議会 都市部で自治体議会が荒れたり、議員が不祥事を起こしたりするケースが目立つ。無党派層の有権者が政党の訴えに共鳴し、突風のような追い風で資質を欠く議員が多数誕生することが、背景の一つとみられる。地方で議員のなり手不足が深刻化する一方、都市部は「風の副作用」に苦しんでいる。(19日、毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150119-00000003-mai-soci


「風」頼みで議員団自滅、というタイトルの記事がありました。


毎日新聞によると―


「議員報酬半減」を掲げる減税日本(代表・河村たかし名古屋市長)は、名古屋市議会(定数75)のリコールを受けた2011年3月の市議選で28人を当選させ、最大会派に躍り出た。あれから4年。いま市議団は11人しかいない。

(中略)


橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会。11年統一地方選では大阪府議選(当時定数109)で単独過半数となる57人、大阪市議選(定数86)では第1党となる33人が当選した。だが造反や不祥事で、府議団47人、市議団30人と少数与党に転じた。


(中略)


◇政策重視で投票を 新川達郎・同志社大大学院教授(地方自治論)

 議員選はただ一人を選ぶ首長選とは違い、議会の役割が重要だと理屈では分かっていても気軽に投票しがちで、流行に影響され目新しい候補に票が集まりやすい。減税日本や維新の躍進は、その時の有権者の関心を巧みにつかんだ結果だ。

 しかし、経験不足などから落ちこぼれる議員も出て有権者の過剰な期待を裏切った。党のラベルだけで当選した者は揺り戻しで、次回は厳しい戦いを強いられるだろう。

 かといって、既成政党への期待度や満足度は高くない。有権者は「期待を裏切られたから、今度は既成政党」という二者択一ではなく、今度こそ政策重視で投票すべきだ。


― 新川教授のご指摘どおりだと痛切に思います。


神戸市会でも4年前の選挙で公務員改革や市役所改革を掲げた「みんなの党」が全市で8人の当選者を出し、いっきに交渉会派になりました。


しかし東灘選出議員は選挙前の保険金詐欺事件で辞職、垂水区選出議員は「自民党神戸」へ、中央区選出議員は「自民党」へ、さらに北区選出議員は離党、須磨区選出議員は地域政党「神戸志民党」の立ち上げに加わりました。


結果、いまは会派名を変えて4人の非交渉会派になってしまいました。


これも“議員団自滅”のケースです。


ことし4月の選挙でも「神戸志民党」や「維新」からも次々に候補者が出るようですが、これらの現職市会議員は市長提案の予算案や決算案に全面賛成です。


久元市長に対抗して市長選挙で善戦した樫野氏率いる地域政党「神戸志民党」はなぜ市長提案の決算案などに賛成なのかと聞かれることがあります。


“是々非々”なのでしょうと答えておきますが、市長提案の予算案や決算案に対する賛否はその会派の市政に対する基本スタンスを表します。


また林は樫野氏を応援していたのに、なぜ「志民党」ではないのかと聞かれることもあります。


神戸空港 30万人を超える市民が住民投票を求めた神戸空港建設の際、約2000億円の“借金”をしましたが、その返済に困りさらにまた毎年約200億円の“借金”をしてそのツケを次世代に先送りしている予算案や決算案に林らは反対しているのが理由です。


年間約22億円の「議会費」は多すぎるので、議員を削減するよう求めることも理解しますが、その「議会費」をも承認している「志民党」や「旧みんなの党」の議会スタンスって、いったい何なのでしょう。