ユーザーさんもショップさんも、スタビリンクの角度はけっこういい加減です。

 

ちょうどお客さんの車のスタビリンクがよい角度ではなかったので、写真を撮らせていただきました。

 

まずは理屈を。

本当はスタビのフレーム側とスタビのスタビリンク穴を一直線に結び、その線に対して90度にスタビリンクが付いているのが理想ですが、写真のように構造上理想にはならないので、できるだけよい角度に持っていくようにします。

 

スタビは、左右のサスペンションに少しでも伸び縮みに差があれば効いています。

だから1G状態でのスタビとスタビリンクの角度がすごく重要です。

 

これはうちのデモカー。3インチアップ。スタビダウンブロックで調整しています。

3インチアップなら1Gで、スタビリンクが少し後ろ倒れが理想。

これが2インチアップや1インチアップになると、もう少しスタビリンクが立ってきますが、スタビとの角度はこれよりも鋭角にも鈍角にもならないようにしています。

これぐらいの角度だと、アームとスタビ双方の円弧の動きにより、サスが縮んだ際ににちょうど直立ぐらいになります。

1Gで直立が理想と思っている方もおられるようですが、直立ではサスが縮んだ際に前倒れになり、スタビとスタビリンクの角度が鋭角になりすぎてしまいます。

前倒れになるとスタビとの角度が悪くなり力が逃げてしまい、スタビの効きが弱くなってしまいます。

1Gでスタビリンクが前倒れはもっとダメ。

 

 

リフトアップしているのにスタビの補正無しはダメですが、補正しすぎて、1Gで直立や前倒れもダメです。

 

これはショートスタビリンク装着車。

ショートスタビリンクは要注意です。

使い方を間違えると1Gでスタビとの角度が鋭角になりすぎてしまいます。スタビリンクで見ると直立や前倒れになってしまいます。

これだと縮んだ際にさらに鋭角(前倒れ)になって力が逃げてしまいます。

ひどい車は鋭角(前倒れ)になりすぎてスタビがホーシング当たっていたりします。

 

あと、リフトアップによりサスペンションストロークが増え、伸び量が大きくなったサスペンションでは、伸びた際にスタビリンクが短いため、スタビにホーシングが引っ張られサスの伸びが抑制されてしまう事もあります。

 

ですので当社ではショートスタビリンクは使いません。

オンロードしか走らない場合でもですし、オフロードを走る場合はサスペンションストロークが悪くなるので絶対に使いません。

当社のアームは純正よりも少し長いですし、リフトアップによって狂ったホイールベースを調整してくれます。後はスタビダウンブロックでスタビとスタビリンクの角度は調整します。

アームが純正でも使いません。スタビダウンブロックで調整します。

リフトアップ量によってスタビリンクの角度もちょっと変えています。

当社のサスキットを購入いただければ、最適な角度になるようにセットしていますので他にパーツをつける必要はありません。

つけてしまえば変なことになりますので絶対につけないでください。

 

けっしてショートスタビリンクがダメと言っているわけではありません。

リフトアップ量、縮み量、伸び量、ホイールベースなどを考えて使いましょう。

 

こちらのお客さんには、ちゃんと説明をし納得いただき、純正のスタビリンクに交換させていただきました。

 

 

では、