子が算数を好きになった理由は、親が教えなかったからというウソのような本当の話。



 

 高校生の時、国際科学技術コンテストで日本代表になり、メダルも受賞して、東京大学へ進学した子。

 

 小さい頃からとても算数ができたわけではありませんでした。




 得意だなと言えるようになってきたのは中3の後半頃から。


 



 その子が大人になって、過去をゆっくり振り返られるようになってから聞いた話。


 長くなりますがどうぞ指差し



黄金桃。頂きましたラブラブ


 子どもとお酒を飲みながら話していて、感謝していることのひとつとして言われたこと。


 過剰に干渉されないこと。


 成績はどう?

 友達はできた?

 いまは何しているの?

 どんなことしているの?等々

 

 友達は親から言われるらしいけど、うちの親は言わないねと。




 そこからなぜ口出ししないかの話になり、勉強の話にもなりました。



 子はどうも、勉強を自分で頑張ってきたという自負があるそうです。


 

 子どもだから、衣食住など周りに支えてもらったこともあるけれども、勉強は自分で頑張った成果だと言えると言い切りました乙女のトキメキ



 自分で切り開き実績に繋げられたと、本人が思う経験が持てて良かったと思う。


 嬉しかったです。





 

 親が横について管理していたのは小3くらいまで。


 

 基本、勉強は自分で頑張れが我が家のスタイル。


 なぜかって、理由は2つ。




 ひとつは、親も常にスキルアップを目指しているから自分にもすることがあり、子どもにばかり構っていられないから。


 もうひとつは、作られた能力では「出来る」人が集まる集団に所属すると、大変な目にあうことを知っているから。





 親も目標があり、日々、それに向き合っている姿を見せたのは良かったと思っています。


 うちでは自分のしたいことに取り組むのは当たり前。けれども、家族という集団なので、家族内での役割分担や団らんは参加必須というのが、暗黙のルール。



 子ども達は長らくリビングで勉強もし、私はいまだにリビング作業が多いですが、その横でお父さんはニュースを見て、続きの和室では誰かがゲームをしているというのもよくある光景です。


 家族と言えど、他人と自分ではしなければいけないことやしたいことのタイミングも生活の時間配分も違うから、みんなの時間も大切にしながら自分のことは自分で管理する。


たとえ他の家族が遊んでいても、目の前で楽しそうにしていても、自分のしなければいけないことがあれば、自分は自分のすることをする。


 だから、子どもに対しても入試やテスト前であろうが最低限の気遣いはしても、遠慮はしませんでした。

 




 

 コンサルにいた経験から、知識や教養がある勉強が出来る人をたくさん見ていて、そのなかに出来ない人が混ざると、とても辛いという場面を何度も見ました。


 持っている人というのは、とても大らかで寛容であり、仲間に入るのは容易いのですが、仲間に入っちゃうと同じレベルで交流しなくてはならず端々でつらい思いをすることがあります。


 

 万能な人ってたくさんいます。

 勉強が出来てかつ、音楽やスポーツの経験も豊富。人脈や人を引き付ける魅力を持っている人。仕切りや事務仕事が優れている人、文化や芸術にも聡い人。



 私は仲間に入って辛かった経験がある方なのですが、はじめは周りの人は恵まれていていいなと思っていました。

 でも、なかに入って仲良くなってみるとお膳立てされている坊っちゃん、お嬢さんはいず、みんな自分で努力して何らかを得た人でした。


 ふんぞり返って過去の栄光にしがみつき、スキルアップしていない人はいません。


 

 お金持ちであってもなくても、みんな自分流のノウハウや価値観や哲学を持っていました。




 追いかけても 追いかけても 追いつけないガーン

 

 でも、そのなかで自分に納得し、たくさんのものを得ていくなかで、コレだなと思うポイントがあり、その後の人生において、常にチャレンジする、新しい知識をつかむというのが信条となっています。




 この気持ちがないと、できる集団のなかにいると辛い。



 過去の栄光にすがって、何年経っても、出身校や出身大学を看板にしなければなりません。



 そういう人も、たくさん見てきて、子育てでは



 過剰な手助けはしない。

 勉強は自分で頑張れ。


 をモットーにしようと

 

 子が自分の道は、自分自身で切り開くのを待つようにしていました。

 



 これは、当時の子育てや受験業界のセオリーに反した考え方で、子育ては母親次第という風潮も強くあり、バッシングも受けましたが、同じような志の家庭もいました。


 

 子が自分で切り開くのを待つと、失敗もするし、上手くいかない時もあるし、子育てのコスパやタイパとしては無駄が多いかも知れませんが、


 私はそれが、いろんなことを楽しめていつも笑っていられる幸せな人生に繋がるのではないかと思っています。




 「自分で決めて、自分で考えて、自分で行動する」習慣を身につけで欲しいと思い、子どもを細かく管理せず、勉強も教えませんでしたが、


 

 それが良かったと子が言うのです。




サムネイル

 お母さんやお父さんの考え方、ものの見方、勉強の仕方は、お母さんやお父さんのものであって、自分のものではない。

 

 レールの上を歩くのは嫌だし、そもそも自分で見て聞いて考えて行動することが出来るし、自分の人生なのに、人に口出されると面白くない。


 完全に自活していないし、親子だから、子どもだから、自立してないからと言われると黙るしかないなって思うし、そうじゃなくて良かった。


 視野を広げていろんなことを楽しめるし、勉強もやりたくて頑張れる。


 まだまだこれからも頑張るよ!


 と言われて


 


 そうだった。

 自分もそうだった。


 親に進路や専門にしたい分野のことを口出しされて、クサってしまった気持ちを思い出した。


 扶養されているのだけれども、いつまでも親に沿うのが嫌だったわー。


 感謝の気持ちはあるのだけれども、自分と親は別のものであり、自分は自分のものだから。


 


 今まで出会った親子をみてきた経験と、自分の経験とで、


 幼児から小3までを重点的な対象とし、子育て支援プログラムを作り、学習指導も行う、今のスタイルを築いていきました。


 小3以降は自学自習が出来、自分で考えて、自分で決めて、自分で行動が出来るようにプログラムを組み、自分の力で自分のペースで頑張れるように支援します。



 手取り足取り準備して仕込んでもらいたいと思えば、そういう塾を活用すれば良し。

 


 

 こんな考えに賛同してくれる人は少数だろうなと思っていましたが、まぁまぁ人気もあり、毎年驚きますし、ありがたいです。



 また、こういったことを事業として受け入れ、させていただける経営者の方と巡り会えたのも、とてもありがたいことでした。




 全く手をかけない、見守っているだけというのも、よくないと思いますが、やり過ぎるのも良くないと思います。




 思い通りにはいかない。


 子どもを尊重したら、自分の思い通りにはいきません。


 子育てはそれが普通で当たり前なんじゃないかと思います。