今年最初の更新です。遅ばせながら本年もよろしくお願い申し上げます。
昔の市民文化祭のビデオが出てきたのでYouTubeにアップしております。
当時は公演日に予約を受け付けて販売しておりまして、今はDVDに引き継がれています。
しかしながらビデオ時代の物は劣化が進んできておりまして、ここでデジタル化。
権利上は八王子祭囃子連合会にありますが、購入する術もないかと思うのでupさせて頂きました。
かれこれ18年前あたりの映像。私は保育園児。

それはそれとて、去年の記事が山積み状態なのでここで纏めて書いちゃいます。
去年の事ですからね・・・。


10/31は三越恵比寿店の岩手一ノ関フェアにて南部神楽見学。
演じるのは達古袋神楽さん。鶏舞と五條橋が演じられました。
わらび座の教材として全国の運動会で踊られる「御神楽」の大元はこの南部神楽です。
ステップを踏むような軽やかな鶏舞。
五條橋は義経と弁慶の有名な一説。セリフの多いことからセリフ神楽と呼ばれることもあるそう。
東京のしゃべくり神楽とも違ってうたう様に喋ります。扇は形も持ち方、返し方も独特です。
終演後に鶏舞の幣は観客に配られます。



正面エントランスでは舞川鹿躍り。初見。
用事があり序盤しか見れませんでした・・・。
南部神楽も鹿踊り、鬼剣舞いずれもステップが独特です。




9/21は常陸国は石岡まつりです。見学睦に同乗させて頂きまして行き返りと興味深いお話の聞ける見学でした(行きは常に遠くを見ていましたが)
いつぞやの天下祭で金丸の山車は見ましたが、初石岡。
よく知る五人囃子の様でもあり、異文化のようでもあり。
扇子隊は各地に色々あれどしばらく頭から離れない「おっしゃい」。「ひったちのはやしはせっかいいちぃ~」。
舞い方も石岡の振りは腰は固定で手先の動きが面白いです。面相は狐でも道化でも誇張した表情で笑った狐は他であまり見ないお顔立ち。茨城や埼玉の神楽にはしばしば狐が対になって舞う演目があり、これが輸入されたんじゃないでしょうかね。


福生市市民文化祭です。秋の文化祭シーズンということで福生市へ。
総じて福生の祭囃子として市の文化財に指定されております。
3ブロック構成。各団体で趣向の違いを感じます。

とても踊りの上手な男の子もいまいた。
二宮方面の踊りということですが、しっかりした踊りでした。
フワッと腰で調子を取るような感じで、お客を手繰り寄せ、おかめは色っぽくみえたり。
男の子は大概おかめを嫌がるんですけど、板についた見事な踊りでした。


羽生さんの面も沢山で歴史の厚さを感じたり。
手前のかわずは二宮型ですけど塗りは羽生さんっぽい?
よくみれば奥の笑いも常の顔と違います。

八王子の市民文化祭も控えておりまして、臨時練習につき中座。残念。


代々木八幡宮の祭礼見学。平日の祭り。なんでかこの週は祝日でもないけれど日付開催の祭りが多く、その気になれば一週間どこかでお祭りってな一週間でした。
露店も多く平日とは思えない賑やかーなお祭りでした。味噌おでんが安くておいし。
面打ちさんにもお会いいたしまして、色々なお話に冊子「つなぐ」も頂きましたヾ(´▽`)ノ
里神楽は本来大太鼓はない物なんでしょうかね。
あちこち見ていると、大太鼓は幕裏から打ったり、お宮さんの御下がりだったりと扱いが他の囃子方と異なったりしますね。


奉納するのは吉村社中さん。
神楽は九番ほど演じるそう・・・え、九番(ふつうが一日三番程度

羽生さん、芦舟さんのお面が多く、ホルマリン艶。
写実的なお顔立ちの狐さん。芦舟さんではないかとのこと。
動物面を得意とし、元は人形師であったと言います。
詳細は分からない面打ち師ですが、デフォルメされてるんですけど、リアルといいいますか、ぞくっとする様な表情です。
八王子にも芦舟さんのおかめを所蔵する団体さんが、いらっしゃいますが、やはり口元の彫は写実的。


合間に江戸囃子と神輿の迎え囃子。

拝殿でもまた別の団体さんが囃子が演奏されていましたが、間が大きく崩れて原型が掴めないような・・・。
目黒や船橋のヅクヅク囃子だと思いますが・・・。ごつい縄の締め太鼓に歴史を感じたり。

平日ということで夜はお囃子の練習があり、神楽を最後まで見ることなく帰路に。
ここまでは良かったんですけど、練習の後半から体が怠く、太鼓がいつもより重く、帰ってバタンキュー。風邪をひきました(T T


風邪が治りかけくらいで厚木市は愛甲熊野神社のお祭り。
垣澤社中さんの里神楽見学。
前述の吉村社中さんはお江戸の流れ、こちらは相模の流れの相模流です。
幕開けは「三番叟五人囃子附」です。
江戸流にもなくはないですが、相模流を代表する演目ではないかと思います。
烏跳びは活発でカッコいい。もどきはそれぞれチョコチョコと可愛らしい^^


「初詣」。江戸方面で返し矢の附属(タリ)で演じる部分でしたか。


「八雲神詠」は大蛇退治ですが、斐の川上の段から演じられまして、中々珍しいです。
いわゆる大蛇退治ですけど、物語は娘二人の場面から始まり、二人の内の姉が今宵大蛇の生贄となる。別れを惜しみ舞を舞っていると、辺りに雲が立ち込め、大蛇が姿を現し、姉を攫ってゆく。供養として姉の食器を斐伊川に流すと川下のスサノオがこれに気づく・・・と後は通常の「八雲神詠」と変わりませんが、(恐らく相模流特有の)特殊演出です。
舞台にかけられた橋掛かり(花道)が川に見立てられ、川上と川下の情景が非常にわかりやすいです。大蛇も二頭で地面を這う様であり、獣の様でもあり甕に戯れる姿や二重に足を欠けて襲い掛かるさまが印象的でした。

こどもの頃に近所の神社でとある社中さんが斐の川上の段を抜き出して演じてまして、
最後までスサノオはあらわれずあっけないBAD ENDに「?」となった記憶があります(^^;)


続いて中目黒八幡神社。こちらは間宮社中さん。
拝殿の真正面に設けられた神楽殿で番数も多め。


茗荷悪尉系のお顔立ち。厳めしい老人の面。

国指定四社中のうちの一つで家元もお若い社中さん。
あまりかける演目なども精力的に演じられます。初見の演目あり面白く見学でした。


阿伎留神社神輿渡御三百年祭 例大祭
延喜式にも残る古社で、現在の神輿渡御の形が整った正徳5年から数えること300年ということでの記念の年だそうで、近隣の団体も招き、盛大に行われました。


あきる野市の五日市地区は神田流(黒澤流)の流れのお囃子です。
して、伊奈地区を挟んだ引田地区にその祖となる葛西流新囃子が伝えられたと言います。
今回は特別に引田囃子保存会さんの演奏もあり、トラック山車もいつもより多めで賑やかな街道の神輿渡御でした。



ところざわまつり
久々の所沢。旭町さんでは山車が新造されて、最初のお祭り。
くすのき台にレッカーで運んで巡行とのことで慌ただしく、囃子の演奏はみれませんでしたが、
山車のレッカー作業というのはこんな感じなのかー( ゚ )
と見学。


御幸町では文化財調査とのことで盛留(人形)の「関羽周倉」があげられました。
数年前にもあげられる予定でしたが、雨にて中止。始発で来てがっくりした記憶が・・・。
今回は早朝でもなかったのですが、柱立ての見学はせずに降ろすところ見学に。


バリっと飾られる盛留。入近さんのサイトによると
この山車は古くは西多摩郡瑞穂町石畑にあり、それ以前は不明とのこと。

八王子の多賀神社の奉納額に同様のポーズの関羽周倉の額があり、八王子にこの山車があったなんて説も聞きますが、その額もみてませんからなんともいえません。うーん。


衣裳や塗りの痛みも・・・。降ろすときは腕がブラーんとなってましてちょっとおっかなかった。
その辺りは動画に差し込んであります。


本町さんのお囃子。
プログラムの看板には重松流囃子保存会元町本町支部囃子連社中とありました。
意味が重複しているような気もしなくもなく。
光重彫刻の元町東さん、金山町さん、旧砂川七番の山車を見学して帰りました。


合同展工燈の見学。巣鴨はとげぬき地蔵の高岩寺の会館で催されました。


当ブログでもお気に入り登録させて頂いております、新井達矢氏と田中俊成氏の作品と若手作家さんの作品が展示されました。嘗め回す様に見ている私は我ながらなんとも怪しい・・・あぁ、いい。



巣鴨をあとにして、府中の大國魂神社へ。二の酉でした。
神楽殿では山本頼信社中の江戸の里神楽が奉納されました。

山本社中さんの式三番(三番叟)は子どもの頃から見ていますが、兎角力強くキビキビ動きまして、やや前傾姿勢。その後の演目のもどきの手拭いにも式三番があしらわれていたり。
面はどことなく芝居ちっくなお顔立ち。


そして、広めの神楽殿もちょっと変わった構造で二重の脇に小窓が設けられていたり、手前の囃子方の出入り口も側面が開いた状態になっております。



多摩川源流フェスティバル。


山梨県都留郡小菅村の小永田神代神楽保存会さん「素戔嗚之命勘当場之幕」です。
いわゆる「神逐蓑笠」素朴な香りの五穀勘当。あきる野市の二の宮古谷家からの伝承。


昔親に連れられこのイベントをみに来た時も小永田のお神楽で「大蛇退治」でした。
そのピョンピョン跳ねる大蛇は今も脳裏に・・・。ぜひ、祭礼で見たいお神楽です。



玉川源流地域の種々の芸能が演じられました。時間は20分とやや長め。
日野祭ばやし連合会からは日野囃子保存会さん。元気な目黒囃子。おかめの新キャラあり。
国領囃子連さんの男の子は獅子、もどき、狐、獅子と出ずっぱりですごいです。
青渭囃子保存会は江戸の流れに府中の流れが、加わった獅子祓い仕様。
駒井はやし保存会さんは福岡仙松氏より伝授した目黒囃子です。獅子の寝技は細かい振りで勉強になります。


我孫子市郷土芸能祭。以前木下の竹袋稲荷神社例大祭を見学しましたが、概ね同系統。
我孫子、印西方面は素朴な神楽調のお囃子です。一団体、大杉囃子を同時に伝えていましたが、これは一歩古い様な道中囃子。佐原囃子も同系の大杉囃子の系統に分類されるようですが。


小中学校の郷土芸能クラブを交えながらの発表。
古戸はやし連中さんは面芝居「天狐吊り」。狐釣りの名で広く分布し、多摩地区でも昔余芸として、やっていた囃子連さんも多いようです。狐が農夫を化かす筋。中学生の八幡山の連舞は、タイミングもピッタリで鮮やか(この中学生達は師匠にあたるひょっとこ睦さんの神楽も最前列でかぶりつきで見てました^^)
ひょっとこ睦さんは草加市の駒崎社中さんから伝習した里神楽。「天孫降臨」が演じられましたが、キリッとしてカッコいい演技でした。
我孫子名物のから揚げそばを掻っ込んでの見学でした。

なんとも駆け足でしたが、去年のことを思い出しつつ書きました。