勤務評価と昇給査定の説明なのだが、親抜きの家庭訪問みたいな感じだ。
素面で腹を割って話す、貴重な機会である。
さて、社会人となってめでたく丸一年たった私は、社会にでて多少は角が取れたかもしれないが、
今でも、十代のように生意気でつんつんしている。
協調は苦手だし、
自分は大事だし、
斜に構えてるし。
「もっと丸くなんないといけないと思う」
なんて話をしたら、こんなことを言われた。
「無理して丸くなんなくてもいいじゃないか」
まず個性を大事にしてほしい、という。
私は幸せ者である。
その次に、言われたのが、
「丸く尖ったらもっといいよね」
丸く、尖る。
それはどういうことか。
帰り道でイメージしてみた。
はじめは円錐を想起した。
が、なんだかそっけないし、よく見ると鋭利だ。
次はギャンのビームサーベルだ。
が、攻撃力は強くても、形は弱っちい。
結論は「鉛筆の先」だ。
図工や書写の時間、絵を描く前に言われていた理想的な鉛筆の先。
鉛筆削りで削りたての鉛筆は途徹もなく尖っている。
その尖った鉛筆でぐるぐる円を描いて先を丸くする。
誰しも一度はやったことがあるのではないかと思う。
先端が丸いから、均一な線を滑らかに書くことができる。
これが自分にとってひとつの正解だと思えた。
研ぐことがすべてじゃない。
磨きをかけても物足りない。
擦り減らすのも身になり、価値となるのだろう。
そして何より、あの先の丸い鉛筆の気持ちよさといったら!
ぐるぐるぐるぐる書き減らす。
短くなったら鉛筆削る。
握れないほど短くなるまでがんばろうと思えた。
そして時には尖って、凶器のように刺さりに行くことも忘れずに。
