…
そう。
いつからか、ユキは自分自身のことを「ユキ」と、名前で呼ぶようになっている。
「スペイン人と戦わなくても、
ユキとの戦いのほうが
キツいかもよ?」(^_-)
「なにそれ…、どういう意味?」
「ユキにはね~、、
みんな、ついていけないんだって…」
「わがまま?
自己チュー?」
「自己チューね~~」
「チューー」
仰向けの私にいきなり、覆い被さって、キスをしてきた…。
長い…
息できない…
ユキとは別の意志を持った軟体動物が、口の中で暴れてるみたいな感じ。
私の顔にかかったユキの髪は、トニックシャンプーの香りがする。
そりゃ、そ~です。
お泊まりセットの準備してないユキは、私のシャンプーで髪を洗ったんだから。
こうしていると、何年も前から、いつも一緒にいたような感覚になる。
なぜだろう?
入れ替わり立ち替わり、
昔の女の感触が戻ってくる。
今、唇を合わせているユキが、一昨日初めて飲みに行った女とは思えなかった…
それにしても
長い……。。
「熱ちっ!」
持ったままのセーラムの火が指までとどいたらしい。
セーラムさまさま。
「熱ちかった~」(>_<)
ユキはフィルターだけになってしまったタバコを、灰皿に押し付けている。
「大丈夫? 火傷してない?」
「火傷した。。
胸の中が、熱い…」
「…、、んじゃ冷やさなきゃ…」
私とユキの身体は、
いつの間にか、上下逆になっていた。
自分のYシャツを着たユキの胸は、シャツ以外隔てる物は無かった。
「…、ユキ……好きだよ」
深い、吐息をはいて、
ユキの唇が何かの言葉を発している。
「これじゃ……、よけい、
熱くなっちゃうよ~」
今まで、、ユキにはついていけない、と言った
みんな、、って奴らに、
心のどこかで、カルい嫉妬を感じながら、、
想定通り、
なるように、
なってしまった…。
ユキが着ている、自分のシャツ。
第3ボタンを外した時に、
ちらっと見た時計の針。
午前、、3時。。
つづく…