あんなこと  11 | 瑠璃色no半濁点

瑠璃色no半濁点

「瑠璃」は仏教で言う「七宝」の一つ。
英語では「ラピスラズリ」
砕いた色は「ウルトラマリンブルー」です。

クルマに乗せ、走っていると、

「ウ~~ン。。」

と、言っています。


バキっっと音がしました。


「なにすんだよ~」

と、私。


運転席左側、助手席からは右側についている

グローブボックスのふたが外れています。


「音楽とか聴こうと思って~」


聞けば、CDが入っていそうなボックスを開けようと

したら、外れてしまったとのこと。


私のクルマは縦方向にフタが開くのですが、

横方向に開けようと力を入れたから、蝶つがい状の

部分が外れてしまったのです。


「も~、、勘弁してよ」


「ご~め~~ん」 (゚_゚i)



ご~め~~ん、じゃないです。

迷惑です。。



ユキの乗り慣れているクルマは横方向にフタが

空くのでしょう。

こういうところに、他の男の影を感じます。



そいえば、、「殺してくれる…?」の物騒な話の後

彼の存在には触れずにいた。


聞きたくない気もした。


警察に厄介になり、私に助けを求めてきたことで、

これでいいかな? と思ったり。


あとでもっと厄介なことになりはしないかと、思ったり。




自宅近くの賃貸駐車場にクルマを停め、

私の家に着きました。


ユキはまるで自分の家のように

遠慮なく入ってきます。



「へ~、こんななってんだ~」

玄関口で、10cmはあろうかという

ヒールを脱ぎながら人の部屋を

じろじろ見てます。

あんまりいい気分はしません。


「顔、洗う~。 タオル貸して~」

と言って、台所の流し場で、ドラッグストアの

袋を開けてます。


袋からは、化粧落とし関係、再度の化粧関係

歯ブラシetc が出てきます。




(こいつ、何考えてるんだろ。。)


流し場で前かがみになっているユキの、

細い背中を眺め、、


そう思う自分がいました。




続く……。。