ノボの生き活きトーク 57号: 藤代清治の世界 | 生き活きノボのブログ

生き活きノボのブログ

ブログの説明を入力します。

 藤城清治という画家をご存じですか? ノボは知りませんでしたが、娘の衣里は児童文学に興味を持っており、昨年春、那須高原に開館した『藤城清治美術館』を訪れたいというので、一昨日行ってきました。何でも、藤城は影絵で広く知られているそうで、『暮しの手帳』などの雑誌にも影絵を連載していたとか。

 影絵と言えば、油絵や水絵画などと異なり、ノボは、なぜか童話の世界を連想します。まさしく、藤城清治美術館は、ほぼ影絵で占められていました。1924年生まれの藤城は今年卒寿(90歳)を迎え、なお、カクシャクとして創作に励んでいるといいます。勿論、当初の影絵作品はモノクロの世界でありますが、テレビが白黒からカラーの世界になったように、やがてカラーになります。白黒の世界を経由してカラーの世界に足を踏み入れた時、色彩の、ただそれだけの美しさにでさえ、感嘆します。藤城は、その色彩をうまく使って、童話などの世界を印象的に描いており、影絵を描く際に、猫、小人、小動物、少女、そしてピアノ、ヴァイオリン、チェロなどの楽器をうまく取り入れていると思いました。

 藤城は、影絵とともに、様々なメッセージも発していましたが、影絵によって動きのある画面とし、そこに生きることの喜び、暮らしを楽しくしたいという想いがあるように思えます。ノボは、そのことにさえ、感動しました。子供から大人に成長し、そして第一線を退く年齢になっても、ノボの内は、幼稚さ、無邪気さで相当に満たされています。そのノボの内なるものに、影絵が美しく、空想の自由の翼で迫ってくるのです。そして、そこには、音としては聞こえないが、視覚的に音楽さえ流れているのです。もし、聴感的な音楽を流すとすれば、シューマンのピアノ小曲でしょうか。

 生きている今という時間を素直に見つめ、その現実から生きているささやかな喜びを噛みしめることができれば、幸せですよね。巡りくる季節の新鮮さ、時節時節の催しや祝い、身の周りの様々な生き物、心置きなく接することの出来る人々とのお喋り、それらの現実世界に生きる楽しさが味わえればいいな、とノボは思っていました。その想いで、このノボの生き活きトークも書いていますが、藤城の影絵を見ているうちに、非現実の世界、空想、想像の世界に遊ぶのも、また日常の生活をイキイキと、そして豊かにすると、再認識しました。

 そこで、ノボの勝手な空想や情念、願望の世界を、気ままに文章にしてみようかという気になりました。それは、非現実的な世界であり、矛盾や現世的な正確さに欠けるかも知れませんが、それでも、一瞬、楽しい世界に遊ぶことが出来れば、いいと思いますね。90歳にもなる藤城でさえ、童心を湛え、とても老人が描いたとは思えない、造形と色彩の斬新な影絵を、今でも創作しています。ノボも、その精神に負けられません。

 (平成26年8月15日)