このような仕事をしていると、
そもそも自費出版と商業出版ってどう違うのか?
という質問を受けたりします。
「出版できる」という点ではまったく同じことです。
しかし違う点は、
まず第一に…
一番気になるポイントの金額でしょうか。
その点でいえば、自費出版は200万~300万円程度に対して、
商業出版であれば、印税が著者であるあなたに支払われます。
ただ、費用の比較は、もともと性格が違うものですから、
あまり意味はないかもしれませんが…。
自費出版は自分が好きなようにやれますが、
商業出版の場合、あなたの著書であると
同時に、出版社の商品でもあります。
当然、多くの読者に受け入れてもらうために(売れるために)、
編集者からいろいろな改善案が出て、それに対していかによい本にするか考え、
応えていく必要があります。
考える作業というのは、とても孤独で、つらい作業です。
正直、ものづくりへのそれ相応の覚悟なければ、本当につらいものになるでしょう。
しかし同時に、その覚悟に応えるように、書籍一冊に
編集者をはじめ、デザイナー、DTPなど
いろいろなスタッフが加わり、あなたの本をつくりあげていきます。
みんな、それぞれの領域で、「この構成で読者は理解してくれるだろうか」
「読みやすいデザインになっているだろうか」
「うまく雰囲気の伝わるイラストになっているだろうか」と、
プロの仕事をしてくれます。
書店に並ぶ商品です。当然ですね。
商業出版に挑戦するということは、そのようなメリットも
享受することができるということを頭に置いていただけると、
出版にかかわる人間としてうれしいです。
また、販売に関しても、一般の書店流通にのりますし、
本屋に並ぶために、ここでもいろんな人が動いてくれます。
そういったことは別に必要ない、ただ、本という形にしたい、
というだけであれば、自分の好きなようにやれる自費出版のほうがストレスなくできますし、
そちらがあっている方もいらっしゃるでしょう。