【替え歌】一つ一つの前身頃 | 叙情夜話ブログ

叙情夜話ブログ

コバルト文庫・破妖の剣について語っています。ネタやレビューや考察など色々。
ネタバレがあるので未読の方はお気を付け下さい。
二次創作はこちら→http://nanos.jp/hayou/

一つ一つの前身頃
仕立て上げる日まで
型紙の途中で 今ミシンを買う

光る絹糸探し当てて
手に入れたあなたへ
届く上様のレシートと
また新しい紺の生地

保存してたあの会社のウェブサイトは
もう削除して大丈夫だね

二度と袖を通さないと決めてた着物は
あの日にちゃんと布に出来た

過去を振り向くより大事な
趣味の延長日に乾杯

一つ一つの肌心地
シャボン柄が舞って
見えない襦袢だから より綺麗に縫う

光る絹糸手繰り寄せて
導いたあなたへ
届く上様のレシートと
また新しい藍の生地


一度きりの成人には悲しみの顔は
似合わないなんて悩んだっけ

レトロチックな帯を解いて
洋服を買えば
いい事あると諭されたけど

どんな業者よりも最後は
自分を信じられるから

一つ一つの前身頃
いつか嫁ぐ日まで
振り袖にしたいから 即ミシンを買う

目の前にあるガードルは
太る前に着たい
だから仮初めのデザートは
噛むほど苦い砂の味

一糸一針前身頃
仕立て上げる日まで
仮縫いの途中で 今ミシンを買う

繊維街を探し抜いて
手に入れたあなたへ
届く上様のレシートと
また新しい紺の生地