娘の幼稚園時代 つづき

 

 

この時期、素敵な出会いに恵まれます。

それは今も診ていただいているT小児科医との出会いです。

 

 

北海道では人口のが少ないので、発育を診てくれている医師は少ないです。

そのため発達専門の病院から地域に出向いて、

発達の相談を受ける事業がありました。

この時にT小児科医師とK理学療法士の先生が、

私たちの地域に出向いてきてくれました。

 

 

緊張した私たちに、二人は笑顔で迎えてくれました。

にっこにこです。全身笑顔です。

二人とも当時50代後半です。

 

 

K理学療法士が娘を楽しくあそばせながら、

からだの状態を確認していました。

私は娘の楽しそうな笑い声を聞きながら、

T小児科医師から問診を受けました。

 

 

 

はじめにT小児科医師が、

「お母さん、よくここまで大きくしましたね。」

と声をかけてくれました。

 

 

そして

「お母さんの目標は、

この子が20歳の時きちんと社会生活を送れるようにすることだよ。

自分の身の回りの事が出来て、社会にも参加できて。

だから急いだらだめだよ。

この子のこころやからだの土台をしっかり作らないとね。」

と言われました。

 

 

この言葉をきいて、涙がでました。

子どものできるできないではなく、

一人の人を育てる。

そこに主眼を置く。

この言葉は私の覚悟が決まっていくきっかけとなりました。

 

 

K理学療法士からは娘は機能的には問題ないが、

筋力が少ないので、筋力をつけましょうと言われました。

そして親子遊びをしながら筋力をつける方法を教えてもらいました。

 

 

そして私も娘も

「さあ、やりましょう。」

という気持ちで帰ってきました。

 

 

実はその前に違う相談を受けたことがありました。

その時の記録を残していないので詳細は分かりませんが、

娘のできないことばかり指摘されました。

そのことは私もわかっていたことなので、

気持ちは上滑りし、

不安だけが残りました。

 

 

でもこの時の相談はとっても気分が上を向き、

育児のやる気が湧いてきました。

保健師としても、人としても考えさせられました。

 

 

 

帰るときにT小児科医師に、

「僕は今まで小さい子どもを診てきたので、

この子の役に立つアドバイスができるかもしれない。

よかったら遠いけど僕の診察を受けに通わないかい?」

と言われます。

 

 

この相談から現在まで、

年2回約4時間かけて、

T小児科医師に会いに行っています。

 

 

つづく