【テーマ】
『ハイエンドモーターだからこそ生きるセッティングの自由度』
「ハイエンドモーターって高価だけど、エントリーモデルと何が違うの?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 分かりやすい違いを挙げると、主に以下の3点があります。
· 進角調整機能が付いている
· モーターケースが肉抜きされている
· 耐熱性の高さ
では、なぜハイエンドモーターはこのような構造になっているのでしょうか?
「進角調整」「肉抜きケース」「耐熱性の高さ」それぞれのメリット・デメリットについて。
それぞれの特徴には、明確な理由があります。
【進角調整機能】
· メリット: 進角を調整することで回転上昇率や最高回転数を任意に変更できる。
· デメリット: 進角を上げすぎると過負荷になり、過剰な発熱や破損のリスクが高まる。
【肉抜きケース】
· メリット: 高い冷却効果が得られる/デザインが格好良い/軽い。
· デメリット: 内部に砂・ホコリ・パーツなどが侵入しやすい。
【耐熱性の高さ】
· メリット: 追い込んだセッティングでも熱ダレしにくく、性能低下が起きにくい。
· デメリット:構造や材質など、製造時の手間とコストが高くなる。
今回は、この中でも特に重要な 「冷却」 にスポットを当てて解説します!
なぜエキスパートドライバーはクーリングファンを積むのか?
競技会に参加するほとんどのドライバーは、進角調整ができるモーターを使い、さらにクーリングファンを搭載しています。これにはドリフトRCのセッティングにおける 「ある大きな矛盾」 をクリアする狙いがあります。
セッティングの重要ポイントは以下の3つです。
ポイント1:ターン数は 「小さければ良い」 わけではない
回転数は高ければ高いほど良い、というわけではありません。扱いやすさや扱い切れるパワーバランスを考慮し、多くの方がターン数の少ない(ハイパワーな)シングルターンではなく、13.5Tなどを選択しているのがその裏付けです。
ポイント2:加速時は「ローパワー」にしたい
ドリフト走行ではタイヤが滑るため、立ち上がりや加速時にパワーがありすぎるとマシンコントロールが難しくなってしまいます。
ポイント3:全開時は 「ハイパワー」 にしたい
一方で、トップスピードに乗った全開域では回転数が高い方が高度な走りを実現しやすくなります。例えば 「クイックな振り出しや振り返し」 や 「操作による荷重移動」 が格段にやりやすくなり、実車のように 「アクセルを踏み込むほど強いGを感じる走り」 が可能になります。
矛盾を解決する鍵は 「進角調整」 と 「冷却」
お気づきの通り、ポイント2(ローパワー)とポイント3(ハイパワー)は真逆の要求です。
この矛盾を打ち消し、自分にとってベストなセッティングを見つけるために、モーターの進角やESCの進角 (ブーストやターボ機能) を細かく調整していきます。
しかし、ハイパワーを追求して進角を上げていくと、必ず 「モーターの発熱」 という壁にぶつかります。
ここで活きてくるのが、冒頭で挙げた 「肉抜きケース」 や 「クーリングファン」 です。しっかりと冷却して熱ダレや破損を防ぐことで、初めて 「ローパワーとハイパワーの両立」 という究極のセッティングを攻めることができるのです。
この相反する要素を高い次元でまとめることこそが、より 「ハイレベルで、カッコよく、幅の広い走行」 を楽しむ一番の近道となります。
広坂正美のワンポイントアドバイス
♪ハイパワー
それを生かすは
ローパワー♪
「ハイパワー」 なセッティングを乗りこなす真のキモは、実はゼロスタート(走り出し)をいかにスムーズに加速させるかにあります。しっかりとスピードに乗せるセッティングと繊細なドライビングテクニックがあってこそ、ハイパワーの真価が発揮されます!
参考までに、ジーフォースからリリースしているハイエンドモデルは、「不知火 (SHIRANUI)」 と 「青龍 (SHORYU)」 があります。
特に 「青龍」 は、モーター内部にクーリングファンを標準搭載した設計になっていて、より発熱しにくくタフで安定したハイパワー走行をサポートします!
これにて 「モーター編」 は終了です。セッティングのヒントになりましたでしょうか?
今後もドリフトに関しての解説を続けていきますので、ぜひ次回もお楽しみに!










