あんなこと 22 | 瑠璃色no半濁点

瑠璃色no半濁点

「瑠璃」は仏教で言う「七宝」の一つ。
英語では「ラピスラズリ」
砕いた色は「ウルトラマリンブルー」です。


そう。
いつからか、ユキは自分自身のことを「ユキ」と、名前で呼ぶようになっている。





「スペイン人と戦わなくても、
ユキとの戦いのほうが
キツいかもよ?」(^_-)


「なにそれ…、どういう意味?」


「ユキにはね~、、
みんな、ついていけないんだって…」


「わがまま?
自己チュー?」


「自己チューね~~」



「チューー」

仰向けの私にいきなり、覆い被さって、キスをしてきた…。


長い…

息できない…


ユキとは別の意志を持った軟体動物が、口の中で暴れてるみたいな感じ。


私の顔にかかったユキの髪は、トニックシャンプーの香りがする。
そりゃ、そ~です。
お泊まりセットの準備してないユキは、私のシャンプーで髪を洗ったんだから。


こうしていると、何年も前から、いつも一緒にいたような感覚になる。

なぜだろう?

入れ替わり立ち替わり、
昔の女の感触が戻ってくる。


今、唇を合わせているユキが、一昨日初めて飲みに行った女とは思えなかった…


それにしても
長い……。。




「熱ちっ!」

持ったままのセーラムの火が指までとどいたらしい。
セーラムさまさま。


「熱ちかった~」(>_<)

ユキはフィルターだけになってしまったタバコを、灰皿に押し付けている。


「大丈夫? 火傷してない?」


「火傷した。。



胸の中が、熱い…」



「…、、んじゃ冷やさなきゃ…」


私とユキの身体は、
いつの間にか、上下逆になっていた。

自分のYシャツを着たユキの胸は、シャツ以外隔てる物は無かった。

「…、ユキ……好きだよ」




深い、吐息をはいて、
ユキの唇が何かの言葉を発している。

「これじゃ……、よけい、
熱くなっちゃうよ~」



今まで、、ユキにはついていけない、と言った
みんな、、って奴らに、
心のどこかで、カルい嫉妬を感じながら、、



想定通り、


なるように、

なってしまった…。


ユキが着ている、自分のシャツ。
第3ボタンを外した時に、
ちらっと見た時計の針。

午前、、3時。。



つづく…