「カントリーロックにおいて、あなたが名盤だと思うアルバムを5枚選挙げなさい。」
こんな問題がテストで出たとしたら、あなたなら何と答えるでしょうか?
私の場合、4枚目までは、何も考えずに選出することが出来るのですが…
まず1枚目から3枚目までは、教科書どおりのアルバムを。
当然、文句はないでしょう。
誰もが通る道。これを聴かずしてカントリーロックを語る事なかれ。
金字塔中の金字塔。
全てはここから始まった。
ザ・バーズ関連のアルバムばかりになってしまい申し訳ありません。しかし、このアルバムを外すわけにはいきません。これも金字塔中の金字塔。カントリーロックの申し子グラム・パーソンズの世界を堪能出来る素晴らしいアルバム。文句なし。
またまたザ・バーズ関連のアルバムになってしまった。しかしながらこのアルバムを外すなら、このテストを白紙で出すのと同じこと。ザ・バーズの孤独詩人ジーン・クラークがもう一極のカントリーロックを打ち立てた名盤中の名盤。ブルーグラスとロックが最高の形で交わった奇跡のアルバム。
そして4枚目は、私の最も好きなカントリーロックアルバムを。
前述のアルバム3枚が60年代後半のカントリーロック創成期のアルバムであったのに対し、こちらは70年代初めのカントリーロック成長期のアルバムであるといえるだろう。カントリーロックにおけるペダルスティールギターの重要度を最もよく表している素晴らしいアルバム。当然のことながら、楽曲はどれも最高でオリジナル曲とカバー曲のバランスも文句なし。やはり、私が好きなカントリーロックのアルバムにはカバー曲はかかせない。
さて、ここまでの4枚は何も考えずに決めることが出来た。
しかし、最後の1枚を決めるのは本当に難しい。
カントリーロックという概念を壊してはならないわけだから、所謂、ウエストコースト・サウンドとは切り離して考えなければならないわけだ。
前述の4枚はどれも個性溢れる素晴らしいアルバムだった。
当然、最後の1枚もそうでなくてはならないわけで…
う~ん…難しい…
候補としては、
バンド・スタイルにこだわるなら南部の香り漂うこのアルバムを。
個性的で決定的名曲も収録されており文句はないのだが…
言わずと知れた名盤。私の好きなタイプのカントリーロックではないが、60年代後半のカントリーロック創成期を語る上て決して避けては通れないアルバムなのだが…
ディラード アンド クラークに参加したダグ・ディラードに代わり前作よりメンバーに加わったハーブ・ペダースンの魅力が満載の素晴らしいアルバムなのだが…
前作から、自身のルーツであるカントリーやブルーグラス的要素を取り入れ原点回帰を試みたジェリー・ガルシアが、遂に本格的なカントリーロックアルバムを完成させた。西海岸のもう一つの顔グレイトフル・デッドの最高傑作が悪かろうはずはないのだが…
ソロ・アルバムを良しとするならば、
◯Linda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット 1972年)/ Linda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット)
後のイーグルスがバックバンドで、カントリーの名曲カバーのオンパレードとくれば、悪いはずはないのだが…
◯Pieces Of The Sky(緑の天使 1975年)/
グラム・パーソンズとの出会いによりその実力を開花させたエミルーの5年振りのセカンドアルバム。グラム・パーソンズ アンド ザ フォーリンエンジェルのメンバーにバニー・リードン、ハーブ・ペダースンら実力派をバックに素晴らしい歌を聴かせてくれる傑作だが…
西海岸のカントリー、ブルーグラスロック界伝説の巨人ラリー・マーレイ唯一のソロアルバム。前述のスワンプウォーターなども参加。名曲多数収録。大好きなアルバムなのだが…
こうやって、ソロアルバムを選びだすと、当然のように、
や、
を挙げないわけにはいかなくなってくるし…
う~ん…
いろいろ考えた挙句、結局最後はこのアルバムになってしまう。
ご存知、カントリーロックバンドの元祖インターナショナル・サブマリンバンド唯一のアルバム。カントリーロックの始祖グラム・パーソンズが自身の脳内構想を初めて具現化した実験的アルバムであり、完全な形で表現するには、まだ少し時を待たなくてはならないのだが、もし、このアルバムがなかったなら、前述の
①Sweetheart Of The Rodeo (ロデオの恋人)/ The Byrds(ザ・バーズ)
や、
②The Gilded Palace of Sin(黄金の城)/ The Flying Burrito Brothers(ザ・フラング・ブリトー・ブラザーズ)も存在していなかったかもしれないわけで…
やはり歴史的重要度において、このアルバムを選ばなければならないのであります。
結局、どこかの雑誌のカントリーロック特集に掲載されてるようなアルバムばかりになってしまい大変申し訳ないのだが、やはり、王道なくして脇道はあらず、メジャーがあってマイナーがあるのだ。
先ずは王道を制覇し、それから自分なりの旅に出るのが、聴き手としての最良の方法ではなかろうか。
そこで次回は、マイナーカントリーロック特集をやろうと思います。
乞うご期待。