創刊42年を迎える「あだち百景」に、
毎回、連載中です。
 
第152号が出ました。連載2回目!
 
今回は、私が子供の頃に
通っていた寄席で出会った、
明治生まれの師匠方について書いています。

 
「あだち百景」は、年4回の発刊です。
 
引き続き、連載しています。
 
これからもよろしくお願いします。
 
【たけ平今日の一曲】
~宮城まり子「ガード下の靴みがき」~
 
私は子供の頃の寄席の記憶が沢山あります。
 
小学低学年から寄席通いをしていたので、
私の世代では、
あまり観ていない世代の師匠方を
結構、観ています。
 
昔の演芸の記憶がある方のお一人に、
宮城まり子さんがいました。
 
生前、宮城さんと対談をしたときの写真がこちら!
 
宮城さんから貴重な寄席演芸のエピソードを聞きました。
 
宮城さんは、24歳の頃、
演芸の興行に出演していたことがあったそうです。
 
歌で出演されていました。
 
その興行、宮城さんの後の出番が、
昭和の名人、先代・桂文楽師匠だったそうです。
 
その時のお客さんが、
宮城さんの歌に大盛り上がりで、
「もう一曲やれ」と、アンコールが止まない。
 
この日、持ち時間を少しこぼして、
楽屋に戻ったら、
文楽師匠の姿が無かったそうです。
 
他の出演者に、
「彼女(宮城さん)は、歌が好きなんだからもっと歌わせてあげなさい。あの子はきっと大物になる。私は失礼しますから」
と伝言を残してお帰りになったそうです。
 
その文楽師匠の先見の明たるや、流石で、
後にビック歌手になったのが、
宮城まり子さんです。
 
代表曲が、今日の一曲。
昭和31年の作品です。
 
ある時、
ビクターレコードのディレクターさんの
屑籠の中に丸めて捨ててあった紙がありました。
 
なんとなく、宮城さんが、
その紙を拾って広げてみたら、
書いてあったのが、この歌詞でした。
 
その歌詞を読んで
感銘を受けた宮城さんが、
ディレクターさんに直談判。
 
もし、あの時、
屑籠からその紙を拾わなかったら、
今日の一曲は誕生しませんでした。
 
 そして、紅白歌合戦に出場されています。