「・・・これ。なんちゅう顔をしとるんじゃ」
「龍馬さん・・・わたし・・・」
「不安に思うことはない、おんしが不自由するようなことにはせん」
「ワシらが消えても、困らせんから大丈夫じゃ」
「ちがいます・・・っ・・・困るとか・・・困らないとか・・・そうじゃないんです・・・」
「居なくなっちゃうって、捕まってしまうってことですか?」
「捕まってしまったら、龍馬さんどうなってしまうんですか?」
「ひ、ひどい目にあったり、するんですか・・・?」
口に出したら、すごく悲しくなってきて。
顔をあげていられない・・・。
「・・・・主人公」
「かえって、不安にさせてしまったようじゃな。すまん」
「ワシには、やらねばならん事がある。じゃから、捕まるわけにはいかんかったのう」
「言葉は言霊。不吉な事を口走るもんではないのう」
「主人公を悲しませたうえに、本当になってしまうかもしれんからな」
龍馬さんが、わたしの頭を、ぽんぽんと優しく撫でる。
「ワシはどこにも消えん。絶対じゃ。ほいじゃから、顔をあげてくれんかのう」
「・・・・主人公?ほれ。指切りじゃ」
伏せたままの、わたしの顔の前に、龍馬さんの手が出される。
「ゆび、きり・・・?」
「そうじゃ。ずっと傍にいると、約束する」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
出された小指に、自分の小指をからめて、約束のゆびきりをする。
ぎゅっと絡む小指は、とても強くて・・・。
「この約束は、絶対じゃ」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・あ。主人公のおでこに虫が付いとる」
!?えっ!!
「やだっ!!取って!とってくださいっ!!」
じ、自分じゃ気持ち悪くてとれないっ!!
「・・・・ぷっ」
「あっはっはっ!すまん嘘じゃ!やっと顔をあげたのう!」
んっ!?
「う、うそ!?」
「ああ、顔を上げて欲しくてのう。すまん」
・・・・あ、ほんとだ。
わたしちゃんと、龍馬さんの顔見えてる・・・。
「やはり、おんしが元気でいてくれると、ワシは嬉しいんじゃ」
「だから、これからもずっとワシの隣で、笑っちょってくれ」
そんな龍馬さんの笑顔に、わたしはすっかり安心する。
さっきまであんなに不安だったのに・・・・。
「わたしも、龍馬さんに笑ってもらうと、すごく元気になれます」
「ほうか。そんな事を言われたのは初めてじゃ」
テレ笑いをする龍馬さんの隣を歩きながら、さっき龍馬さんが言ってくれた
言葉を思い出す。
『ずっとワシの隣で笑っちょってくれ』
・・・うれしい・・・。
ずっと、って言ってもらえたのが、すごくうれしい。
・・・龍馬さん・・・・。
「龍馬さん・・・・まだかな・・・」
わたしを寺田屋に連れてきて、すぐに土佐藩邸に戻って行った龍馬さん。
部屋でただ待っていると、なんだか悶々としてきてしまうから。
わたしは、玄関のところで龍馬さんを待っていた。
「もうそろそろ、帰ってきてもいい頃なんだけどな・・・」
ガラガラガラガラガラ
「いま帰った」
龍馬さん!?
「・・・・・・ん。なんだお前」
「って、以蔵か。おかえりなさい」
「?・・・・おれで悪かったな」
(ほんとだよねー 以蔵に失礼だと思うよww しかも声聞き間違えるか?!w)
「姉さん、ただいまっス」
「あ、慎ちゃん!おかえりなさい、無事で良かった」
「お前は、なんで俺にだけ無礼なんだ」
(あ・・・w 以蔵が気にしてるww)
「そ、そうかな」
「そうだ」
「うーん・・・以蔵だから?」
「おまえな・・・」
「あははっ!そういう所が、龍馬さんが嫉妬するんだよ」
「嫉妬?」
「そうっスよ、すっごい仲良く見えますから」
「そんな訳ないだろ」
「いや、おれだって以蔵くんが羨ましいよ」
「お前・・・変わってるな」
「そんなことないよ」
「でも本当に、2人が無事に帰ってこれてよかった」
「あとは、龍馬さんと武市さんだけだね」
(えー・・・・www 長州藩邸の土産話とか聞かないの?)
「ああ、それなら」
「今日は夕暮れでも人出が多いから、きっと大丈夫っスよ」
「何かあるの?」
「ああ、祭りがあるらしい」
「お祭り?」
「だから、外が騒がしいんだ」
「これに紛れて帰ってくれば、仮に尾けられていても、まき易いからな」
「その通りじゃ」
「わっ!」
「龍馬さん!」
「いま戻りました」
「武市先生!」
(参ったなwww 以蔵がすごい笑顔なんだがww)
「おまんらも何事も無く戻ったようじゃの」
無事に帰ってきてくれた・・・・!
わたしはホッとして、一気に力が抜けてきた。
よ・・・良かった・・・。 ← 選択
「ん?どうした主人公」
「あっいえ・・・無事に帰ってきてくれて、ほんとうに良かったです」
「おう、心配かけたのう」
「そんなこと・・・」
「・・・・・・・・・・・・」 ← 龍馬さん
「・・・・・・・・・・・・」 ← 主人公
「・・・・・・・・・」 ← 以蔵
「・・・・・・・・・」 ← 慎ちゃん
「・・・その心配には、僕は入って無さそうですね」
「えっ!そんなことないですよ!武市さんのことも心配してましたよ!」
「馬鹿野郎!武市先生を心配するなんて無礼だ!俺は武市先生を信じてました!」
(以蔵の大好きな武市さんは獲らないから安心してwww)
「主人公さんに心配されるのだったら、やぶさかでないが」
「・・・・おい!もっと武市先生の心配をしろ!」
(なんか、変な日本語だよ、以蔵www)
「・・・以蔵って、武市さんのことになると、キャラ変わるよね・・・」
「また分からん言葉を!」
「以蔵、主人公さんに絡むな」
「っ!か、絡んでるわけでは・・・っ」
「まあまあ、これ以上は不毛だよ」
「・・・・・くっ!」
「あっ」
「以蔵くん」
行ってしまった・・・・
・・・うーん、以蔵ってけっこう繊細みたいで・・・
見た目と違って実はすごいピュアな人なんだと思う・・・。
(まぁ、そうかもwww 武市さん無しじゃ生きてけないみたいなww)
「・・・・主人公は、ほんとに以蔵と仲がええのう・・・」
(龍馬さんが、いじけながら焼きもちを妬いてますw 可愛いっすねw)
あっ!・・・こ、こっちにもピュアな人が・・・。
「仲は確かにいいな。歳が近いからもあるんじゃないか」
「そうか・・・流石に歳にはあらがえんのう」
「いえっ・・・あの」
「主人公さんは、以蔵を愛おしそうな目で、見ている時があるしな」
「なにっ」
「ええっ!?」
そ、そうなんですか?
(私は、ちょっとそうかもしれないww)
・・・いえいえ、そんなこと絶対ないと、思うんですが・・・・!
だって以蔵とは、すぐ言い争いみたいになってしまうし。
・・・確かに良く助けてくれるし、なんだかんだ言って優しいし。
嫌いどころか、どちらかといえば好きですが・・・。
でもそれは、友達としての好きであって・・・以蔵のこと、そんな。
「・・・以蔵と主人公が・・・そうだったのか・・・確かに二人でよく話しちょったのう・・・」
はあ・・・と深いタメ息をつく龍馬さん。
「いえっ、よく話しているといっても、以蔵とは口ゲンカしているばかりですし!」
「喧嘩するほど仲が良いと言うな」
「ああ、言う」
「た、武市さん・・・龍馬さん・・・」
寂しそうな龍馬さんの顔を見続けてると、わたしも切なくなってきてしまう。
ほんとうに、以蔵とはそんなんじゃないのに・・・。
「・・・――さ、主人公さんをからかうのは、これぐらいにしておきましょう」
「悲しそうな顔をさせてしまったのう」
「えっ!からかっていたんですか!?」
「ええ、主人公さんはいい反応を返してくれて、会話にも甲斐がある。いつも有難う」
「どういたしまして・・・・・って、武市さんっ!」
「あんまり主人公を困らせてくれるな武市」
「自分だけ棚上げとはずるいな」
「そういうな。すこしはいい格好をさせてくれ」
「昼間だって龍馬を立てたろう」
「ああそうじゃったな」
「・・・いかん」
「二人っきりにされた、あの時間を思い出すだけで」
「体中の虫唾が暴れ出しそうだ・・・!」
「何故あれほどにも、あの男は気味も気色も何もかも悪いのか・・・!」
「もう当分は会わないぞ、考えるだけで堪えられん」
「以蔵!いないか!塩をもってきてくれ!」
腕をさすりながら、2階へ上がっていく武市さん。
よっぽど乾さんのこと嫌いなんだ・・・・。
武市さんが、あんなに人の事を嫌そうに語るなんて・・・。
「武市さんに悪い事しちゃいましたね・・・」
「気にする事は無い」
「どのみち、避けては通れない人じゃ。誰が悪い訳じゃない」
「・・・・・はい・・・」
うーん・・・でも、あの様子じゃ、今日の夜とかぐっすり寝れなさそう・・・。
やっぱり、わたしのせいだし、何とかして武市さんを元気づけられないかな。
嫌な事を忘れるぐらい、楽しい事とかが、あればいいんだけど・・・・。
「あっ!そうだ」
「おっ?嬉しそうな顔じゃのう。何か楽しい事でも見つけたか?」
「はいっ!聞いてもらってもいいですか?」
「もちろんじゃ」
わたしは龍馬さんに、今日だから出来る方法を話してみた。
寺田屋のみんなには、元気でいて欲しいから。
武市さんも、以蔵も、慎ちゃんも、もちろん・・・龍馬さんも。
ずっと、笑っていてほしいから。
今日は、もしもの時の内容を知っているけれど
ちょっと怖くなりましたね・・・
なんせ、桂さんの時は、あまり激しい状況に
なることは少なかった気がするので・・・
龍馬さんの焼きもちの妬き方は可愛いですよねwww
でも、まだ極端にキュンキュンしてないですwww
悪いけど、今日は、慎ちゃんの話しの方が
好きでした 苦笑
何故、王道と言われる龍馬さんに
のめり込めないのか
自分が不思議でなりませんwww
がーーーっと来てくれないからなのかな・・・
徐々に徐々にすぎて、じれったいのかなwwww