私、小学生の頃

自分の部屋を持つことに

憧れていました。

 

中学生になって、

やっと自分の部屋が持てると

 

いかに自分好みの部屋にするか

 

雑誌を買って

素敵な部屋を夢見たり

 

平面模型を作って

模様替えのシミュレーションをしたり

 

家具を全部(ゴミ箱まで)

ペンキで塗り替えたり

 

とにかく、

部屋のことを考えたり

いじったりするのが

大好きだったんです。

 

そんな私が結婚して

『マイホームを建てる』

となったら、

 

どれだけ力を入れ込んだか

ご想像つくでしょう。

 

・・・が

 

それが、『ただの入れ物』

 

そう悟ってしまった話をします。


 

  こだわりのマイホーム完成!

 

結婚して6年後

夢にまで見たマイホームを

建てることに。

 

夫は家に対して

何のこだわりもなかったので

 

予算内であれば

何をするのも私の自由

 

使い勝手の良い動線を考えた水回り

家族みんなでくつろげるリビングの工夫

子どもの成長に合わせて変化できる間取り

ちょっとしたスペースを利用した収納庫

 

建物だけじゃなく

家具にもこだわって

 

気に入ったものを見つけるまで

何軒も家具屋を見て回りました。

 

そして、ついに

理想のマイホーム完成ルンルン

 

私にとっては

こだわりの詰まった

本当に宝物のような

自慢の我が家だったんです。

 

住めば住むほど

 

「いいわ〜」

「便利だわ〜」

「よく考えたわ〜」

 

と我ながら惚れ惚れラブラブ

 

本当に

「幸せだな〜」

と感じていました。

 

あることへの不安を除いては・・・

 

 

 

  夫との関係に潜む暗い影

 

今考えると

本当に無謀だったなぁと感じますが

 

このマイホーム建築計画は

実は

 

夫がうつ病から回復して間もなく

考え始めたんです。

 

夫はまだ仕事復帰できていないのに・・・


 

 

元々いつかは建てると

決めていたので

 

それなら、

夫が休職している間に

話を進める方が

 

仕事をしながら進めるよりは

夫の心にも余裕があって

進めやすい

 

そう思ったんですね。

 

 

 

夫も公務員だったので

うつの病状が回復した今となっては

 

職場復帰は約束されたも同然で

タイミングを待つだけと

わかっていましたから。

 

 

 

ただ

夫との関係が

今以上に悪化していくことは

 

潜在意識の中では感じていたものの

目を背けて

意識しないようにしていたんですね

 

そしてそれは

じわじわと

確実に

 

よくない方向に向かっていたんです。

 

 

 

 

  夫との関係の崩壊

 

結婚当初から

夫のDVっぽい言動は

見え隠れしていました。

 

でも、

当時の私は

よくないところに目を向けようとせず、

いいところばかり見ようとしていました。

 

そこには

「子ども達のためには両親揃っていた方がいい」

「結婚に失敗したと思われたくない」

「私にもよくないところがあるから、夫がこんなふうになってしまうんだ」

のような思いがあったからです。

 

なので、誰にも助けを求められず

1人で全てを背負い込んで

潰れそうになっていました。

 

仕事も大変

子育ても大変

家事も大変

そして夫も大変

 

ストレスが溜まると

どうしても夫に辛く当たってしまい

 

お互いの関係は・・・

 

悪くなるしかありませんよね


 

マイホーム完成から7年後

 

DVで命の危険を感じた私は

着の身着のまま

理想のマイホームを飛び出し

 

それっきり

戻って暮らすことは

二度とありませんでした。


 

 

 

  今になって思うこと

 

マイホームという

形を整えて

 

私は『大丈夫』って

安心したかったのかもしれない

 

素敵な家があれば

家族が円満に暮らせる

 

理想の家があれば

仕事も家事もがんばれる

 

そう思おうとして

肝心なことを

見ようとしていなかった。

 

今ならわかる。

 

整えなければならないのは

中身の方だった

 

素敵な家も

理想の家も

ただの入れ物に過ぎない

 

大切なのは

どんな入れ物の中でも

心豊かに暮らせること

 

自分の心が満たされ

 

家族とも

助け合い

いたわり合い

支え合い

愛し合うことができていれば

 

どんな場所でも

どんな家でも

 

笑顔で楽しく

幸せに暮らすことができるって