ミランスvs奪還チーム③ | 叙情夜話ブログ

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コバルト文庫・破妖の剣について語っています。ネタやレビューや考察など色々。
ネタバレがあるので未読の方はお気を付け下さい。
二次創作はこちら→http://nanos.jp/hayou/

トントントン。
まな板の上でチョコレートを刻むラス。
ラス「つ…」
包丁で指を切る。(お約束)
闇主「不器用な奴だな。──どれ」
ラスの指先を口に含む闇主。
ラス「あ、闇主!それは血じゃ──」
指に付着したチョコレートを舐める闇主。その舌が段々と下の方へ行く。(お約束その2)
ラス「や、やめ…」
闇主「んー?なんだって?」

スラヴィ(馬鹿みたい…)
チョコを作るため厨房を借りようとしたスラヴィだったが、先客がいたので踵を返す。
スラヴィ(マイダードはあんな事しないわよ)←当たり前

チョコの材料と不安材料を抱えて、自分の部屋に戻るスラヴィ。ベッドに突っ伏す。
初対面の時のミランスの言葉が、頭の中をぐるぐる回っている。
値踏みするような目でスラヴィを見て、一言。

───後ろにいる男性は、あなたの恋人?

嫌な予感はしていた。
しかしまさか、本当に言い出すとは…。

───もし、決まった人がいないのなら、私の息子に会ってくださらないかしら?
───スラヴィエーラ殿より年下ではあるけれど、しっかりした子だから…。
───あなたにとっても悪い話ではないと思うの。


スラヴィ「あの狸婆…」
うまい手を使ったものだ。断れば、彼女はここには居辛くなる。
スラヴィ(マイダードたちとも気まずくなる……って、これは自惚れかしらね)
床に転がっている、溶かせなかったブロックチョコを、じっと見つめる。
スラヴィ(そうよ。あいつらは、ラエスリールが好きなんだもの。わたしのことなんて、別に…)

夜は更けていく。