ビフロストの橋 | Life is good!

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たわいも無い日常・趣味と旅・柴犬カムイ・先代犬虎太郎のこと

おことわり…

今回は、私と妻が犬の安楽死を目の当たりにした事、それに伴う思うことについて書かせて頂きました。
「愛犬の死」と言う悲しい内容となっていますので、気になる方、忌み嫌う方はお読みにならないことをおすすめします。


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それは、2002年12月の中旬…虎太郎が我が家に来てまだ2週間も経たない頃のこと…
私と妻は、虎太郎の8種予防ワクチン摂取のため、動物病院に虎太郎を連れて行きました。
待合室には、服装や雰囲気から、農家のお母さんかな? と言った感じの60歳くらいの女性がひとり、患畜の姿は、見えませんでした。
その女性は、隣に座った妻の胸に抱かれた虎太郎を「めんこい(可愛い)ねぇ」と、優しそうな笑みをうかべ見つめているのですが、その表情はどこか悲しそうなのです。

しばらくして診察室から先生が現れ、その女性に「○○ちゃん(犬の名)どうですか?」と犬の容体を聞いた瞬間、その女性は、辛そうに「先生、もうダメです」「もう、可愛そうで見てられないんです」と涙目に訴えました。
先生もどこか困惑したような悲しそうな面持ちで「わかりました、わかりましたよ」「お車で待っていて下さい」と言って一度診察室に戻りました。

病院前に駐めた車に戻る女性… それをガラスドア越しに目で追いかける私たち夫婦… そして、ステンレスのトレーを抱えて女性の後を追いかける白衣の先生…

女性が車の後部座席ドアを開けると、そこには、白い北海道犬とおぼしき犬が横たわっていました。

白い犬は、年老いているためか、はたまた病気のためか動けないようで、女性に呼びかけられても起き上がることはありませんでした。
そして先生は、犬の頭を数度撫で、女性何か言葉を交わした後、トレーから注射器を取り出し白い犬に向けました。

その瞬間、私と妻は、「あのお母さんは、愛犬の安楽死を選んだ」とを察しました。

先生が注射した直後、女性は犬をぎゅうっと抱きしめ、泣きながら頬ずりを続けていました。
先生も声を掛けながら犬の頭を撫でていました。
白い犬が息を引き取って先生が離れても、女性はいつまでもその犬を抱きしめて泣いているのでした。


虎太郎が生まれて2ヶ月が過ぎた頃の話です…
とても印象強い思い出のひとつです。
それだけに思うことがいろいろとありました。

あのお母さんは、愛犬の苦痛な様子が可愛そうで安楽死を選んだんだろう…
でも、なぜひとりで愛犬の安楽死に来たのだろうか?
家族で看取ることはしなかったのかな?

将来虎太郎が死ぬ時、私は看取れるだろうか?
と、その白い犬と虎太郎を重ねてみてしまい、涙が浮かんできました。

後になればなるほど色々な思い、想像が浮かんできます。
何よりも、将来虎太郎が病気になり、苦痛を伴うことになったら安楽死を選ぶだろうか? なんて事を考えずにはいられませんでした。


私自身安楽死については、代替えのない場合における、ひとつの命の幕引きの方法だと思っているので、そのお母さんを非難できません。
(もちろん看取るまで看病・介護を続ける方も大勢いますし、愛情ある事だと思っています。安楽死については、賛否両論…宗教観や経済観、愛犬の感情論等から様々な考え方があるので、安楽死の是非については、その手を問うサイト等で願います)

ただひとつ言えるのは、犬を飼うことに責任を持つと言うことは、愛犬の最後の刻まで一緒に過ごし、愛犬の死を受け止めることだと思います。
安楽死を目の当たりにしたことは、貴重な経験と思っています。
もし将来虎太郎にその時が来たら、正しき選択を採ろうと思います。
Life is good!-虹の橋
誰しもいつかあの橋を渡るのさ…
(父ちゃんも元気にぽっくり逝きたいものです)