お元気様です。はづきです。
いつもありがとうございます。
この土日で、3月も終わり…。
月曜日からは、新しい月、4月「7: 休息の月」が始まります。
週明けの月曜日は、いよいよ新元号も発表ですね~。
時代の大きなうねりを感じます。
そんなタイミングで、私も新しい【無料メルマガ】の配信を
4月1日から、始めようと思っています。
タイトルは、『はづき虹映のヒーリング・メッセージ』 です。
著作累計80冊超、累計発行200部を超える、
スピ系ミリオンセラー作家のはづき虹映が、
「あなた」のために、書き下ろす「癒し」と「気付き」のメッセージ。
毎日、読んでいるだけで、癒しと気付きが深まり、
浄化と開運が引き寄せられ、さらに「覚醒」が加速する、
スピリチュアルなエッセイ&コラムです。
★『はづき虹映のヒーリング・メッセージ』【無料メルマガ】の
購読希望の方は、コチラから~♪
→ https://hazuki-healing.com/#melmaga
さぁ、ここから、さらに変化の波が激しさを増して来ます。
みなさんと一緒に、この時代の大波をスイスイと
乗り切って、さらなる高みを目指して参りましょう~♪
+++++ +++++ +++++
先週の金曜日から始まった、連載小説『お葬式』。
基本、今後は毎週金曜日に、このブログで綴っていく予定です。
過去の話がわからない方は、ぜひ、金曜日のブログを
遡っていただけると幸いです。
それでは今回は、第二回目のお話しで~す。
『連載小説「お葬式」vol.2』
僕は会社にでかける支度をしながら、
今朝の母親からの電話の内容を思い返していた。
朝起きたら、自分が何十年も連れ添った旦那が
亡くなっているのを見つけたとき、
僕だったら一体、どんな反応になるのだろうか…。
今朝の母親のように、
僕は冷静に対応できるものだろうか…。
あれが普通の反応…?
夫婦も長年、連れ添うと、あんなものなのだろうか…。
+++++ +++++ +++++
確かにいつもよりは幾分、慌てているような感じは
あったものの、母親の電話からは、取り乱した様子は
全く感じられなかった。
普段から、母は肝が座っているようなところがあって、
トラブルが起きてもあまり深刻になったり、
慌ててあたふたするようなところを見た記憶がない。
「起きたものは仕方ない。
あれこれ心配するよりも、
今できることをちゃんとやりなさい」
…というのが、母親の得意のフレーズで、
結局、その通りの生き方をしている人だと
僕は密かに尊敬している。
+++++ +++++ +++++
今朝の落ち着いた電話のやりとりも、
母のそんな生き方のスタイルがよく出ているな~と
改めて、僕は感心していた。
そして、そんな母に育てられた僕も、
同じ考え方が染みついているのかもしれない。
なにせ父親が急死したと聞かされたのに、
普段と変わらず、同じペースで、普通に出かける用意をして、
会社に出かけるために鏡を見ている自分に気付いて、
「お前も同じじゃん…」と思わず、
自分でツッコんでしまった。
+++++ +++++ +++++
会社に出かける前、このアパートの隣に住んでいる
大家さんのところに寄って、事情を話し、
2-3日、ブッダを預かってもらうよう、頼んでおいた。
人の良い大家さんは、父親が急死したことを聞くと、
大慌てで、「今すぐ、帰ってあげなさい!」と、
しきりに僕のことを心配してくれた。
僕が「ブッダのことをよろしくお願いいたします」
とアタマを下げると、
「そんな猫のことなんて、どうでもいいから…。
とにかく早く帰りなさい!
こんなときは、会社なんて、どうでもいいのよ!
さぁ、早く早く…」と大きな声で、僕を急き立てた。
+++++ +++++ +++++
確かに普通は、そうなのかもしれない。
折れ合いはあまり良くないとはいえ、
なんと言っても、自分を育ててくれた実の父なのだから…。
いくら亡くなってしまったとは言え、
それを放っておいて、会社に仕事をしに行くのは、
人間としてどうか…とも思ったが、
僕の足は、そんな考えなど、どこ吹く風のように、
いつもと同じように何の迷いもなく、
都内の会社へと向かっていくのだった。
+++++ +++++ +++++
朝のラッシュ時、都心に向かう電車は、
いつもと変わらず、すし詰め状態…。
都内に出て来て、このラッシュ時の異常な電車に
最初はひるんだものの、慣れとは恐ろしいもので、
1-2年も経つと、別になんとも思わなくなった。
…というか、僕がどう思ったところで仕方ないのだ。
通勤ラッシュが「イヤだ」とか、
「気持ち悪い」「辛い」「腹が立つ」と思ったところで、
そのラッシュがなくなるワケでも、
緩和されるワケでもない。
+++++ +++++ +++++
だとすれば、ラッシュの状態に
できるだけフォーカスしないこと。
そこに必要以上にエネルギーを注がないことが、
最良の対処法だということを
僕は日々の生活の中で自然に学び、
すっかり身に付けてしまったようだ。
それはたぶん、他の人もそう…。
言い換えれば、皆がこのラッシュの状態に
「見て見ぬフリ」をして、ジッと耐えて、
過ごしているようなもの。
現実的に考えて、そう対処するしかないのだから…。
+++++ +++++ +++++
ただ、今朝の僕は、父親の死を聞いてしまったことをキッカケに、
普段は避けて通っている「そこ」の部分に
フォーカスしてしまったようだった。
「この電車の中に今朝、
父親を亡くした人が乗っているだろうか…」
「実の父親が亡くなったというのに、どうして僕は、
いつもと同じ、通勤ラッシュの電車に乗って、
会社に向かおうとしているのか?」
「父親の死に目にはもう会えないが、
それでも長男として、母親をサポートし、
父親を手厚く葬ってやることが人としての務めではないのか…」
「そのことと会社の仕事とは一体、どっちが重要で、
人としてどっちを優先すべきことなのか…」
+++++ +++++ +++++
「父親が急に亡くなったというのに、
どうして僕はこんなに冷静なのか?」
「なんで、悲しいとか、辛いとかいう感情が湧いて来ないのか?」
「僕は人として、本当にこんなに冷たいヤツだったのだろうか…」
「それにしても、なんでいつも、こんなに込んでいるんだ…」
「みんな、本当にこれでいいと思っているのか…」
「なんか、おかしい!なにか間違っているんじゃないか!」
最後は危うく、満員電車の中で、大きな声を上げそうになり、
フッと我に返ったところで、降車駅に電車が着いて、
僕の身体はホームに吐き出された。
+++++ +++++ +++++
ラッシュの人波に流されながらも、
ちゃんと会社に着くと、
僕のモヤモヤした気持ちなどお構いなしに、
慌ただしく仕事が始まった。
「おーい、神田、今日のプレゼンの準備、
ちゃんとできているか?」
僕を可愛がってくれている直属の上司である、
第三部編集長の三田さんが明るく声をかけてくれる。
+++++ +++++ +++++
「はい!大丈夫です!資料はバッチリ!
プレゼンの練習も準備OKです!」
と僕が元気よく返事をすると、
「よーし!今日は楽しみだな♪」
と満面の笑顔でピースサインを返してくれた。
その顔を見て、僕は「やっぱり、出社して良かった」
とそう思った。
僕はこの仕事が…、この会社が…、
この仲間と一緒にする仕事が好きなんだ。
+++++ +++++ +++++
仕事はキツイし、お給料も決して高くはないけど、
本が大好きな僕にとって、この仕事は理想の仕事。
ここで編集者としての腕を磨いて、
いつかは多くの人々を感動させられるような、
100万部を超えるミリオンセラーを生み出すことが、
当面の僕の夢だ。
そんな大好きな仕事を優先したことを、
同じ男として、仕事人として、
きっと父親もわかってくれるハズだと、
僕は思った…。
+++++ +++++ +++++
僕がそう思うとほぼ同時に、
僕の右斜め上、45度辺りの空間から、
「うん!それでよし!」という声が聞こえてきた。
僕がハッとして振り返ると、
そこには大きなデジタル時計が掲げてあって、
「9時9分」を示していた。
「9時9分か…」と、僕が時計を眺めていると、
「よし!神田。それじゃぁ、行くか!」
と三田編集長が声をかけてきた。
「ハイ!よろしくお願します」
我に返って、僕は元気よく返事をして、
資料の入ったカバンと上着を抱えて、
三田編集長に続いて、オフィスを後にした。
+++++ +++++ +++++
もちろん、今はまだ、会社の誰にも
父親が亡くなったことは告げていない。
取引先に向かう地下鉄に揺られながら、
この大事なプレゼンが終ったら、
三田編集長に事情を話して、
そのまま早退させてもらって、
関西の実家に帰らせてもらおう…と、
僕はひとりで、その後の段取りを考えていた。
+++++ +++++ +++++
大手出版社の会議室で、
新しい雑誌を創刊するための企画会議に、僕は挑んでいた。
この仕事が取れたら、我が社にも大きなメリットがあるし、
何よりこれは僕が大好きな三田編集長から、
初めて任せてもらった大きな仕事だ。
プレゼンが始まってから終わるまで、
僕は自分の父親のことなど、すっかり忘れるぐらい、
緊張していたし、集中していた。
入念な準備とプレゼンを事前に練習したカイもあって、
先方の反応は上々。
先方の会社を出た三田編集長も、
満面の笑みで上機嫌だった。
+++++ +++++ +++++
「おい、神田…。やったな!
先方もお前のプレゼンを気に入ってくれて…。
これでほぼ決まりだな。ウチの社長も喜ぶぞ。
さぁ、前祝になんか、うまいモノでも食べに行くか!
もちろん、オレが奢るからサ…」
ちょうど昼時だったので、三田編集長は当然のように、
僕をランチに誘ってくれた。
今までの緊張感から解放されて、僕はやっと父親のことを思い出した。
「あの~、編集長、実は今朝…」
そのとき初めて、僕は自分の父親が今朝、
急死したことを目の前の上司に告げたのだ。
(続く~♪)
★ただ今、絶賛発売中です!!
★はづき虹映の84冊目の新刊
『数秘術で占う 366日誕生日全書』
「はづき数秘術」の集大成、決定版!
「人生の転機」がまるごとわかる
「ライフフローチャート(人生周期表)」初掲載!
★『366日誕生日全書』「アマゾン」さんでの
ご注文は、コチラから~♪
★はづき虹映の83冊目の新刊『不惑心』
1章分、まるまる【無料】で読める…
「立ち読み」希望の方は、コチラから~♪
→ https://www.sunmark.co.jp/detail.php?csid=3731-9
★『不惑心』「アマゾン」さんでのご注文は、コチラから~♪