滑走路に書かれた数字 | 瑠璃色no半濁点

瑠璃色no半濁点

「瑠璃」は仏教で言う「七宝」の一つ。
英語では「ラピスラズリ」
砕いた色は「ウルトラマリンブルー」です。

昨日の「おも舵・とり舵」ねた。


けっこう皆さん食い付きが良いので

本日も「隠れ航空おたく」の本領を発揮し

方角ネタでいきます。



御年輩の皆さま、「Gメン’75」という番組を

御存じでしょう。


丹波哲郎演じる「黒木警視」が率いる

警視庁Gメン本部の物語ですが、

オープニングに横一列でさっそうと滑走路を

歩いてくるシーンは有名です。


滑走路には75と書かれています。


この滑走路に書かれた数字の意味ですが

航空自衛隊入間基地を例にすると下の

絵のような数字になります。


瑠璃色no半濁点-20121108100322.jpg

入間基地の滑走路は南北の線を少し外れた

方角に位置しています。

南側の端には「35」。北側の端には「17」と

書かれています。


南から進入してきた戦闘機Aは管制塔から

着陸許可を出されるとき、当然滑走路も指定されます。


風の状態によって滑走路のどちらから進入するかは

管制塔の判断での指示です。


戦闘機Aは35の滑走路を指示されたと同時に、

自機が東西南北どちらの方角に進路をとっているか

解ります。


35は北を0度として時計回りに350度の方角に

向かっていることになります。

ほぼ北に近い北北西方向です。


戦闘機Bは17の滑走路を指定されているので、

自機はほぼ南に近い南南東に向かって進入

しているのです。



これは着陸許可を受けた際、同時に報告される

滑走路付近の風向きを考慮する際役立ちます。


戦闘機Aのパイロットは着陸許可を受けた際、

同時に風は東北東から○○m/sと聞いていれば、

自機のほぼ右からの横風を受けて着陸することになる

と解るわけです。



因みに伊丹空港のように、同じ方角に滑走路が

2本並んで敷設されている場合、右と左は

RとLで区別されます。


伊丹の場合、大阪市内上空から進入する航空機は

「32L」か、「32R」に向かって進入しています。




ここで、聡明な皆さんお判りかと思いますが、

Gメン75のオープニングの滑走路番号「75」は、

円一周りが360度である限り、


ありえない滑走路なのです。