昨日の「おも舵・とり舵」ねた。
けっこう皆さん食い付きが良いので
本日も「隠れ航空おたく」の本領を発揮し
方角ネタでいきます。
御年輩の皆さま、「Gメン’75」という番組を
御存じでしょう。
丹波哲郎演じる「黒木警視」が率いる
警視庁Gメン本部の物語ですが、
オープニングに横一列でさっそうと滑走路を
歩いてくるシーンは有名です。
滑走路には75と書かれています。
この滑走路に書かれた数字の意味ですが
航空自衛隊入間基地を例にすると下の
絵のような数字になります。
入間基地の滑走路は南北の線を少し外れた
方角に位置しています。
南側の端には「35」。北側の端には「17」と
書かれています。
南から進入してきた戦闘機Aは管制塔から
着陸許可を出されるとき、当然滑走路も指定されます。
風の状態によって滑走路のどちらから進入するかは
管制塔の判断での指示です。
戦闘機Aは35の滑走路を指示されたと同時に、
自機が東西南北どちらの方角に進路をとっているか
解ります。
35は北を0度として時計回りに350度の方角に
向かっていることになります。
ほぼ北に近い北北西方向です。
戦闘機Bは17の滑走路を指定されているので、
自機はほぼ南に近い南南東に向かって進入
しているのです。
これは着陸許可を受けた際、同時に報告される
滑走路付近の風向きを考慮する際役立ちます。
戦闘機Aのパイロットは着陸許可を受けた際、
同時に風は東北東から○○m/sと聞いていれば、
自機のほぼ右からの横風を受けて着陸することになる
と解るわけです。
因みに伊丹空港のように、同じ方角に滑走路が
2本並んで敷設されている場合、右と左は
RとLで区別されます。
伊丹の場合、大阪市内上空から進入する航空機は
「32L」か、「32R」に向かって進入しています。
ここで、聡明な皆さんお判りかと思いますが、
Gメン75のオープニングの滑走路番号「75」は、
円一周りが360度である限り、
ありえない滑走路なのです。
