パープルヘイズは
一人で旅をしているが
一人ではなかった
肩にはピンクのウサギ
追いかけるのは
ピザ屋のコヨーテの
たどった道
それだけで良かった
パープルヘイズは機嫌が良いと
甘い匂いを体から放った
外見からは想像もつかない
甘い優しい匂い
その匂いに誘われて
蝶蝶が彼の回りを飛んでいる
「あれはなんだ?」
一人の男の子が叫んだ
「何か歩いてくるピンクのウサギをかついだ変な紫のやつ?」
好奇心の塊の子供達が恐る恐る近づいてきた
すると一人の女の子が

「ねーねーあなたはだぁーれ?」

パープルヘイズは声が出せない代わりに
紳士の振る舞いで
小さな女の子の前で片膝を付き
おじぎをした
「あら お行儀が良いわね うふふ」
すると小さな女の子も軽くおじぎをして
パープルヘイズに
小さな白い花をくれた
「礼儀には礼儀で返すのがレディよ」
鼻をツンとさせ
小さなレディは微笑んで
小さな白い花を
パープルヘイズの耳にかけてくれた
パープルヘイズは
また宝物が増えた