お久しぶりです!!
新型コロナウイルスについて、台湾の対応が世界の模範となっています。
台湾のコロナ感染者数が2日連続でゼロ人を記録しているのです。
累計感染者395、新規感染者0。
これはすごい。
で、台湾の防疫体制について、僕も台湾留学時代に思い当たる節があるので、ここに記しておきたいと考えております。
↓本題に入る前に、まずはダイジェスト版をご覧ください。詳細を短めにまとめてあります。
今回は私が麻疹と風疹の誤診を受けた経験を基にお話しします。
まあ、結果的に誤診は誤診(泣)なのですが、その過程で台湾の優れた防疫体制を知ることになったのです。
結論から言うと、台湾は防疫観念がものすごく優れているところだということです。
おそらくダイヤモンドプリンセス事案も台湾ならもっと優れた対応が出来たと思います。
(政府の対応はさておき、日本の検疫関係者の皆さんは最善を尽くしてくださいましたし、クルーの奮闘も涙なしには語れません。感謝の気持ちでいっぱいですが)
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舞台は、スペースコロニーへの宇宙移民が始まって半世紀あまりが過ぎた未来世界・宇宙世紀0079年。
↑それは ガンダムだろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
間違えた。2019年5月。
台湾生活1カ月目のある日、全身がかゆくなってしまい(結論から言うと、原因はハウスダストアレルギーでした)
一度クリニックの診察を受けたものの好転せず怖くなり、慌てて台北の病院の夜間救急に駆け込んだ時の頃です。
(※病院の名前は伏せます)
医者「この見た感じは…麻疹か風疹…ですね」
僕「それはないと思います。MR(風疹麻疹混合)ワクチン2回打ちましたよ」
※ワクチンを2回打てばほぼ100%抗体が出来ます
医者「…???いや、まぁ、はしか…ですね。はしか…じゃないかな。うん。はしか。」
↑誤診を受けた際にもらった(wwwwwwwwwwww)診断書です。
麻疹未伴有併發症
(麻疹。併発した病気なし、とあります)
その後の対応たるや、ものすごく手際のよいもの。
すぐに5人程度の看護師に囲まれて外科用マスクを渡され、採血をされました。
明らかな誤診であり、私の頭の中は「?????」でしたが、とにかくこの時保健所に連絡が行ったのだと思います。
翌日は念のため学校を休み、「はしかなのかな、どうしようか」と考えていると保健所から電話が。
・・・・・・
「〇×区保健所の者なんだけど、あんた『どぅーぐぉまーぜん』かもしれないから、ここ1週間の行動を教えてもらっていい?」
中国語単語をある程度詰め込んで渡航したつもりですが、「どぅーぐぉまーぜん」が何なのかさっぱりわかりません。
はしかは「まーぜん」、風疹は「ふぉんぜん」で覚えていました。はしかの仲間…?
調べてみると、
「德國麻疹」と書き、直訳すればドイツ麻疹、台湾ではこれを風疹と呼ぶそうです。
麻疹か、風疹かさっぱりわかんねぇ!!!
そもそもワクチン打ってるし!2回!!!
とにかく、明らかに昨日の診断(誤診)のことを言っているのはわかります。
「えぇ?僕はワクチンを2回打ちましたし、1週間の行動記録を言わないとだめですか?」
「結果が出ない限りは調べないといけないの。全部思い出して」
え!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
全部言うのかよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あんたは 東北大学 川島隆太教授かよ!!!!!!!!!
↑このお方です
とにかく、言いました。
「日本にいる時にMRワクチンを2回打ちました。MR vaccine。それに、今思い出すのは無理です。ごめんなさい。」
「…わかった。また明日電話かけるから。絶対行動記録を整理しておいて(半ギレ)」
この時はまだ、楽観視していました。
「どうせ、誤解に気づいた病院が訂正の電話を入れてくれるだろう(ドラえもんが何とかしてくれるだろう、的な)」
しかし、そこは防疫先進国台湾、甘くなかった。
翌朝8時、電話が鳴りました。
・・・・・・・・・・・・・・・「(さすがになんとかなってるし、保健所じゃないっしょ)もしもしはやたろうです」
「〇×区保健所のものだけど」
えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ま た あ ん た か よ!!!!!!!!!!!!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
WHY!!!!!! 台湾の 病院&保健所!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
やっぱ俺が説明すんのかyo!!!!!!!!!!!!!!!!!!wwwwwwwwwwwwwww
しかし僕も馬鹿ではありません、こういうこともあろうかと一週間の行動記録を整理しておきました。
「お!!!!☆☆さんですか!!!俺!!ちゃんと整理しましたよぉ!!!言いますね!(戦闘準備完了)
先週の!月曜日は!9時に!学校に行って!12時に!ひるごはんを!」
「…あのね、そうじゃないの。
何番のバスに乗った?それでどこのレストランでご飯を食べた?その後言語交換したんでしょ?どこで?何時まで?その友人はどこの大学生?」
いや!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
バスの系統とか、レストランの名前とか、そこまでは覚えてない!!!!!!!!!!!!!!!!!!1
第一!まだここきて1ヶ月経ってないから!!!!!!!!!!!!!!!!!
それでも頑張りました。可能な限りの情報を、正直に。
「ごめんそこは覚えてないです」
「なんでやねん!はやたろうさん!」
このやり取りを何度繰り返したことでしょう。
しかし、相手は信じてくれません。病院の誤診をもとに身辺調査をしているからです。
しかたなく、保健所に許可を得て、私が信頼している、台北の北にある天母のクリニックを訪れました。
※このお医者さんに私は命を救っていただいた、と考えているため、今後「グレート」さんと呼称します。
もちろん、感染防止のため、マスクは完全に着装、移動はタクシーです。
↑日本人学校(日僑學校)のあたり一帯が天母です
そのグレート医師のもとを訪れようと、バスを降りた瞬間!!!
・・・・・・・・・・・・・・
電話が鳴りました。
さっきの〇×区保健所ではありません。台北市の直轄保健所です。
もう一度言います。台北市直轄です。
・・・・・・・・・・・・・・
ええええええええええええええ???????
いつのまに 大ごとに??!!!!!!??
「〇×区の保健所から連絡がありました。あなたに麻疹か風疹の疑いがあります」
僕「ああ、あの件ですね。日本にいた時にワクチンは2回打ちました。抗体はできているはずです。とりあえず、今信頼できる天母の〇〇クリニックを訪ねるところだから、少し待っていてください」
と伝え、電話を切りました。
しかし…
クリニックに着いてからというもの…
僕の携帯は鳴るわ、はたまたクリニックに電話かかってくるわの大騒ぎ。
おそらくものすごい使命感だったのでしょうが、当時は僕もお医者さんも
「診察してるから!!!!!!!」で押し通して電話を切り、応戦していました。
とにかく、僕が麻疹、風疹ではないことを証明すればいいわけです。
クロスチェックのために、このお医者さんの友人の勤務先、台北市連合医院でも診察をしてもらうことにしました。
当時、私は中国語会話が上手くなかったため、
僕⇔その友人さん⇔グレート医師 を電話でつないでトライアングル診察です。
やはりその友人医師も「これは麻疹でも風疹でもないよ。」とのこと。きちんと診断書ももらいました。
↑後日もらった診断書です。
過敏性紅斑(アレルギー性発疹)、
沒有傳染性,可正常生活。
(伝染する恐れはないので、日常生活を送ってよろしい)。
血液検査をし、帰宅。もらった薬を飲むと、あっという間に発疹は消えていきました。
1週間後には血液検査でも陰性。
保健所からも「精密に鑑定したら陰性だった。」という意外にもあっさりした電話が来て、この騒動は収束しました。
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台湾渡航以来最大の危機だったのですが、
同時に、
・台湾の「伝染病を絶対に流行らせない!」という意識の高さ
・台湾人の優しさ
・諦めない心の大切さ(一時期心が折れそうになりましたが、諦めなくてよかった)
を学びました。
別に私の経験が何かの役に立つわけではありませんが、昨今の台湾の優れた対応(※特に保健所)の様子を鑑み、ぜひその一例を示しておきたかったのです。
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最後に、お世話になった保健所の呉さん、王さん、グレートお医者さんの柯先生、連合医院の許先生、そして保険会社の方に心より御礼を申し上げます。
早くコロナが収まり、また台湾に行けますように!行きたい!!!!!