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鵠沼皇大神宮のお祭りでして山車マニアの間では有名なお祭りです。
午後から夕方17時にはすべての次第が終わることから「いっとき祭り」なんて異名もあります。
5時間が一時かどうかはさておき、明治中期の一本柱山車が9台現存します。
一本柱山車の難点ですが高さがある為神社手前の電線のない極短い区間からの宮入です。
鎌倉囃子と呼ばれる系統で太鼓の構成は似ていますが
山車、囃子は去年
動画付で書いたのでそっちをご覧くださいませ。
シホイなんて民俗学で出てきたりするやつです。潮水に浸った海藻で清められるというもの。
塩もそうですが潮水ってのは聖なる水です。聖水ってやつですね。
とまあ山車は去年見たとして
今年の目的はこっち。拝殿横で奉納される湯立神楽です。
湯立神楽は字の通り湯を立てる神事に伴う神楽。
全国にさまざまな形で分布していまして、都内にもいくつかあったかと。
市内では中野の子安神社でやってるとかなんとか。湯立のみでは高尾方面でやってます。
それによく似ている。天蓋(てんがい)と言うんだそう。
お寺さんの屋内に付いてるあれも天蓋。
基本的に舞は拝殿内で行われますけど撮影禁止のため写真なし。
必要な時だけ釜の前まで出てきます。写真は五番の「湯上」。
太鼓のリズムと笛の不思議なメロディーが耳に残っています。
ズンズズッチャ・・・楽器は締太鼓、大拍子、大太鼓、笛。
里神楽と概ね同じですが締太鼓も大拍子もかなり低音の調律で両方とも朱塗りの竹バチで打ちます。
湯を桶に採り殿内で神前に捧げます。
この五番の演目が終わると小休止で鳴り物、舞方の演者一同狩衣を脱ぎます。
「掻湯」。幣束でひとしきり舞うと釡の前まで出て湯をかき回します。
この湯や湯気で古くは吉凶を占ったそう。
全国的にも湯立の神楽や神事を行うところではそんな伝承があります。
ものの本では占い(易学)ってのは大昔は祭りのメインだったそうな。
「大散供」が舞われまして次は「笹の舞」。
見物の方はこの演目が目当てのようです。
拝殿内で羽織を付けた演者二人が舞います。そのあと一人が釡の前に出ます。
笹を3回釡に浸して拝みもう一度浸して思いっきり見物人に振り撒きます。
浸して撒くのを三方に行い。湯を振り撒きながら拝殿に戻ります。
演者は二人ですから同じことをもう一人も行い計二回行われます。
釡でグラグラと地獄谷のように炊かれた湯も撒かれると熱くないもの。
これを神のご加護云々・・・というとありがたみも増すものです。
画像でもわかるようにフルスイングで撒いてきます(^^;
里神楽や神話にも湯を使う「兄弟探湯」という演目がありまして
異母弟の策略にかけられた武内宿禰は煮えたぎる湯に手を浸して無事であった。
異母弟は無理やり浸され大やけどを負う。湯にもなにか神聖視されるものがあるのか。。。
最後に「毛止幾」が舞われます。これが唯一の着面の舞。
天狗が九字を切って舞っている後ろから黒い顔の「毛止幾」が面白おかしく真似て歩きます。
最後に二人は参拝者に供物の飴を撒き終了します。
「毛止幾」は意地悪して後ろに撒いたり、関係ない場所に力いっぱい投げつけたりと観客の笑いを誘います。
祭の最後に去年に続き片づけを見学。
幕を取ると一本柱の形がよくわかります。少しずつ柱を倒して人形を取り外します。
山車は境内の倉庫に収められますが人形は各町会管理。トラックに積まれます。
山車人形は上に上げた時に下を見つめるように計算して作られています。
モチーフも徳川家康、浦島太郎、那須与一・・・とさまざま。
積み方も色々ですけど仁徳さんや楠さんは何を思うんでしょうね。
今回小難しい話が多くてごめんないさい。
背景を見ていくとそれぐらい濃いお祭りなんです。