人間より動物が好きで、愛想がなくて、近所付き合いもロクにしない私が
唯一ご近所でお喋り出来るのが隣の奥さん。
会うといつも庭越しに30分くらいお喋りするんだよね。
その奥さんが先日、
「犬の散歩中にね、よくノラ犬に会うのよ~(;´Д`)首輪してないのよ」って言い出した。
「今どきノラ犬なんて珍しいなー」って思いながら話を聞いてたら
1ヶ月くらい前からこの辺りをウロウロしてるらしい。
ベルの散歩中には1度も見かけたことないんだけどねぇ・・・。
ノラ犬の放浪コースとベルの散歩コースが微妙に違うんだろか。
そんな話をしていた翌日、いたよ。首輪のないノラちゃんが。
散歩の時には会わなかったのに、ベルをシッコに出そうと
玄関を出たら、道の向こうをトコトコ歩いてんの。
「保健所に通報されたらこの子の命は3日で消えちまう!
どーしよう・・・。とりあえず・・・・・・保護するか?
後のことは保護してから考えりゃいい!(。`△´。)ノヨッシャ!」
ベルがいつものこどく、このノラちゃんにも吠えまくったら、きっとアウト。
ビックリして逃げたら、きっと捕まえるタイミングを逃しちまう!
慌ててベルをサークルに入れて、お水とおやつを持って猛ダッシュで外に。
玄関を出てみると
「・・・あれ、いない!(`□´;)ドコ行った?」
歩き回って探してみたけど姿がない・・・。
探し回れば探し回るほど、警戒して離れて行っている気がして結局その日は保護を断念・・・。
1ヶ月もウロウロしてたのにもかかわらず、通報されずに
生き延びているということは、きっと誰かがエサをあげていたということだし、
近所の人達もきっと保健所に通報するのは忍びなくて
見て見ぬフリをしていたに違いないし・・・。
ということは、もし縁があればまたきっと会えるはず。
ここまで生き延びてきたあの子の運と、私との縁を信じてまた会えるのを待つことに。
こういうことは初めてだから、保護出来た時のことを考えて
テンパらずに動けるよう手順をメモっておいた。
☆近辺の保健所と警察に連絡をして迷い犬の届出がないかどうかの確認
☆なかった場合は動物病院に連れて行って一通りの検査
地元に動物保護のボランティア団体があるかネットで調べてみたら、
なんと市内にあった!これには感激!
一人で「保護してます」「里親探してます」のビラを配ったってたかが知れてる。
病院に連れて行った後、ここに連絡してみよう。
この手順で合っているのかどうかも分からないけど、とにかくこの子の命は繋がるはず。
それから数日後の先週の日曜日、
一人で散歩に出ていた旦那が慌てて帰って来た。
「いた!向こうの公園いる!!」
ワンコ、再び発見!
なのに、こういう時に限って私の具合が悪くて起き上がれない。
「保護しなきゃ・・・今保護しなくちゃ・・・」頭でそう思ってるのにどうしても体が動かない。
旦那も保護に失敗したらしく、「逃げちゃった・・・」と帰って来た。
その日の夕方6時半頃、旦那はベルのシッコをさせに玄関へ出て、
私は体調が戻ったのでサッパリしようと風呂へ。
風呂から出たら、何故か旦那がバタバタと慌てた様子。
「すぐそこにいるよ!」
なんと、再び発見!(ノ▽`)ミラコー
ベルにシッコをさせてたら、また道の向こうにいたらしい。
保護しようと近づいたらどんどん離れて逃げていってしまったので
おやつのクッキーとリードを持って後を追って、クッキーを投げたら逃げずに食べたらしい。
旦那が「おいで」と手招きしたら、一定の距離を保ちながらもちゃんと着いて来て、
しまいには手渡しでクッキーを食べるほど側に来る、と。
旦那、でかした!(屮゚Д゚)屮ヨッシャ!
この際、格好なんてどーでもいい!
パジャマ代わりのボロいスウェット姿だったけど、
そのままサンダルを引っ掛けて慌てて外へ。
玄関を出たらすぐワンコの姿が目に入った。
薄暗い中、道の真ん中にポツーンと立ってこっちを見てる。
ノラのわりに太めの豆柴。お尻の毛がむしれて皮膚が変色してる。
後ろから車が来ても、それに気付かないのか
固まったまま動かず、車の方が避けて通って行く。
・・・なんて寂しげな姿。
旦那が家におやつを取りに行ってる間に、
今度は私がある程度の距離まで近寄って手を伸ばすと、
威嚇するわけでも逃げるわけでもなく、立ち止まったままジッと動かない。
「噛まれるのを覚悟で抱きかかえるか?」迷ってるうちに
犬の後方からまた車が来たので、道の端に避けようと犬を促すが、
途中でピクリとも動かず・・・。
この車も犬を避けて通ってくれるだろうと思ったら
ワンちゃんの後ろで止まって動かない。・・・何でだ?
「すいません・・・(汗)」と思いながら手を伸ばして犬を促してると、
車の助手席から
「大丈夫ですか?」と、女性の声。
「うちの犬じゃないんですよ。でもねー・・・」
なんで私はこんなこと言ったんだろ。未だにわかんない。
「すいません」って言って通ってもらえばいいものを
わざわざ「うちの犬じゃありません」って通りがかりの車の人に説明した。
でも、後から考えるとこの一言がデカかった。
それを聞いて車に乗っていた若いご夫婦が降りて来たので
「あ、手伝ってくれるんだ!」と思ったら、ご主人の方が私に
「私たち、市内でこういう活動をしている者です」とチラシを1枚くれた。
「え?・・・嘘でしょ?(゚ロ゚ノ)ノ」
今思い出しても鳥肌が立つ。
なんとそのご夫婦、私が連絡しようとしていた動物保護をしてる
ボランティア団体の代表者の方だった。
県外の里親会に行った帰りに途中で車が動かなくなって立ち往生し、
代車で帰る途中だったとか。
戻って来ていた旦那にそれを説明すると、「なんていう偶然・・・」と絶句。
私が奥様と話をしている間に、ご主人の方がサッとワンちゃんを
抱きかかえて車の後ろのゲージに。・・・・・・さすだが(゚Д゚)
「預かりをしていただくわけにはいかないでしょうか」
奥様に言われたけど、とにかくうちはベルが「騒ぐ鳴く吠える威嚇する」の
とんでもない犬だから、仲良く出来る保証がないし、預かりたいけど数日で
返さなきゃならなくなるかもしれないし・・・。
偶然お会い出来たことに甘えて、何もせずに押し付ける形をとってしまった私たち。
「名前と電話番号をお聞きしておいてもよろしいですか」
と言われたので、奥様が差し出したメモ用紙に記入し、
目の前の我が家の場所を教えて
何かあったら連絡下さいと伝え、ご夫婦と別れた。