が変わる可能性もある大きな転換です。
  2. データ連携の円滑化:国や他の自治体とのデータやり取りがスムーズになり、住民の引越し手続きなどの利便性が向上します。
  3. 業務ハードル低下:システムが全国共通になれば、例えば私のように転職や派遣で別の自治体に行っても「使い方が全くわからない」という事態が減るかもしれません。またマニュアルがある程度整備されることが期待されますね。

2. サイバーセキュリティ対策の義務化

システムがクラウド化し、全国でつながるということは、それだけリスクも増えるということです。2026年に向けて、自治体のサイバーセキュリティ対策は「努力義務」から、より厳格な対応が求められるステージへと移行します。

これまでは「インターネットから切り離された環境(三層の対策)」で守ってきましたが、これからはクラウド利用を前提とした「ゼロトラスト」的な考え方へのシフトが必要になります。研修やセキュリティポリシーの見直しなど、全職員が意識を変える1年になるでしょう。

この点についてはまた次回触れましょう。

3. 新たな地域活性化施策との連動

前回の記事(第一弾)で詳しく解説しましたが、2026年からはデジタル基盤を活用した新しい地域活性化施策も本格始動します。

システムが標準化されることで浮いたコストや人員を、よりクリエイティブな「対人サービス」や「地域独自の課題解決」に充てることができるようになる――。これが国が描く理想のシナリオです。私たち公務員は、単なる事務作業員から、地域のプロデューサーとしての役割をより強く求められるようになるでしょう。


まとめ:変化をチャンスに変えよう

2026年の変化は、一見すると「大変な作業が増えるだけ」に見えるかもしれません。しかし、長年続いてきた「非効率な独自ルール」を整理し、より住民のためになる仕事に集中できる環境を作る絶好のチャンスでもあります。

人事や法務の視点で見れば、組織のあり方そのものをアップデートするタイミングです。新しいシステムやルールに戸惑うこともあるかと思いますが、一歩ずつ一緒に準備していきましょう!

これからも、皆さんが前向きに働けるような情報を発信していきます。


それでは、またね〜。

前回の記事では、面接官に採用後の活躍の絵を描かせることが重要だと解説しました。

今回は、あなたの持つ知識や経験が、入庁後の「労働条件」という最も身近で重要な課題にどう活かせるか、制度の仕組みを解説します。

特に公務員の残業制度は、一般企業とは何が違うのか。この知識は、入庁後、長く健康的に(賢く)働くための土台になります。

(公務員の働き方を正しく理解していただくため、法務担当の経験を解説します。)

 

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【この記事で分かること】

  • 公務員に対する残業時間上限規制の適用の有無
  • 一般企業(36協定)と公務員の残業命令ルールの決定的な違い
  • 公務員における割増賃金の仕組み

 

それでは、ぜひ最後までお付き合いください。

公務員に残業上限規制はあるのか? 制度の法的根拠

【結論】公務員には原則、労働基準法に基づく残業上限規制は適用されない。

近年の働き方改革で残業時間の上限規制というのが話題になりました。細かくルールはありますが、いわゆる「月45時間以内、年間360時間以内」と言われるやつです。

一般企業では、労働基準法によりこのルールが定められており、企業側はこれを遵守する必要があります。しかし、公務員にはこの条文の適用はありません。

(よく「公務員には労働基準法は適用されない」と言われますが、厳密には誤りがあります。国家公務員については国家公務員法6条で明確に”労働基準法~並びにこれらの法律に基づく命令は、職員には適用しない。”と明記されていますが、地方公務員については地方公務員法58条3項において”労働基準法第●条から第▲条の規定は職員に関して適用しない。”と規定されています。つまり地方公務員に対しては労働基準法は原則適用されていますが、一部規定については適用除外と解釈します。)

主に国家公務員法地方公務員法、そしてそれに基づく人事院規則各自治体の条例といった特別の法制度によって規定されています。

公務員は労働基準法の枠外で残業時間の上限が管理されており、法的な上限規制の義務付けは存在しないのです。

✅ なぜ上限規制が適用されないのか?

民間企業側の視点でなぜ残業させられるかというと、労基法33条1項という規定が肝になります。使用者は行政官庁の許可を受ければその範囲内で残業させても良いという規定です。この許可を受けるために必要なのが後述する36協定(労働組合と使用者側で締結する残業に関する協定)です。この36協定に定められる時間の上限として先ほどの月45時間以内・年間360時間以内というのが出てきます。これを超える協定は許可が下りませんので、事実上の上限規制となっているわけですね。

 

では、公務員に残業をさせる大前提の規定はというと労基法33条3項です。この条文において「公務のために臨時の必要がある場合においては、第一項の規定にかかわらず(=行政官庁の許可を受けずに)、地方公務員については、労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。」と規定されています。

 

公務員が行政官庁の許可を受けずに労働基準法の適用外とされている最大の理由は、公務員が「全体の奉仕者」として公益性・緊急性の高い業務に従事している点にあります。

災害対応や緊急の行政サービスなど、突発的かつ緊急性の高い業務は常に発生し得ます。行政サービスを維持するためには、一律に厳格な上限規制を設けることが、かえって国民の利益を損なうという制度上の考え方が背景にあるのです。

その自治体において危機的状況が発生した場合に、その自治体の職員が協定ないので残業できません。ってなったら大問題ですよね。そんな悠長なことを言っている場合ではない。

一般企業との決定的な違いと「実質的な割増賃金」

公務員と一般企業では、残業を命じる仕組みや賃金の名称に違いがありますが、実態としては労働基準法に沿った水準の手当が支給されています。

残業を命じるルールの違い(36協定の有無)

上述したとおり一般企業で残業が認められるための必須条件である36協定(時間外労働・休日労働に関する協定)は、原則として公務員には適用されません。公務員組織においては、条例等の枠組みで残業が認められています。

勤務時間条例や規則においてその手続きが定められており、実はここに上限規制が規定されています。また、保健所や地方公営企業。現業職場など一部事業については民間企業と同じ条件で労働基準法が適用されますので、注意が必要です。

時間外勤務手当と割増賃金の実態

公務員への時間外勤務手当は、名称は「手当」ですが、多くの自治体や国では、その支給率や計算の仕組みは実質的に労働基準法の割増賃金と同じ効果をもたらすように、条例や規則で具体的に規定されています。

法的な位置づけは違っても、職員の労働に対する正当な対価として、同等の水準が確保されていると言えます。

公務員に残業を減らす仕組みはあるのか

法的な上限規制がないとはいえ、際限なく働くことが許されているわけではありません。公務組織は、長時間労働を抑制し、職員の健康を守るための仕組みを独自に持っています。

  • 超過勤務の「特例」と「抑制措置」:

    超過勤務は「公務遂行上の必要から、やむを得ない場合に限って」行われるべきものとされています。超過勤務を抑制するために、代休制度の確実な取得促進や、勤務時間外に業務を行う場合の事前命令の徹底などが図られています。

  • 健康管理の徹底:

    特に超過勤務が一定時間を超える職員に対しては、上司による面談健康診断の徹底など、労働安全衛生法に準じた健康管理措置が講じられます。

大災害の発生などが起こらない限りは原則的には民間企業と同じようなルールが適用されると思っていただいて良いでしょう。

ただ、議会開会中などについては、答弁書の作成があったり、選挙期間中は選挙事務による時間外労働など上限ギリギリや上限を超えての勤務となる可能性は大いになります。これも”公益のため”という大義名分のもと行われていますね。

✅ まとめ:制度を正しく理解し、長く健康的に働くために

公務員の勤務時間制度の要点

  • 労働基準法の残業上限規制は原則適用されない
  • 残業命令の根拠は36協定ではなく条例や規則である。
  • 手当の支給水準は、実質的に民間企業と同等の割増効果を持つ。

この知識は、公務員として長く健康的に、職責を全うするための土台となるでしょう。

公務員を志望する方は、志望する自治体の条例や規則の「職員」と題名に入っているものを見てみるといいかもしれません。これがいわゆる”就業規則”に該当するものです。

もし読み方が分からないということがあれば、コメント等で該当条文をお見せいただければ解説させていただきます!

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

それでは、またね~。

前回の記事では、公務員転職が給与ダウンを上回る人生の満足度をもたらす理由を解説しました。

その価値観に共感し、いよいよ転職の具体的な戦いの場、「面接」に臨むあなたへ。

今回は、私が2つの自治体での人事経験から合否決定の裏側を全てお話しします。

(守秘義務もありますので、一般論に昇華している部分がありますのでその点はご了承ください。)

 

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【この記事で分かること】

  • 合格者が決定の一般的な流れ
  • 優秀な受験者の中から「この人を合格させるべき」と決断させる決定的な印象の作り方
  • 面接官にあなたの「活躍の絵」を描かせるための具体的戦略

 

それでは、ぜひ最後までお付き合いください。

公務員面接の最終関門:得点的に拮抗した争奪戦

【現実】最終面接に進む受験者は”みんな優秀”。でも枠は限られている。

転職者向けの採用試験で最終面接まで進む人はみんな優秀です、許されるのであれば全員採用したい。しかし、公務員の定数は条例で規定されており、年度内の退職者の状況などによって採用できる上限が決まっています。

ましてやまだまだ年功序列の世界。基本的には採用のメインは新卒採用です。中途採用に用意されている枠はかなり限られていると思っておいた方が良いと思います。

その中でも例えば、20人採用予定の採用試験に50人受験者がいる場合を例にします。

こういった場合は多くは、15人程度は明らかに合格する得点を得ています。逆に25人程度は不合格が確定しているような点数で、合否判定の打合せ・協議が人事担当部門内で行われます。

つまり残りの5枠を残った10人で争うというような打合せ・協議になるわけです。

面接官はそれぞれ点数をつけていますので、自分が採用したいと思った人を推すわけですし、採用担当者も面接前の印象などを参考情報として発言することももちろんあります。

✅ 大前提:まず目指すは「明らかな合格」に残ること

もちろん、最初から上記の例でいうところの高得点グループで、ほとんど議論の対象にならない「合格確定ライン」に入るのが最善です。高得点組に共通するのは、回答の一貫性からくる「この人はミスマッチなく長く貢献してくれるし、即戦力になれる」という強い確信を面接官に与えられていることです。

協議・打合せのリアル:合否保留組をどう選ぶか

当落線上の10人について、面接官は最終的な得点を決定するために、改めて面接の様子などを話し合います。得点が拮抗していますので、この人を取ろう!と判断するのに必要な材料を探すことに集中します。

人事担当部門で合格させる20人を案として決定して、最終決裁者(首長だったり人事担当部門の部局長だったり自治体によって異なります。)にプレゼンをしていくので、そこで「この人はこういう点で合格に値する人物です!」と言えるだけの材料を検討していくわけです。

合格の境目:面接官が「会議で推せる論拠」を持っているか

よくインターネットの世界には”面接必勝法”や”模範解答”が出回っています。

正直こんなものは存在しません。面接官は日々採用業務を行っており、1日に何人もの受験生と相対します。インターネットを探せば出る回答例はその人自身の言葉に聞こえないので印象には残りにくいです。

重要なのは、面接官に「この人を強く推します」と発言させるための「具体的な材料」をあなたが提供できたかどうかです。私の考えでいうと自分の言葉で自分をアピールして、その自治体で働いているイメージを面接官に見せられるかが大事だと思っています。

議論で面接官が欲しがるのは、抽象的な「協調性」や使い古された「耳障りの良い話」ではなく、「彼(彼女)は〇〇という行政課題を動かし始められる力を持っているか?」という具体的な貢献の絵です。

決定的な「良い印象」を残すための戦略

1. 「活躍のイメージ」を意図的に植え付ける

面接官に採用後の姿を鮮明に描かせるための戦略的アピールが必要です。

  • 貢献度の言語化:あなたの強みである現職(前職)の経験などを既存の行政課題と結び付けてアピールし、具体的な部署での活躍をイメージしていることを伝えましょう。この時により具体的な業務レベルまで話を落とし込めるとさらに良いです。
  • 自治体研究の深掘り:首長の施策だけではなく、現場の採用担当者が「ああ、それだ」と納得するような「現場の課題」を分析し、自分のアプローチを提示しましょう。「その自治体を調べている」というのは単純に熱意としても面接官の心に残ります。

2. 「長く貢献してくれる」という安心感を売る

優秀な候補者同士の争いでは、「早期離職リスクの低さ」も強力な加点材料になります。

特に最近は若い世代の離職が顕著です。ある意味その抜けた年齢層を補うのが中途採用枠でもあるため、長期的に自治体職員として働きたいというのは立派なアピールポイントです。前回の記事で書いた公務員の利点に共感できるのであれば、おそらくそれを面接用の文言に切り替えて伝えることで、長く貢献できしてくれるという確信を採用側に与えることができると思います。

✅ まとめ:争奪戦を制する究極の武器

当落線上の争奪戦を制する鍵

  • まずは高得点で安泰の枠に入ることを目指そう
  • 万が一「保留組」に入っても、面接官を会議で自分を推してくれう「味方」に変えよう
  • 入庁後の「具体的な活躍の絵」を、面接官の頭の中に鮮明に描かせよう

おそらく読んでみると「簡単じゃないし時間がかかりそう」と感じられたかと思います。

でもそれは当然ですよね。学生時代は1年かけて就職活動をしていたわけですから、転職になった瞬間大した労力をかけずに職を変えられるというわけではありません。

おそらくそこに時間をかけられるか、注力できるかというところも自分の熱量を図るポイントだと思います。

これが面倒くさいと感じるのであれば、もしかしたらまだ現在の仕事に残った方が良いとご自身の心の中では思っている可能性があります。

なんとなくで転職してしまうと、給与も下がるし、前の仕事の方が良かったと後悔する可能性があります。一度公務員に転職してしまうと、そこからまた民間に戻るのはそれでまた労力を使います。

転職は一大決心ですので、慎重に、でも前向きに考えてみてください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

それでは、またね~。