では、後編のつづきです。
この更新で、
チーズバーガーの話は完結します。
 
前回の更新でお伝えしたように、
一般的に推奨されている
PFCバランス「4:3:16」
(注:前回同様に質量ベース)
この比率を、
平均的な成人男性の
1日の適正摂取カロリーとされる
2,000kcalに当てはめると

P(タンパク質):87g

F(脂質):30g

C(炭水化物):347g

 

これに対して、

チーズバーガーの

PFCバランス「6:5:10」を

同じように当てはめた場合は、

 

P(タンパク質):108g

F(脂質):90g

C(炭水化物):180g

 

この差を眺めてみて、

どういう印象をお持ちでしょうか。

 

チーズバーガーのほうが

脂質を3倍も採っているので、

やっぱり太りやすいという

イメージが湧くかもしれません。

 

 
お伝えしてきた話は、

PFCバランスのみに着目して、

内容をシンプルにしているので、

ちょっと極論に近いことを言いますね。

 

上記の2通りの数値を比較して、

最も差が大きいのは炭水化物の量です。

このあたりで、

すでにお気づきの方もいらっしゃる

かもしれませんが……

 

炭水化物が体内に入ると、

血糖値が上がります。

 

血糖値が上がると、

膵臓からインスリンが分泌されます。

 

このインスリン、

高血糖症などの患者さんが

治療をするときに投与するという

イメージをお持ちの方も多いでしょう。

 

なんとなく、世の中では

血糖値が上がることは

良くないことだ、とか

インスリン分泌を抑えると

ダイエットができる、とか。

そういう風に認識されがちかと。

 

でも、血糖値は、

上げる必要があるから上がり、

インスリンは、

必要だから分泌されるわけです。

カラダはどんなときも、

必要なことをやろうとする、

きわめて素直なものなんですね。

 

 

インスリンは、

栄養素を全身に運ぶための船です。

その船が、

血管という流通網で、

血液と供に体内を巡るわけです。

 

炭水化物を多く摂取して、

血糖値が上がるほどに、

船の数が増えていきます。

 

せっかく摂取した大事な栄養を、

どんどん入港してくる船に載せ、

片っ端から送り込んでゆく。

 

PFCバランス「4:3:16」の場合は、

その状況になりやすい。

 

対して、「6:5:10」

また、チーズバーガーのように

他の多くの栄養素と同時に

炭水化物を摂取したときには、

血糖値の上昇が

ゆるやかになると言われていて、

すなわち、

船の入港が遅れてくることになる。

 

タンパク質や脂肪という

荷物がたくさん港にあるのに

肝心な船が遅れて来るうえに、

最終的に船の数が少ない。

 

そうなると、

カラダは「本当に必要なもの」を

優先的に船に載せていこうと

必然的に考えるわけですね。

エネルギーを供給すべきときには糖質を、

肉体組織のダメージ修復や

疲労回復が喫緊課題のときにはタンパク質を。

その双方でもないときは、

貯蓄性の高い脂肪を。

それぞれ優先的に選択して

船に載せるという判断をするでしょう。

 

そして、船がなくなれば、

運ぶ手段が尽きる。

荷物は港に残ったまま

やがて廃棄されることになります。

 

これらの要素を踏まえると、

"普通のチーズバーガー"が、

そのイメージに反して、

決して太りやすい食べ物ではないことが

お分かりいただけるかと思います。

 

ちなみにですが、

たとえばチーズバーガーに加えて、

甘い炭酸飲料とポテトフライを食べると

「6:5:10」だったものが、

「6:9:25」ほどに成り代わります。

港には船が余って

停泊できちゃいますね・・・。

 

全体的に話をシンプルにしたので、

極論的な部分もありますが、

 

チーズバーガーを食べ続けて

体重が減った理由。

僕自身、

身をもって実感した次第です。

 

口から入ったものだけが、

カラダを作り、カラダを変えます。

それだけは間違いないですね。