また記事消えたらどうしよう・・・と

不安に掻き立てられつつ 今日もレポ載せます ネタバレしてますので 嫌な方はUターンを

















「中岡は主人公さんと先に薩摩藩邸へ。ワシは高杉さんにちくと、挨拶をしてから

いくきに」

「武市と以蔵は、あとから遠回りして向かってくれ」

(私も晋作さんのところに一緒に行ったら駄目ですか?(〃∇〃)


「承知したっス。姉さん、よろしくお願いします」


今日は、薩摩藩と会合をする日。

薩摩と長州が仲良くしますよ、って同盟を結ぶから、その為の打ち合わせをするんだ、って。

薩摩のえらい人と意見のすりあわせ?ってのをするんだ、って教えてもらった。

一緒に向かって目立っちゃったら危険だから、みんなバラバラに寺田屋を出発する。

すごく大事な会合だから、わたしはお留守番かと思っていたんだけど。

寺田屋に誰もいなくなると危険だからって、わたしも連れて行ってもらえる事になった。


「それにしても、大丈夫かなぁ」


「主人公さんは心配か?」


「だって、薩摩と長州ってすごく仲が悪かったんですよね?」

「それに今日話す人って藩のお偉いさんなんですよね?」

「土佐藩みたいに『国より藩』って言いだしたりしないんですか?」


大久保さんと、さいごうさん?っていう人とお話するらしいけど・・・。

藩のえらい人っていうと、どうしてもこの間の土佐藩を思い出してしまう。


「す、鋭いっスね、姉さん」


「心配は無用ぜよ。2人とも先見の明があるし、日本の将来を見据えておる」

「それに本当に日本の未来を考えるのであれば、何を優先すべきか」

「藩よりも大事なものがあるっちゅうことは、ようわかっちょるじゃろ」


「龍馬さん・・・」

「そうっスね。その通りっスよ。だから姉さん、心配はいらないっス!」


嬉しそうにそう言う慎ちゃんを見ていると、言葉の通り、何でも大丈夫なような

気がしてくる。

本当に慎ちゃんの笑顔って不思議だな。


「さぁ、姉さん。そろそろ行きましょう」


「うん。では行ってきます」


「頼むぜよ」


わたしは慎ちゃんと一緒に、薩摩藩邸に向かった。


いつも通り、わたしは慎ちゃんの後ろを歩く。でも、いつもと違うのは、その背中が

少し緊張してるって事。

その証拠に、慎ちゃんはまっすぐ前を見たまま、一言も喋らない。

緊張するのも当たり前だよね。みんな薩摩と長州の行く末次第でこれからの事が

大きく変わるって言ってたし。

でも、こんなに緊張してたら、会合の前に、慎ちゃんが参っちゃうんじゃないかな?


よし・・・。


驚かす ← 選択


わたしは、そぉっと慎ちゃんの背中に手を伸ばした。


「・・・・・わっ!!」


「どうしたんスか?姉さん」


「え?なんで全然驚かないの?」


「一応、姉さんの気配には気をつけてましたから。急に近づいて来たのも

ちゃんとわかったっスよ」

「それで、何スか?」


「なんか慎ちゃんが緊張してるみたいだったから、驚いたら解けるかと思って」


「それはかたじけないっス。でも、大丈夫っスよ」

「今日は特に新撰組に会いたくないんで、いつもより気を張っているだけっスから」


・・・・そうなのかな?会合のことで緊張してたみたいだけど。


「薩摩藩邸についたら、すんませんが、姉さんは会合が終わるまで待っていてください」


「うん。大事な会合だもんね。邪魔にならないように、静かにしてる」


「助かるっス。あと、帰りは龍馬さんと寺田屋に戻ってください」


「え?慎ちゃんは?」


「おれは、少し大久保さんと話をしていくっス。だから、先に戻っていてください」


「大久保さんに?何か困り事なの?」


「前から思ってましたけど、姉さんって結構、鋭いっスよね」

(肝心な時には、かなり鈍いけどねww)


「そ、そうかな?」


「ええ。でも、困り事って言うより、お願い事っス」

「薩長同盟がまとまっても、まとまらなくても、いや、まとめるんスけど」

「そうなったら、幕府が黙っていません。つまり、新撰組の動きが荒くなります」


「危険が増えるって事?」


「はい。万が一の事を考えて、こっちも対策を立てておかなければならないっスから」


『危険』


その言葉がわたしの心に重くのしかかった。そして急に不安が押し寄せる。


そうだ。今、こうやって普通に歩いている道の先にも『危険』が、新撰組が潜んでいる

かもしれない。

わたしがいるここは、わたしがいた場所とは違う。『危険』が当たり前なんだ。


「・・・・」


「怖いっスか?」


「・・・・うん」


「でも、これがおれたちが住む時代なんス」

「その時代を変えるために、おれたちは、動いてるっス」

「おれ・・・がんばります」


そう言うと、慎ちゃんはまた背中を向けて歩き出した。

でもね、慎ちゃん、少し違うんだよ。

怖いのは、危険がたくさんだからじゃなくて。

わたしが本当に怖いのは、その危険によって慎ちゃん達が傷つく事。

いつからだろう。わたしの中で、自分の不安より、慎ちゃんへの不安のほうが

大きくなっていったのは。

わたしは少しずつ変わっていく自分の気持ちの中の変化に戸惑いながら、慎ちゃんの

背中を見つめていた。



無事に薩摩藩邸に辿り着いたわたし達を迎えてくれたのは、大久保さんだった。


「なんだ、小娘。お前も来たのか」


・・・・この人にとって、未だにわたしは『小娘』なのか。いい加減、覚えてくれないかな。


「小娘ではなく、主人公さんです。今日は寺田屋を空けるので、来ていただきました。」

「恐れ入りますが、話し合いの間、部屋を一つお貸し願えますか?」


「部屋なら好きな場所を使え。そう言えば、お前は戻らんのか?」


「え?」


「迷い子だと言っていただろう。帰る場所は見つかったのか?」


「そ、それは・・・」


「随分と悠長なのだな。いつまでもそいつらと遊んでいると、いつか斬られるぞ」


「斬られる・・・・」


「今さら驚く程の事ではあるまい。なぁ、中岡」


「・・・・・・・・」


「幕士は女でも容赦はせんからな。小娘、刀で斬られた事はあるか?」


「そんな、ある訳ないですっ」


「そうか。斬られるなら沖田あたりがいいぞ。あいつなら痛みを感じる間もないだろう」


なんでわたしにこんな事を言ってくるのか・・・なんとなくわかる。


きっと迷子だと言いながらいつまでも帰ろうとしないわたしを、試してるんだ。

斬られることが当たり前の時代にいるのを、ちゃんと実感してるのかって。


・・・・・怖くないはずがない。


それでもわたしが普通に生活していられたのは、慎ちゃんがいたから。

だから私は、怖くても、不安でもずっと寺田屋で笑っていられたんだ。


「大久保さん、今日はそんな話をしにきたのではありません」

「そろそろ龍馬さんや武市さん達がくる頃です。お支度を」


「なんだ、随分と気合いが入っているな」

「そんな君にとっては『そんな話』か。・・・つまらんな」


「え?」


「まぁいい。では行くぞ、中岡くん」


「あ、はい。では失礼するっス」


そう言って、慎ちゃんは大久保さんと共に、奥の間に消えていった。


『そんな話』

慎ちゃんの言葉が甦る。


今日は大事な会合の日。

ここで話しがまとまるかで、薩長同盟がうまくいくかいかないか変わってくる。

だから、わたしのことが『そんな話』なのは、当りまえだ。

当りまえなのに。頭では分かっているのに。

どうして、胸が痛くなるんだろう・・・。


わたしが部屋に通されてから、かなりの時間が経った。

もしかして、話し合いが上手くいってないのかな?

「ううん。そんな事ない。慎ちゃんや龍馬さんだもの。」


わたしが一人、部屋でそう頷いた時だった。


「待ってください!西郷さんっ!大久保さんっ!」


どたどたという大きな足音と一緒に、慎ちゃんの声が聞こえてくる。


「・・・まさか」


わたしは嫌な予感を覚えながら、声がする方に向かった。


「・・・利通、あとは任せた」


廊下には、部屋から出てきた大柄な人と、大久保さん。

それから必死に話しかけている慎ちゃん、そして龍馬さんの姿があった。

大きな人は慎ちゃんの呼びかけに答えず、そのまま廊下を歩いて行ってしまう。


「中岡くん、すまないが、今日はこれ以上話し合っても無駄だろう」


あの慎ちゃんが、あんなに厳しい顔で大久保さんに詰め寄ってる。


もしかして・・・うまくいかなかったの?


心配にはなるものの、あまりにも緊迫した空気に、それ以上近づけなくて。

わたしは柱の陰から、じっとみんなの様子をうかがう事しかできなかった。


「ですから、今一度、おれの話を聞いてください」


「そうは言ってもな、中岡くん」

「同じ言葉を繰り返して何になる」

「いったん引き取って、頭を冷やしたまえ」


そう言って踵を返した大久保さんの手を、慎ちゃんが掴んだ。

そしてそのまま詰め寄る。


「中岡くん?」


「何でわかってくれないんスか!今、日本は変わろうとしているんです」

「変わらなきゃダメなんス!」

「藩とか、体面より優先するものがあるはずなんス!それを」

「どうしてわかってくれないんスかっ!!」


「・・・・・・・」


こんな激しい慎ちゃんは見たことがない。

こんな必死な・・・・。

でもいくら慎ちゃんが詰め寄っても、大久保さんは表情をまるで変えなかった。


「わからん奴だ」


「何ですって?」


「君が言っている言葉は、どれも坂本くんが言った言葉を繰り返しているだけだ」

「誰かが岡田くんを『武市の犬』と揶揄していたが、さしずめ君は」

「『坂本龍馬の九官鳥』だな」

(九官鳥ってwww そのままじゃないかww)


「・・・・九官鳥?」


「西郷が、なにを思って席を立ったのか。よく考えてみろ」

「薩摩を、西郷を、そして私を本気で動かしたいのなら、中岡慎太郎として

説得してみせろ」

「・・・・・」


その言葉に慎ちゃんが黙り込んだ。

わたしは、悲愴な顔で肩を落とす慎ちゃんを見ていられなくて、

思わず柱の陰から駆け寄った。


「慎ちゃん」 ← 選択


「姉さん。部屋で待っていてくださいと言ったはずですが」


「うん、でも」


「ここは姉さんが出る幕ではありません。お戻りください」


「・・・・うん。ごめんね」


「姉さん・・・すんません」


部屋に戻って、自分の無力さに悲しくなる。

いつも慎ちゃんに助けてもらっているのに、こんな時何もできないなんて。


悔しい、悔しいよ。


気づけば、わたしの目からは大粒の涙が溢れていた。




【慎ちゃんの目線】



『坂元龍馬の九官鳥』

その言葉がおれの頭の中をぐるぐると回った。

龍馬さんの志がおれの志。だから、ここまで龍馬さんについてきて・・・。

だけど。

それは、正しいことではない。そうはっきりと言われた気がした。

おれは何も言えないまま、じっと床を見つめることしかできなくなっていた。


「まぁ、大久保さん。その辺で勘弁してくれんかのう?」


「何を言う。頭を冷やせと言ったのに、噛み付いてきたのはそっちだろう」


「そうじゃったの」

「では中岡、今日は引くぜよ。本番は明日じゃき」

「それに、おんしにはまだ大久保さんに大事な話があるんじゃろ?」


龍馬さんの言葉に顔を上げる。


そうだ。おれには大久保さんに話さなきゃならない事がある。


「ではワシは先に主人公さんと寺田屋に戻っておる。後は頼んだぜよ」


「はい」


「話というのは、小娘の事か?」


「はい。おれ達にもしもの事があった時、姉さん・・・いえ、主人公さんを

お願いできますか?」


「・・・・・」


「勝手な事を言っているのは、重々承知です。しかし・・・」


「随分と、軽く頼むものだな」


「・・・・え?」


「それとも、君にとっての小娘は所詮その程度ということか」

「頭の一つも下げる価値がないと」


大久保さんの言葉に、はっとする。

何をおれはこんなに焦ってるんだ。

これじゃ、頼み事をするどころか、まるで喧嘩を売っている様だ。

大久保さんが言う通り、人にものを頼む態度じゃない。

おれは改めて姿勢を正すと、大久保さんに向かって頭を下げた。


「すんません。大久保さんのおっしゃる通りです。お願いします。

どうか主人公さんを・・・」


「私が言ったから、頭を下げるのか?その下げた頭は本当に君の意志か?」


「どういう意味ですか?」


「もしここにいたのが坂本龍馬なら」

「小娘の為に、なりふり構わず、額が地面にめり込む程の土下座をしたであろうな」


「・・・・・・」


「いいか?中岡くん。気持ちというのは伝わらないのではない。上手く伝えていない

だけなのだ」


「本当に小娘の事を想うのであれば、君には君のやり方があるのではないか?」

「それが思いつかないのであれば、それが君の誠意の程度というものだ」


おれのやり方?


それは・・・。

おれの思い。おれの願い。

それはたったひとつ・・・・。


どうしたら伝わる?どうしたら大久保さんを動かす事ができる?


どうしたら、姉さんの幸せを守る事ができる?


・・・・・。


おれは、おもむろに腰の刀を抜いた。


「中岡くん、いったい何を!?」


「こんなことをしても、おれの誠意は伝わらないかもしれない」

「こんな事に、なんの意味もないかもしれない」

「でも、今のおれにはこんな事くらいしか思いつかないんです」


「待て!馬鹿なことは・・・」


「大久保さん、もしおれ達に何かあったら・・・姉さんの事、頼めますか?」

「どうか、お願いします・・・」


おれは抜いた刀を逆手に持ち直し、静かに目を閉じた。



ザクッ



「どうか姉さんをしあわせに・・・」










大久保さん、徹底的に慎ちゃんを追いつめちゃってますね

でも、大久保さんの言い分もよく分かるんですよね

確かに、慎ちゃん自身の意志が見えてこない。

土方さんに追いつめられてた時もそうだったけど

まだ、自分の考えっていうのをきちんと

持ってないんですよね

(じゃあ、以蔵はどうなるのか?って話になりますがw)


慎ちゃんは、こういう試練が多いですね

自己の葛藤みたいな


そういえば、主人公のこと頼みます


とか言ってるけど、未来に帰すことは

もう忘れてるのだろうかwww


慎ちゃんが、大人の階段を一歩上るか!

ってところで終わってしまったので

明日の話が楽しみです


(しかし、以蔵は出ないし ← え?w

恋愛の甘さが一切なくて、ちょっと消化不良ですw)