あんな…  こと  10 | 瑠璃色no半濁点

瑠璃色no半濁点

「瑠璃」は仏教で言う「七宝」の一つ。
英語では「ラピスラズリ」
砕いた色は「ウルトラマリンブルー」です。

めんどくさい書類を読み聞かせられ

住所・氏名を書き、母印をおして待っていると、

ユキが現れた。


ぼ~っとした顔。


婦警の

「じゃ、お願いします」 に


「どうも、お世話になりました」

と私。。


って…、

何で俺が詫びなきゃなんないの?

俺、お世話になんかなってね~し。



ユキは申し訳なさそうに後をついてくる。


「いや、わりっす(笑)」(;^_^A



「わりっす、じゃなくてさ~、

なんで俺なわけ? 

 

てか、なにやってんの?朝から」




聞くと、昨夜タクシーで別れた後、

友達に呼び出され

着替えてまた飲みに行き、

朝まで飲んで、友達と別れ

独りで朝マックしてたとのこと。


何故、警察を呼ばれたか、

酔っぱらって、細かくは覚えてない…。


だって。。



「家、帰るんでしょ?」

の問いかけに、


「山下ん家、行く。

その前に、薬局寄って?」


人の都合も聞かないで、勝手に来るって、、

ドあつかましい女だな~、、と思う。


薬局寄って何すんのか、めんどくさいから

聞くのは避けて、量販ドラッグストアの駐車場に

クルマを停め、クルマの中で待っていた。


しばらくして袋をかかえたユキが戻ってきた。


店から出てきてクルマに向かってくるユキは

確かに昨日タクシーで別れた時と、着ている

ものが違う。


高いヒールにミニスカワンピ。

バッグはポシェットくらいの大きさで、

こんなんじゃハンカチくらいしか入らないじゃん。

てほどの大きさ。


昨日別れた時間は都心まで出るにはもう電車が無く

朝までやってる酒場が何件かある、私の利用する

駅の近くまで、来て飲んでたのだろう。


誰かがクルマで迎えに来たのか?

タクシーで出かけたのか?

ま、そんなことどうでもいいや、と思っていると、

ドアを開け、さっき買ったものを後部座席にポンと

投げ置き、助手席に乗り込むと、


「おまたせ~!  んじゃ、レッツゴー」o(^▽^)o


ってさ~、

この女、、


なに? こいつ。。



と思いながらも、不覚にも自分の寝床があるコーポへと

クルマを走らせたのでした。



つづく……。。