夫は、昨年12月に抗がん剤治療の打ち切りを告げられ、余命数ヶ月です。と、大学病院の担当医に言われてもまだ、自分の状況を認めたくなくて
「まだ抗がん剤治療出来ます。まだ、やめたくない」と担当医に食い下がってました。
五年間、大腸ガンに使用する全ての抗がん剤治療を試しましたが、腹膜播種には抵抗出来なかった。
あちこちに転移して、二十キロ以上痩せてまさに骨と筋だけになり、歩くのすらおぼつかない状況でしたが、まだ生きたい!諦めたら終わりだ、っていう気持ちがヒシヒシと伝わってきました。
でも衰弱している夫を見たら、これ以上抗がん剤治療する体力は無いだろうな、と思いました。だけど、無理とは分かっていたけど、「先生にその気持ちを伝えよう」
と励ましました。
夫の心残りは、仕事はもちろん、発達障害の息子と、まだ17才の娘のことだったと思います。
それから間もなく緩和ケア病棟に入院になりましたが、子供達が心配、ママ頼むね、と何回も言っていました。
看護師さんには、「嫁はしっかりしてるから任せれば安心」みたいなことを言っていたようです。
無念、とはこういうことなんだろうな。まだ、19才と17才の子供達を残して、自分はいなくなっちゃうってどんな気持ちがするんだろう。
想像するだけで胸が苦しくなる
亡くなる寸前に、耳元で子供達のことは安心してね、と何回も伝えたのは心配したまま天国に行ってほしくなかった。
それだけは、なんとしても伝えたかった。
最後に顔をクシャッとしてくれたのは、了解!ってことだよね