「Disappointed」は軽い表現? | 林宙紀のブログ

林宙紀のブログ

「新しい時代。」この言葉をモットーに活動していきます!

安倍総理の靖国神社参拝に関するいろいろな意見の中で、気になったものがあって調べてみました。


それらの意見の要点は、

・アメリカの声明で使われた「disappointed」という表現は、外交文書的にはそんなに重い意味ではない。

・「失望」ではなく、「心外」くらいの意味にとるべきで、「concerned」や「regret」のほうがよりネガティブな意味である。

・これを「失望」としてメディアが騒ぐのはいかがなものか。


ということ。



私の認識では 「disappointed」はかなり強い不満を表すものだと考えていたので、念のためネイティブの先生に確認してみました。

(大学院時代に英語論文の作成でもお世話になった先生です)


僕の理解では、と付け加えたうえで、

・「disappointed」は 「concerned」(懸念)よりもずっと強く、また「regret」(遺憾)と比べても強い不快感を示す単語である。

・警告とまではいかないが、周辺地域に対するより深い配慮があってしかるべきだ、ということを暗に言いたかったように感じる。


とのことでした。


国連などで採用される文書では、「disappointed」の上は「condemn」(非難する)というものになるそうです。この基準で行くと、外交文書的には2番目のかなり強い不快感の表れということになります。

ついでに、concerned とか regret は disappointed よりもマイルドな表現として使われているようです。

よって、最初に挙げた意見は的確ではないと言えるでしょう。


一方で、この表現があたかも「靖国神社参拝そのもの」に対しての「失望」という意見も散見されます。

しかし、これはこれで間違いです。


プレスリリースを見ると、

「Japan is a valued ally and friend. Nevertheless, the United States is disappointed that Japan's leadership has taken an action that will exacerbate tensions with Japan's neighbors.」


『日本は大切な同盟国であり、友好国である。しかしながら、日本の指導者が近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに、米国政府は失望している。』


つまり、参拝そのものは特に良いとも悪いとも言わないけれど、参拝することで周辺国との関係が悪化するのがわかっていてその行動はとるべきでなかった、ということ。

状況やタイミングを考えると、今は控えるべきだった、と言いたいんだと思います。

大体のメディアはこのように解釈していたように思います。


日本語でさえ、ときどき当事者間で意味を取り違えていることってありますよね。

外国語の場合、特にこういう緊張が高まっているところでは、より慎重に意味を把握するべきでしょう。


今回いろいろと調べる中で、だいぶ英語力も落ちたことを実感しています。

時間を見つけてまた勉強せねば。。。