本日、日大アメフト部の練習に
宮川泰介選手が復帰しました。
この件がどれくらい詳しく正確に
報道されるのか分からないので、
(部分的に報道されると思うので…)
私の把握する範囲の事柄すべてを
ここに書きます。
特にアメリカンフットボールや
日大フェニックスや宮川くんのことを
大切に思う人たちには、
可能な限り正しく事実を
知っていただきたいと考えています。

まずは本日の動き。
夕刻からの全体練習が始まる前に
新監督の橋詰さんがメディア各社の
取材に応じる(記者会見ではなく囲み取材にて)
という旨、各社宛に知らせがありました。
予定通りに16時30分に橋詰監督が
グラウンド脇の施設の一室に姿を見せ
選手とのミーティングが始まるまでの
30分間、取材に応じました。

冒頭、橋詰さんは丁寧に話し始め、
取材の案内が急になったことへのお詫び、
また30分間の監督への取材のあとに
選手のミーティングが行われる間に
報道陣が待機できる場所の説明、
その後17時45分から始まる全体練習の
最初の15分間はグラウンド内の撮影が
可能であること等々が伝えられました。

日大アメフト部が、
これまで出来ていなかった部分である
メディア(=世の中)への対応を丁重に行った
という印象がありました。
これだけでも"変化"だと感じました。

そして橋詰監督は、
宮川選手が練習復帰に至った経緯を説明。

-以下:橋詰監督の説明と質疑応答の要旨-

8月中旬に宮川選手と話をする機会を持ち、
その際は、
宮川選手から復帰希望の意思表示はなく、
チームメイトに謝罪をさせてほしいと
お願いがあったとのこと。
宮川選手は5月の記者会見でも述べたように
自分にはアメフトをやる資格がないと言った。
その話し合いのなかで、
監督は宮川選手が自らチームに戻り、
再建に貢献するべきではないか?と考えた。
ただ単に選手復帰するのではなく、
チームとして選手が再び成長できるように
迎え入れることが必要で、
20歳の青年が好きなことに打ち込める環境を
奪いとるべきではない。
宮川選手が居る限り、他の選手たちも皆、
過ちを忘れないし、自分達がどうあるべきか
問い続けることができるはず。
今季はチームがリーグ戦に出ることが出来ず、
来季は(1部リーグ上位の)TOP8ではなく
(1部リーグ実質9位~16位の)BIG8からの
スタートとなり、日本一を目指せないことに
なるが、橋詰監督が掲げる「日本一に相応しい」
チームになるべく活動に、順位に関係なく
取り組むことが大切であるとメンバー達に
日頃から話している。宮川選手にもその力に
なってもらいたい。チームメイト達からも、
それを望む声があり、彼を守れなかったことに
ついても後悔の念が残っている。
関東学生連盟にも問い合わせをして、
宮川選手がチーム活動に復帰することに
問題がないことを確認できた。
また、(反則行為を行った試合の相手である)
関西学院大学アメフト部の鳥内監督にも、
電話をして経緯を説明し、
「ええんちゃう?」という回答を受けた。

選手たちを中心に計画し、
ルールを守ることの重要性や
フェアプレーの意義を学ぶ取り組みを
スタートしていて、今後継続していく。

-以上:橋詰監督の説明と質疑応答の要旨-

橋詰監督は、話が得意な方ではありませんが
ひとつひとつの質問に対して、
何かに囚われることなく、
まっすぐ丁寧に回答をされていました。

全体練習開始の時間となり、
待ち構える報道陣の前に選手たちが現れます。
全員が防具とヘルメットを装着しているなか、
宮川選手はヘルメットを外して顔を見せ、
報道陣に向かって深々と一礼。
(これは自身の判断だったと思います)
そして、チームメイトの待つ輪(ハドル)の
中心に入っていきました。

宮川選手は、
自身の決意を翻してチームに復帰することに
ためらいがあったとコメントしています。
アメリカンフットボール界や、
関西学院大学の選手に対する謝罪の念も
あらためて表していました。

日大フェニックスと宮川選手が、
あらたな歩みをスタートした日になりました。
もちろん、
これで何かが解決したわけではありません。
彼らは新しい指導者のもと、
これまで以上に責任と使命を背負い、
自らを磨き続けなければなりません。
それは、
いまのフェニックスにしか経験できない試練。
しかし、乗り越えたときに得られるものは、
ひときわ大きな財産となるはずです。

ただ、
もう一度、振り返っておきます。
あの反則行為でタックルを受けた選手が
致命傷にならず、いまも元気にプレーが
出来ているのは本当に幸運なことでした。
このことは、
アメリカンフットボールに関わる人々、
また、今回の事象を知る人々のすべてが
決して忘れてはならないことです。