重心③レッグプレスはスクワットの代わりになるか?「支持基底面」★はじかれるブログ3
地上で重心を観察するなら、セットでついてくる「支持基底面」を解説する。前記事、人の重心位置の補足である。 安定の境界👇足元で、黄色の範囲がその「支持基底面」。「支持基底面」とは、床面に接する体の、その外周によって作られた広さの事。👇イスだったら、こうなる。簡単に言えば「この範囲の上に重心があれば倒れない」という領域のこと。👇ピンポイントにもほどがある支持基底面支持基底面が小さいほど、バランスすることが難しい。つまり狭い支持基底面の状態ほど、動作が高度だという理屈になる。蛇足だが、無重力の宇宙には「支持基底面」がない。無重力では「落下」しないから「支持」は要らない。よってそういう「範囲」もない。そこにはバランスの必要がないから、“動作レベル”は最低レベルで済む。そこで地上に帰還すると、とんでもないことになっている。自分を支えることが大変すぎて、しばらくまともに動けない。「落下」する環境で自分を「支持」する事が、当たり前にやってるんだが如何に大きな負荷か分かるエピソードだ。支持基底面とは、重心の「落下」に対する行き止まりなのだ。もしも重心が支持基底面を外れていれば、そこでクルッと回転して「落下」が続いてゆく。ひもの切れたエレベーターの中を“無重力”になぞらえることがあるが、それは間違っている。エレベーターの中にいる人は、浮いてるんじゃなく落下している。なぜなら、必ず底に辿り着くから。もしも地球に貫通した穴が開いたとしても、引力の中心という底がある。実際に引力の穴に落ちてみて、空間の底に叩きつけられた時、人はどうなるのだろう。計算したら、地球の中心まで6,371㎞、飛び降りて自由落下すると中心まで19分、最終的な落下スピードは時速4万㎞となった。あれだね、中心を通り過ぎて向こう側に行くんだろうね。そしてまた戻ると。蛇足話長し。 支持基底面と重心以下に「支持基底面」を図示する。👇ハカリのイラスト①(重心直下のハカリに全て乗っている)👇ハカリの絵②(重量は分配された)👇“人とイスの合体”に対する「支持基底面」👇片手プランク(プッシュアップ?)《BOS■=支持基底面/COM●=全体重心》👇バレリーナの片足立ち《BOS■=支持基底面/COM●=全体重心》👇レッグプレス《BOS■=支持基底面/COM●=全体重心》👇スクワット《BOS■=支持基底面/COM●=全体重心》COM(全体重心)の意味内容が分からなければ、下の記事をみて下さい。重心の説明 «はじかれる解説»人の重心位置 «はじかれる解説» 運動の本質本題の『レッグプレスはスクワットの代わりになるか!?』の問いに対し、『脚関節群の共同伸展に対する負荷』という事では同じ運動なんだが、ある観点では全く別物であり、トレーニングとしてレッグプレスはスクワットの代わりにならないって事を解説する。👇レッグプレスとスクワット👇スクワット👇レッグプレス双方ともに“足底で面を押す”の動作で共通だが、スクワットに関してはその足面が「身体重心を支える場」としても機能している。この観点で見ると、高齢者施設で定番の“イスに座ってやるレッグエクステンション”が、『歩くための足上げ運動』に、残念だけどなり得ないという事が判る。どっかり座った状態では、お尻から背中まで広がる大きな支持基底面で重心は安泰。片足どころか、両足だって上がっちゃう。レッグエクステンションを指導するのが問題なのではなく、歩く事や片足を上げるために、何が必要なのかについて、もっとよく考えるべきだ。体重よりも重い負荷でレックプレスすれば、スクワットに勝るんじゃない?焦点は、地上での運動パフォーマンス。どんなに筋力が強くても、重心が外れれば倒れる。動作は、「重心を揃えること」を必ず伴っている。マシントレーニングやチューブトレーニングを否定するというよりも、盲点となっている「重心位置のコントロール」について、ここでは語りたかったのだ。というわけで、おかしな「支持基底面」の解説になったが、これでアップロードする。次の記事👉重心の高さと移動の関係※順に読み進むと、話が構築されてゆくようにしています。