テレビのニュースで、今年の夏に旅行に出かける人が7千万人を超えると流されていた。

とても楽しげという光景が目に浮かぶ。

ところがそれからすぐに、学校が夏休みに入ると給食がなくなり、食事がまともにとれなくなる子どもが相当数出てくるという。そして栄養面でも不安があることから食料、子ども食堂の為に倉庫への搬入が始まったと言っていた。それは先ほどのニュースと比較することが出来ない程、暗いイメージに包まれる。

ある国の首相が、平和を繰り返し連呼しながらサミットに参加していた。ところがその国の議会では首相自らが防衛費を増額すると、そしてそれが平和への道だと訳の分からないことを真顔で話していた。

統合失調症という恐ろしい病気があります。

症状としては幻視、幻聴などが現れ、安定を欠き不安、憂鬱などにさいなまされたり、また暴力などをふるったり大声を挙げたりと様々ですが、何時も誰かに狙われていたり追いかけられているという感覚で、夜も眠れないというようなこともあるそうです。未だに明らかな原因が分からず、対処療法として投薬による治療などがあります。ただ原因など分からないことが多く、悪化することもあります。

ここからはあくまで私の推論です。

『起源語』とは、人が活動したり考えている時でも、血行などの代謝から派生されるエネルギーのことです。その起源語による情報は、乳児期には人間同士を体験的に結びつける大切な情報なのですが、理性的思考の発達とともに感覚系の情報を優先する機能の働きから、普段はあまり取り入れられることがなくなります。

この人の思考機能が発達する仕組みは、その代謝とともに遺伝的に伝えられています。ですから誰にでも備わっている機能です。

ところが先ほどのニュースのように、頭の中で整理が難しいものばかりを取り入れてしまうと、思考機能下での働きがその疲労から衰えを覚えることになります。

思考機能は基本的に情報などを取り込み、それらをそれまで得ていた知識や経験などで、それなりの結実をもたらせる、という仕組みです。それが相反する情報などをどのように整合させていくか、その間の作業はとても大変なものになるでしょう。年代により受け止め方は異なるのでしょうが、特に児童期はまだ理性的思考が未発達なので、そのままを取り込むことがあります。つまり頭の中に矛盾したものがそのまま残ってしまいます。

また成年期においては、その後の人生などを構築、計るために、ある程度の答えを要求することが必要とされます。それはそれ、これはこれ、などの一見器用と思われる考え方が難しい時期です。また大人として成熟した理性的思考を持つ人たちでも、現実的な世界で具体的にその思考を用いる際、二面性からかなり負担をおぼえるでしょう。

これらを総称して、脳内でのゴミ屋敷状態、といわれることがあります。

思考機能がこのように負担から疲労をおぼえたとき、どのような状態になるか、具体的な例を上げます。

テレビなどを夢中で見ていたりしていると、後ろ側に人の気配を感じてドキッとした経験がある人も多いでしょう。

つまり日常取り入れていない情報が思考機能下に入ることから混乱、困惑の状態になるということになります。

そして人間は思考機能下で分からない情報を取り入れると、本能的に不安を覚えて保身を図ることとなります。

統合失調症の症状を考えると、この不安の保身の強い状態とよく似ていると思います。

ですから家族などの心配などから派生される起源語が、分からない情報として捉えられることから、日常的に不安にさいなまされてしまうということになります。

起源語は遺伝的に言葉とともに伝えられるものですから、例えば『大丈夫』という言葉、それに伴う起源語は、普段は人を安定に導くのですが、この思考機能が疲労時混乱した状態では、その結びつきが壊れてしまうのです。

もしこの推測が当てはまるとすれば、人いきれが辛い、ということや、パニック障害等と呼ばれているものも起源語が原因だと思われます。

現代、情報は過剰ともいえるほど流されています。私たちが過去から遺伝的に備えてきた思考機能の仕組みではとても対応が難しくなりました。ただそれでも私たちは前を向いて歩いていきます。

次回は対応について考えてみます。