『夫よ、死んでくれないか』
ドラマと原作の違い

この記事を書いたのは、6月
(月日がたつのが早すぎる)
ドラマを先に見てしまった、このストーリー
図書館で順番待ちがまわってきたので、原作を読了
表紙はやっぱりそのまま(裏返しになっていない)だったけど、
図書館の人にどう思われたんだろう、私

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結婚生活は日常の積み重ね、
笑えないほど奇妙で、どこか滑稽でもある
原作はその奇妙さを丁寧に拾い上げ、淡々と書き留めている
「夫に向ける憎悪」を真正面から書き抜いていて、重苦しいようでいて、どこか非現実的で、痛みよりもむしろユーモアとして響く
本とドラマ、登場人物の役割やストーリーも違うけど、結末が全然違って、
ここからネタバレ
ドラマを見ていない人は読まないでくださいね!


ドラマの結末は、
「夫がクマに殺される」
というマンガみたいな展開だった
え?そういう結末?!そんなあほな!
(とは言いつつ、最近熊被害が多いので、現実的ではない、と言い切れないところもあるのだけど)
このドラマ、コメディやったん
と思ってしまったほど
ドラマとしてインパクトを与え、重いテーマをやわらかくするためだったのだろうか
熊は、人間に抗えない自然の理不尽さをつきつけ、
日常的な夫婦の諍いを外的な大きな力で断ち切る存在として
妻が抱く「いなくなってほしい」という願望を、直接的に手を下すことなく、「熊に殺させる」ことで視聴者は罪悪感なく受けとめられる
一方、原作は淡々とした現実の延長線上に「夫婦のすれ違い」を置いている
現実の結婚生活のように、曖昧で、簡単には変わらない日常がそのまま続いていく
そういう「余韻を残した」終わり方

そういえば、独身時代に働いていた会社では、本当に、この3人のような
「夫、〇んでくれへんかなあ」
という既婚者たちの会話が、昼休みに毎日繰り広げられていた
今思うと、彼女たちの悪口の原因は、ほぼ
「ダンナが育児に参加しない」
ということだったと思う
ダンナさんたち、ちゃんと生きているかしら…

この本を読んだ後、夫が床に散らかした靴下すら、「文学的な風景」に見えてくる
夫は原作は読んでいない(と思う)けど、
夫婦仲良く(?)このドラマを見て以来、こういうことで私が怒ると、夫は、
「こわ~、ツマかクマにころされる~」
と言っている

