幸せの観察をしていた
クール・コヨーテは
自然と自分も笑顔になっていたことに
気がついた

(俺が自然に?愛想笑いしかしない 俺が?)

心に問いかけていた
自分でも解らなかったからだ

「そうか!これだ!」

無意識に笑える
料理にはその力がある

試験の料理はこれで決まった
うつむいていた顔は
前を向き
大きな声で
「ありがとうございました!」
厨房で働くコックと
料理を運ぶウェイトレスに
深々とお辞儀をした
テーブルには大量の金貨を置いて

クール・コヨーテの特技は
味をコピー出来る事
必要な材料はすぐに揃った
あとは試験の日を待つばかり
こんなに料理を作りたいと思った事は
なかった
試験の日まで何度もピザを焼いた
胸は踊っていた

そして試験の日がやって来た
昔より
少しだけ胸を張っている
クール・コヨーテがそこにいた
頭をあげるだけ
ただそれだけで
景色は変わる
新しい景色は
いつもそばにあったのだ